納品の際などにフォルダ名やファイル名の一覧をドキュメントとして載せたいような場合はないだろうか。このような場合、エクスプローラーでフォルダを開き、ファイル名を選択して、コピーして、テキストファイルに貼り付け、といった作業を繰り返していたのでは時間がいくらあっても足りない。ここはコマンドを使ってスマートに片付けよう。
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フォルダ名やファイル名の一覧を文書に取り込みたいというニーズは、日常の至る所に潜んでいる。典型的なのは、メールに添付したファイルの内訳をメール本文に記載したい場合だが、他にも部内ファイルサーバのフォルダ構成を社内マニュアルに記載したい、あるいはソフトウェア配布パッケージ作成時に「README.TXT」ファイルに配布内容を掲載しておきたいなど、職場や職種により、さまざまなシーンが考えられる。
さて、そこで今回のミッションだ。
面倒な仕事は、必ず終業時刻の間際になって舞い込んでくる。
「お疲れさま。すまないが例のプロジェクトの主な関連資料を、デジアド商会の小寺さんに今日中にメールで送っておいてくれないか。ついでに送付するファイルの名前をメール本文に書き添えてくれると助かる」
ぐぬぬ、今日は、あと10分ほどで帰れたはずなのに。客先訪問中の上司からメールが届いてしまった。その「ついでに」以降が激しく時間がかかる面倒な作業なのだが……。
関連資料は30個近いファイルからなる。それらを集めて圧縮フォルダにまとめ、メールに添付するまではあっという間だ。
問題なのは添付した30個近いファイル名を、どうやってメール本文に書き添えるかだ。それだけの数のファイル名を、いちいちキーボードから入力していくのは正直言ってダル過ぎる。
さぁ、こんなときどうする?
フォルダ内のファイル一覧は、エクスプローラーで簡単に閲覧できる。ここからファイル名を文書に取り込むとすれば、1つずつファイルを選択し、コピー&ペーストすることになるだろう。しかし、ファイル数が多いと、この作業はとても煩わしいものになる。
ここで、マウスのいらないコマンドプロンプトの世界「さらば非人間的単純作業 膨大な数のファイル名を一発変換 ―― renameコマンド」で紹介したdirコマンドの出力をコピー&ペーストすればよいのでは? と考えるかもしれない。なるほど、確かにこれならファイル名を一括選択できるので作業がはかどるかもしれない。
しかし、出力結果が何画面にもわたって表示されるような場合は、範囲選択をしながら画面をスクロールさせるか、何回かに分けてコピー&ペーストをしなければならない。ファイル数によっては、やはり煩わしい作業になってしまうこともある。
そこで紹介するのが今回のコマンド技だ。この方法なら、ファイルが幾つあろうとも作業の手数は変わらない。たとえファイルが数千個、数万個あったとしてもだ。
今回のミッションを解決するには、dirコマンドとclipコマンドを連携させて、次のように入力する。
dir /b | clip [Ener]
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