「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、リソースセマフォの状態に関する情報の出力について解説します。
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本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は動的管理ビュー「sys.dm_exec_query_resource_semaphores」における、リソースセマフォの状態に関する情報の出力について解説します。対応バージョンは、SQL Server(サポートされている全てのバージョン)です。
「sys.dm_exec_query_memory_grants」ではセッションごとのリソースセマフォの取得状況を、「sys.dm_exec_query_optimizer_memory_gateways」ではゲートウェイごとのリソースセマフォの取得状況を確認できました。
「sys.dm_exec_query_resource_semaphores」を実行すると、リソースセマフォの状態に関する情報を出力します。
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
resource_semaphore_id | smallint | リソースセマフォの非一意のID |
target_memory_kb | bigint | 使用量のターゲット(KB単位) |
max_target_memory_kb | bigint | 最大許容メモリ(KB単位) |
total_memory_kb | bigint | リソースセマフォで保持されているメモリ(KB単位) |
available_memory_kb | bigint | 使用可能なメモリ(KB単位) |
granted_memory_kb | bigint | 許可されているメモリ(KB単位) |
used_memory_kb | bigint | 許可されている物理メモリ(KB単位) |
grantee_count | int | 許可を持つアクティブなクエリの数 |
waiter_count | int | 許可を待機しているクエリの数 |
timeout_error_count | bigint | サーバが起動した後のタイムアウトエラーの合計数 |
forced_grant_count | bigint | サーバの起動後の強制的な最小メモリ許可の合計数 |
pool_id | int | リソースセマフォが属しているリソースプールのID |
ハッシュ操作や並べ替え操作が必要なクエリを複数実行した環境で「sys.dm_exec_query_resource_semaphores」を実行すると、リソースセマフォの状態に関する情報が出力されます(図1)。
「resource_semaphore_id」列で「0」は通常のリソースセマフォ、「1」は小さいクエリ用のリソースセマフォを表しています。それぞれのリソースセマフォのメモリ状況や待ちが発生しているクエリの数などを確認できます。
今回であれば「resource_semaphore_id」が「0」の「pool_id」が「1」で「2057744KB」のメモリが許可されており、1つの処理が待たされていることが確認できます。
※本Tipsは、「Windows Server 2019」上に「SQL Server 2019 RTM」をインストールした環境を想定して解説しています。
日本ユニシス株式会社所属。Microsoft MVP for Data Platform(2017〜)。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。
日本ユニシス株式会社所属。入社以来SQL Server一筋で評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。社内のプログラミングコンテストで4回の優勝経験も持つ。趣味は輪行で週末は自転車を持っての旅行。目標は色々な日本百選を制覇すること。
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