「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、外部リソースプールのアフィニティに関する情報の出力について解説します。
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本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は動的管理ビュー「sys.dm_resource_governor_external_resource_pool_affinity」における、外部リソースプールのアフィニティに関する情報の出力について解説します。対応バージョンは、SQL Server 2016(13.x)以降です。
SQL Serverでは、リソースガバナーの機能を利用してワークロードが使用するシステムリソースの消費を管理することができます。リソースガバナーでは、アプリケーションからの要求をワークロードグループに割り当てます。ワークロードグループが属するリソースプールに、使用できるCPU時間やメモリ量の割合、I/O要求のスループットを設定することで、アプリケーションからの要求で使用されるリソースを制限します。
「SQL Server Machine Learning Services」の「Python」や「R」のワークロードを制限するためには、外部リソースプールを使用します。「sys.dm_resource_governor_external_resource_pool_affinity」では、外部リソースプールのアフィニティに関する情報を出力します。
列名 | データ型 | 説明 |
---|---|---|
external_pool_id | int | 外部リソースプールのID |
processor_group | smallint | Windowsの論理プロセッサグループのID |
cpu_mask | bigint | リソースプールに関連付けられているCPUを表すバイナリマスク |
アフィニティを設定した外部リソースプールを作成した後に「sys.dm_resource_governor_external_resource_pool_affinity」を実行すると、外部リソースプールのアフィニティに関する情報が出力されました(図1)。
外部リソースプールを2つ作成したため、2行出力されており、「cpu_mask」列は「3」と「60」が出力されました。「cpu_mask」は関連付けられているバイナリマスクを表しており、「3」は「1,2」の組み合わせであるためCPU「0〜1」を、「60」は「4,8,16,32」の組み合わせであるためCPU「2〜5」が割り当てられていることが確認できます。
既定で外部リソースプールを作成した場合は「AFFINITY CPU = AUTO」になり、「sys.dm_resource_governor_external_resource_pool_affinity」には出力されないため注意が必要です。
※本Tipsは、「Windows Server 2019」上に「SQL Server 2019」をインストールした環境を想定して解説しています。
BIPROGY株式会社(ビプロジー)所属。Microsoft MVP for Data Platform(2017〜)。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。
BIPROGY株式会社(ビプロジー)所属。入社以来SQL Server一筋で評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。社内のプログラミングコンテストで4回の優勝経験も持つ。趣味は輪行で週末は自転車を持っての旅行。目標は色々な日本百選を制覇すること。
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