IIJがリモートアクセスVPNサービスでゼロトラスト的な機能を強化きめ細かなアクセス制御ができる

IIJが、アクセス制御の機能を追加したクラウド型リモートアクセス VPN サービスを発表した。端末で多様な情報を取得し、可視化とポリシー設定のサイクルを回していくことができる。

» 2022年01月26日 07時44分 公開
[三木泉ITmedia]

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 IIJは2022年1月25日、 既存のクラウド型リモートアクセス VPN サービスにアクセス制御やガバナンス向上の機能を追加し、「IIJフレックスモビリティサービス/ZTNA(ゼットティーエヌエー)」として発表した。2022年1月31日に提供開始の予定。

 サービス名の 「ZTNA」は「ゼロトラストネットワークアクセス」の略語。新サービスでは、「従来の境界型セキュリティに頼り過ぎず、VPNアクセスしてくる端末をむやみに信頼しない」という考え方に基づく機能を盛り込んでいる。大企業が構築するような複雑な仕組みを、中堅企業でも即座に使えるようにするという。

 具体的には、端末上のVPN接続エージェントできめ細かなアクセス制御を実施する。 またその前提として、エージェントが収集した情報を管理コンソールで可視化する機能がある。

きめ細かなポリシー設定ができる

 通信の可視化では、端末固有ID/種類、端末の場所、接続Wi-FiのSSID/BSSID、通信状況、Active Directoryグループ、アクセス先、OS/アプリケーションバージョン、ウイルス対策などの情報を日時と共に取得、管理者がこれらをダッシュボードで確認できる。

 例えばWi-Fiセキュリティダッシュボードでは、信頼できないフリーWi-Fiなどへの接続を、日時と共に可視化できる。アクセス先についても、VPN接続エージェントに反映されるWebサイト評価データベースにより、セキュリティリスクの高いサイトへのアクセスを検知し、ダッシュボードに表示する。アクセス先については、IPアドレスから地理的な場所を追う機能もある。

 上記のような情報に基づき、ダッシュボード上でアクセス制御のポリシーが設定できる。 端末のセキュリティ要件に始まり、どのインターネット上のサイト/サービスへのアクセスを許可するか、どのインターネットサービスをVPN経由でアクセスさせるか、どの社内IPアドレスへのアクセスを許可するか、などを制御できる。 特定の端末を緊急的に隔離し、新たなポリシーを適用することも可能。

 こうして情報の可視化とポリシー設定のサイクルを回していくことができるという。

 なお、「どのインターネット上のサイト/サービスへのアクセスを許可するか」は、米国企業のWeb評価データベースに基づき端末で行うWebフィルタリングで制御する。より本格的なWebフィルタリングについては、ゲートウェイ型のサービスをオプションで提供する。

 同サービスでは、契約VPN帯域の管理/対策や、VPN接続に関するトラブルシューティングの機能もある。 例えば、ユーザーからの「VPNがつながらない」という問い合わせを受けて、管理者が端末に設定した通信テストをユーザーが実行することで、原因を探ることができるという。

プランにより、帯域と利用できる機能が異なる

 クラウド型のクライアントVPNであるIIJフレックスモビリティサービスは、企業拠点との接続に2種類の方法を用意している。

 1つはユーザー企業の既存WANにIIJのプライベートバックボーンサービス経由でつなぎ込む方法。IIJのデータセンターで接続する。もう1つは、IIJのSD-WANサービスである「IIJ Omnibusサービス」に企業拠点を直接接続する方法。こちらの場合、 閉域網で複数のパブリッククラウドと接続できる。

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