「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、拡張イベントmapデータ型に関する情報の出力について解説します。
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本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は動的管理ビュー「sys.dm_xe_map_values」における、拡張イベントmapデータ型に関する情報の出力について解説します。対応バージョンは、SQL Server(サポートされている全てのバージョン)です。
後ほど紹介する「sys.dm_xe_objects」では、さまざまな拡張イベントオブジェクトの一覧を表示できます。その中に「object_type」列がmapデータ型と表示されるオブジェクトがあります。「sys.dm_xe_map_values」を実行すると、mapデータ型に関する情報を出力します。
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
name | nvarchar(256) | mapデータ型のオブジェクト名 |
object_package_guid | uniqueidentifier | mapを含むパッケージのGUID |
map_key | int | mapで使用する内部キー |
map_value | nvarchar(3072) | 内部キーの説明 |
「sys.dm_xe_map_values」を実行すると、SQL Server 2019では7088行のmapデータ型に関する情報が出力されました(図1)。
「sys.dm_xe_objects」も実行すると「sys.dm_xe_map_values」と同一の「package_guid」列と「name」列が存在し、「object_type」列には「map」と出力されていました。
今回出力された「name」列が「etw_level」のレコードはmapデータ型のため、「sys.dm_xe_map_values」から「Abnormal exit or termination」「Server error」「Warning」「Informational」「Detailed」という値を取るオブジェクトであると確認できます。値の数はオブジェクトにより異なり、「wait_types」のオブジェクトでは1295個の「map_key」が存在します。
※本Tipsは、「Windows Server 2019」上に「SQL Server 2019 RTM」をインストールした環境を想定して解説しています。
日本ユニシス株式会社所属。Microsoft MVP for Data Platform(2017〜)。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。
日本ユニシス株式会社所属。入社以来SQL Server一筋で評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。社内のプログラミングコンテストで4回の優勝経験も持つ。趣味は輪行で週末は自転車を持っての旅行。目標は色々な日本百選を制覇すること。
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