「Microsoft Ignite」発表まとめ、開発者が知っておきたい注目リリースはこれだクラウドネイティブやローコード開発の支援を推進

Microsoftは年次イベント「Microsoft Ignite」において、包括的な開発者向けプラットフォームである「Microsoft Cloud」を利用して、企業がイノベーションを加速できることを強調し、その中核を成す基盤である「Microsoft Azure」と関連ツールの新展開などを紹介した。

» 2022年10月17日 10時30分 公開
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 Microsoftは2022年10月12日(米国時間)に開催した年次イベント「Microsoft Ignite」において、包括的な開発者向けプラットフォームである「Microsoft Cloud」を利用して、企業がイノベーションを加速できることを強調し、Microsoft Cloudの中核となる「Microsoft Azure」と関連ツールの新展開などを紹介した。

 Microsoftは「企業は常に、より少ないコストでより多くのことを実現するという経済性を追求しているが、デジタルソリューションに対する需要の急増や、専門スキルを持った技術者の不足が深刻化しており、IT開発戦略をこうした状況に適合させることが必要になっている」という認識を示した。

ハイブリッド開発チームのための生産性と品質向上に寄与

 Microsoft Cloudは、ソフトウェア開発ライフサイクル全体を通じてチームを支援することを目的として構築されている。Azureは、堅牢(けんろう)かつレジリエント(強靭《きょうじん》で回復力の高い)で、スケーラビリティを備え、運用と保守が容易なアプリケーションを迅速に構築できるクラウドインフラを提供する。

 その上で、これらのニーズへの対応と開発者などのエクスペリエンス向上を目指したAzure製品やサービスの開発と提供に関するニュースに加え、Azureと関連ツールの特徴を紹介した。

「Azure Deployment Environments」のプレビュー版を提供開始

 高性能なクラウドベースのワークステーションを開発者に提供する「Microsoft Dev Box」とAzure Deployment Environmentsの組み合わせにより、どのプロジェクトでも、完全にクラウドベースのワークフローを利用できる。IT管理者はこのワークフローを完全に管理できる。

 Azure Deployment Environmentsは、プロジェクトの実行に必要なインフラを、オンデマンドで迅速にクラウドで立ち上げることができるサービスだ。「Azure Load Testing」により、開発チームは自信を持ってスケーリングとパフォーマンスの目標をテストし、達成できる。

「GitHub Advanced Security for Azure DevOps」のプレビュー版を発表

 GitHubの開発者向けセキュリティツールを「Azure DevOps」サービスで利用できる。優れたコラボレーション機能と自動化により、Azure DevOpsのワークフローとプロセスを効率化できる。

 Azure DevOpsの開発ワークフローでネイティブアプリケーション向けのセキュリティソリューションを使って、ソフトウェアライフサイクルを通じてオープンソースの依存関係、カスタムコード、機密事項を管理できる。

「Azure Kubernetes Fleet Manager」のプレビュー版を発表

 クラウドネイティブアプリケーションは、新しいレベルのスケールとパフォーマンスを実現し、極めて高い信頼性を提供する。クラウドネイティブな設計パターンを使用することで、企業がエンドユーザーに価値を提供するために必要なアジリティ(俊敏性)、効率性、迅速なイノベーションを実現できる。「Azure Kubernetes Service」により、開発者はKubernetesエコシステムをフルに活用し、クラウドネイティブアプリケーションをスケーリングできる。

 クラウドネイティブ技術を使用する目的は、インフラを開発者から抽象化し、クラウドに最適化されたアプリケーションの構築に開発者が集中できるようにすることにある。Azure Kubernetes Fleet Managerは、Kubernetesクラスタのフリート管理、マルチクラスタワークロードおよびサービスの実行、Kubernetes環境全体での一貫した構成、アクセス、ガバナンスの確保を容易にする。

「Managed Environments for Power Platform」の一般提供を開始

 Microsoftが「Power Platform」で提供するローコードプラットフォームにより、企業は共有コンポーネントや汎用(はんよう)的なビルディングブロックの恩恵を受けられる。ローコード資産を中央のフレームワークに取り込んで可視化し、IT部門がそれらを対象に、一元的なガバナンスを大規模に実現できる。Power PlatformはAzureで動作し、Azureのセキュリティ、高度な管理機能、業界固有のさまざまな認証への対応といった強みを生かしている。

 Managed Environments for Power Platformにより、IT部門は大規模なアプリケーションを可視化して管理できる。Managed Environmentsは、大規模環境におけるガバナンスを効率化、簡素化する新しい機能の集合体だ。その中には、共有の制限、セキュリティと信頼性の検証、ローコード開発に参加するビジネスパーソンなどのオンボーディングをカスタマイズする機能などが含まれる。

「Power Pages」の一般提供を開始

 Power Pagesは、企業が外部向けセルフサービスWebサイトを構築、開設するためのエンタープライズグレードの接続プラットフォームだ。企業はPower Pagesプラットフォームにより、顧客、パートナー、コミュニティーとつながり、ビジネスデータの共有、コラボレーション、ビジネスプロセスの自動化を、これらの関係者と連携して大規模かつ安全な形で提供できる。

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