Nutanix、「Nutanix Clusters on AWS」の一般提供開始を発表、日本での展開も説明3種のライセンスを提供

Nutanixが、同社のプラットフォームソフトウェアをAWSの物理サーバ上で動かせる「Nutanix Clusters on AWS」の一般提供を開始した。日本でも利用可能。では、ライセンス形態はどうなっているか。国内における提供についてニュータニックス・ジャパンが説明した。

» 2020年08月13日 15時10分 公開
[三木泉@IT]

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 Nutanixは2020年8月11日(米国時間)、グローバルで「Nutanix Cluster on AWS」の一般提供を開始したと発表した。これを受け、8月13日にはニュータニックス・ジャパンが国内提供について説明した。

 Nutanix Clusters on AWSは、Nutanixが2019年の同社年次イベントで発表したもの。Nutanixのプラットフォームソフトウェアである「Nutanix Enterprise Cloud OS」をAmazon Web Services(AWS)上で動かせる。こう表現すると、仕組み的にはVMwareの「VMware Cloud on AWS」に類似したものという印象になるが、両者には決定的な違いがある。それは、Nutanix Clusters on AWSにおいて、AWSからの特別な協力はないし、その必要もないという点だ。

 Nutanix Clusters on AWSの実態は、AWS上でEnterprise Cloud OSを動かすライセンスを、Nutanixが提供するというもの。従って、このプロダクトを「サービス」と呼ぶのは、細かく言えば誤りだ。「Nutanix Clusters on AWSの一般提供開始」は、「NutanixがEnterprise Cloud OSのAWS上での利用ライセンスを、サポートと共に正式提供開始した」ことを意味する。ユーザーはEnterprise Cloud OSのライセンス料金をNutanixに支払い、ベアメタルインスタンスの利用料金をAWSに支払う。

 Nutanix Clusters on AWSでは、ユーザーが必要な数の「Amazon EC2」ベアメタルインスタンス(物理サーバ)を確保したら、その上にNutanixの(ストレージ機能を含めた)仮想サーバ基盤を展開して利用できる。

 ユーザー組織にとってのプロビジョニングプロセスは次のようになる。AWSの使い方をマスターしていない担当者でも、導入が可能だ。導入作業中、AWSの管理コンソールを操作する必要もない。

 ユーザーはまず、Nutanixがサービスとして提供しているマルチクラウドライセンス管理ツール「Multicloud Manager」でNutanix Clustersを選択し、クラスタの構築プロセスを開始する。次に既存のNutanix管理コンソール「Prism」のメニューから、望みの構成を入力する。すると裏でCloud Formationテンプレートが走り、ベアメタルインスタンスにKVMベースの同社ハイパーバイザーである「AHV」がインストールされ、例えば30分といった時間でNutanixプラットフォームが立ち上がるという。これと同時に、AWS上の新規Nutanixクラスタは、Prism上に管理対象として加わることになる。

 既存のNutanixユーザーでない場合、My.Nutanix.comというWebサイトから後述の従量課金ライセンスであれば直接購入でき、これを使ってMulticloud Managerから導入プロセスを進めることができる。

 いずれにしても、AWSからは、ユーザーが自身の「Amazon VPC」内にベアメタルインスタンスを立ち上げているだけにしか見えない。従って、AWSがNutanix Clusters on AWSユーザーに対して、特別なサポートを提供することはない。逆に大きなメリットとして、複雑な統合作業をすることなく、AWSのアーキテクチャをそのまま活用し、自然に溶け込むことができる。

 ちなみに、Nutanix Cloud on AWSでは現在、「i3」「i3en」「m5d」「z1d」の4種のベアメタルインスタンスに対応している。

Nutanix Clusters on AWSの用途

 AWSを既に使っている組織は、既存のVPC内にNutanixクラスタを構築でき、インスタンスレベルでの管理はAWSのツールや機能を援用できる。セキュリティについても、AWSの仕組みで統合的に管理が可能。また、AWSの多様なネイティブサービスを、他のVPC内インスタンスと同様に活用できる。オンプレミス環境とのネットワーク接続も、既存のAWSとの接続サービスおよび構成をそのまま活用できる。

 その上で、社内にNutanixを導入済みの組織は、オンプレミスとAWSにまたがる複数のNutanixクラスタをPrismで統合管理できる。相互のアプリケーション移動も円滑にできるという。Nutanixでは数クリックでのディザスタリカバリー(災害対策)も大きな特徴だが、これをオンプレミスとAWSとの間で即座に設定できるとしている。

 上記で分かる通り、Nutanix Clusters on AWSは、導入先のクラウドの仕組みをそのまま活用するようになっている。このため、「Microsoft Azure」や「Google Cloud Platform(GCP)」、その他あらゆるデーセンターサービスへの展開は、技術的に難しくない。Nutanixでは、AzureやGCPにおいても、同様なプロダクトを近い将来提供するとしている。

ライセンス形態は? 日本でのサポートは?

 AWSは現時点で24のリージョンを持っている。Nutanix Clusters on AWS は、AWSがベアメタルインスタンスを提供している20のAWSリージョンで利用可能という。

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