Always On 可用性グループのクラスタメンバーごとにネットワーク情報を出力するSQL Server動的管理ビューレファレンス(9)

「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、Always On 可用性グループにおけるクラスタメンバーごとのネットワーク情報の出力について解説します。

» 2021年05月18日 05時00分 公開
[椎名武史@IT]

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SQL Server動的管理ビュー一覧

 本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は、Always On 可用性グループのクラスタメンバーごとにネットワーク情報を出力する「sys.dm_hadr_cluster_networks」について解説します。対応バージョンはSQL Server 2012以降です。

概要

 Always On 可用性グループやフェールオーバークラスタインスタンスでは生存確認が必要なため、それぞれ通信するためのネットワークアドレスを持っています。「sys.dm_hadr_cluster_networks」は、クラスタメンバーごとのネットワーク情報を出力します。

出力内容

列名 データ型 説明
member_name nvarchar(128) WSFCクラスタ内のノードのコンピュータ名です。
network_subnet_ip nvarchar(48) コンピュータが属するサブネットのネットワークIPアドレスです。IPv4またはIPv6のアドレスになります。
network_subnet_ipv4_mask nvarchar(45) IPアドレスが属するサブネットを指定するネットワークサブネットマスクです。
NULL は IPv6 サブネットです。
network_subnet_prefix_length int コンピュータが属するサブネットを指定するネットワークIPプレフィックス長です。
is_public bit WSFCクラスタでネットワークがプライベートかパブリックかを示しています。次のいずれかになります。
 0 = プライベート
 1 = パブリック
is_ipv4 bit サブネットの種類です。次のいずれかになります。
 1 = IPv4
 0 = IPv6

動作例

 今回の環境では、同一サブネット内に存在している3つノードでAlways On 可用性グループを構築しています(図1)。

図1 図1 Always On 可用性グループの構成図

 「sys.dm_hadr_cluster_networks」を実行すると、クラスタメンバーのネットワーク情報が出力されます。サブネットなどは出力されますが、実際のIPアドレスまでは表示されません(図2)。

図2 図2 クラスタメンバーのネットワークに関する情報が出力される

※本Tipsは、「Windows Server 2019」上に「SQL Server 2019 CTP2」をインストールした環境を想定して解説しています。

筆者紹介

椎名 武史(しいな たけし)

日本ユニシス株式会社所属。Microsoft MVP for Data Platform(2017〜)。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。

伊東 敏章(いとう としあき)

日本ユニシス株式会社所属。入社以来SQL Server一筋で評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。社内のプログラミングコンテストで4回の優勝経験も持つ。趣味は輪行で週末は自転車を持っての旅行。目標は色々な日本百選を制覇すること。


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