「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、データベースで使用しているエディション制限された機能の確認について解説します。
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本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は動的管理ビュー「sys.dm_db_persisted_sku_features」におけるデータベースで使用しているエディション制限された機能の確認について解説します。対応バージョンは、SQL Server 2008以降です。
SQL Serverでは、使用するエディションによって、機能の使用が制限されているものがあります。例えば、SQL Server 2016にはテーブルやインデックスのデータ圧縮の機能がありますが、この機能はEnterprise EditionとDeveloper Editionでのみ使用でき、Standard Editionなど他のエディションでは使用できません。
データベースで、エディションによって制限されている機能を使用している場合、機能が制限されたエディションのSQL Serverインスタンスにデータベースをアタッチしたり、バックアップをリストアしたりするとエラーが発生します。
「sys.dm_db_persisted_sku_features」動的管理ビューを用いて、データベースで使われている、エディションによって使用が制限されている機能の一覧を出力できます。
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
feature_name | sysname | データベースで有効になっているものの、SQL Serverの全エディションでサポートされるとは限らない機能の名前 |
feature_id | int | 機能に関連付けられている機能ID |
SQL Server 2016 RTMに接続し、テーブルのデータ圧縮を構成します(図1)。データ圧縮の機能は、SQL Server 2016 SP1より前のバージョンのSQL Serverでは、Enterprise Edition、Developer Edition以外での使用は制限されていました。
「sys.dm_db_persisted_sku_features」動的管理ビューを出力すると、エディション制限された機能としてデータ圧縮が出力されました(図2)。
Enterprise Edition以外のエディションでは、リソースガバナーも制限されるため、SQL Serverインスタンスでリソースガバナーを有効化します(図3)。
「sys.dm_db_persisted_sku_features」動的管理ビューを出力します(図4)。
リソースガバナーはエディションにより制限される機能ですが、インスタンス全体の設定であるため、データベースでの使用状況を出力する「sys.dm_db_persisted_sku_features」動的管理ビューでは出力されないようです。
※本Tipsは、「Windows Server 2019」上に「SQL Server 2016 RTM」をインストールした環境を想定して解説しています。
日本ユニシス株式会社所属。Microsoft MVP for Data Platform(2017〜)。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。
日本ユニシス株式会社所属。入社以来SQL Server一筋で評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。社内のプログラミングコンテストで4回の優勝経験も持つ。趣味は輪行で週末は自転車を持っての旅行。目標は色々な日本百選を制覇すること。
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