「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、拡張イベントセッションの一覧を出力する方法について解説します。
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本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は動的管理ビュー「sys.dm_xe_sessions」における、拡張イベントセッションの一覧を出力する方法について解説します。対応バージョンは、SQL Server(サポートされている全てのバージョン)です。
SQL Serverでは拡張イベント(XEvent)の機能を使用することで、SQL Serverの内部で発生したイベントや付随する情報を記録して、パフォーマンス問題の解析や、問題の原因特定に必要なデータを収集できます。
類似の機能として、以前からSQL Serverトレースがありました。拡張イベントはより新しい機能となり、採取パフォーマンスの改善や対象のイベント、収集できる情報の増加、記録方法の選択肢の増加がなされました。
拡張イベントを収集するには、あらかじめ拡張イベントセッションを構成して、採取対象とするイベントや含める情報、記録先などを設定しておく必要があります。そして、拡張イベントを採取する期間にあわせて、拡張イベントセッションを開始、停止します。
「sys.dm_xe_sessions」動的管理ビューでは、構成された拡張イベントセッションの一覧情報を出力します。この一覧には、拡張イベントセッションのバッファーサイズやバッファーがいっぱいになった場合の動作設定など、拡張イベントセッションに関する構成情報が含まれます。拡張イベントセッションに構成されたイベントや出力先のターゲットの情報については含まれませんので、別の拡張イベントセッションに関連した動的管理ビューを使用して確認する必要があります。
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
address | varbinary(8) | セッションのメモリアドレス。ローカルシステム全体で一意 |
name | nvarchar(256) | セッションの名前。名前はローカルシステム全体で一意 |
pending_buffers | int | 処理を保留しているバッファーの最大数 |
total_regular_buffers | int | 標準バッファーの合計数 |
regular_buffer_size | bigint | 標準バッファーのサイズ(バイト単位) |
total_large_buffers | int | ラージイベント用のバッファー(ラージバッファー)の合計数 |
large_buffer_size | bigint | ラージバッファーのサイズ(バイト単位) |
total_buffer_size | bigint | メモリバッファーの合計サイズ(バイト単位) |
buffer_policy_flags | int | 全てのバッファーがいっぱいになり、新しいイベントが発生した場合のセッションイベントバッファーの動作を示すビットマップ |
buffer_policy_desc | nvarchar(256) | 「buffer_policy_flags」の説明 Drop event Do not drop events Drop full buffer Allocate new buffer |
flags | int | セッションに設定されているフラグを示すビットマップ |
flag_desc | nvarchar(256) | 「flags」の説明。次の値の組み合わせ Flush buffers on close Dedicated dispatcher Allow recursive events |
dropped_event_count | int | バッファーがいっぱいになったときに削除されたイベントの数。バッファーポリシーが「Drop full buffer」「Do not drop events」の場合は「0」 |
dropped_buffer_count | int | バッファーがいっぱいになったときに削除されたバッファーの数。バッファーポリシーが「Drop event」「Do not drop events」に設定されている場合は「0」 |
blocked_event_fire_time | int | バッファーがいっぱいになったときにイベントの実行がブロックされた時間の長さ。バッファーポリシーが「Drop full buffer」「Drop event」の場合は「0」 |
create_time | datetime | セッションが作成された時刻 |
largest_event_dropped_size | int | セッションバッファーに収まらなかったイベントの最大サイズ |
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