GitHubは、「GitHub Free」および「GitHub Pro」プランの全ユーザー向けにクラウドホスト型開発環境「GitHub Codespaces」の一般提供を開始すると発表した。
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GitHubは2022年11月10日(米国時間)、「GitHub Free」および「GitHub Pro」プランの全ユーザー向けにクラウドホスト型開発環境「GitHub Codespaces」の一般提供を開始すると発表した。Codespacesは2021年から、「GitHub Enterprise」と「GitHub Team」プランの顧客向けに提供されていた。
GitHubがホストする仮想マシン(VM)でCodespacesの開発環境を提供する。開発者はセットアップを気にすることなく、プレビルドされたイメージを使って、あらゆる規模のプロジェクトの新規開発環境を10秒以内でスピンアップできる。クラウドVMは32コア、64GB RAMまで拡張可能だ。
また、GitHubは、全ての開発者が毎月60時間(Proプランユーザーは90時間)まで、Codespacesを無料で利用できるようにすることも明らかにした。さらに、Codespacesの次のようなさまざまなアップデートも発表した。
Codespacesはこれまで、ブラウザまたはデスクトップ上の「Visual Studio Code」(以下、VS Code)と、「Vim」「Emacs」をサポートしてきたが、JetBrains IDEのパブリックβサポートが新たに発表された。開発者は「IntelliJ IDEA」や「PyCharm」など、好みのJetBrains IDEを使ってクラウド上でコーディングできるようになった。
データサイエンティストや機械学習(ML)の実践者は、「Jupyter Notebook」の愛用者が多いことから、JupyterLabのパブリックβサポートも追加された。
GPUを利用できるCodespacesの限定β版の提供も開始した。Codespaces内からGPUにアクセスできれば、開発者は複雑なMLモデルをはるかに高速に実行できるようになる。Codespacesの標準化された再現可能な環境、Jupyter NotebookのサポートおよびGPUの組み合わせにより、データサイエンスやMLのワークロードでのコラボレーションが大幅に容易になる。開発者は複雑なセットアップやローカルインストールに苦労せずに済み、非力なデスクトップワークステーションでの実行を減らせるからだ。
リポジトリテンプレートを利用することで、一般的なアプリフレームワークを使った新しいプロジェクトをCodespacesからより簡単に開始できるようになった。この機能により、ユーザーはシングルクリックで開発環境に入り、設定不要ですぐにコーディングに取り掛かれる。
そこからアプリケーションの作成、テスト、デバッグ、実行し、自動的に転送されたポートからアクセスできる。より高度なシナリオ用に開発コンテナを構成すれば、Codespacesが特定の依存関係のインストール、スクリプトの実行、ファイルの事前オープン、必要なサービスやプロセスの実行、アプリの出力のレンダリングが可能になる。
Codespacesを大規模に展開、管理するEnterpriseやTeamプランの顧客向けに、組織レベルのAPIと管理ポリシーのサポートが追加され、安心してスケールアップできるようになった。一般提供が開始されている組織レベルのAPIは、Codespacesを既存のワークフローやシステムに統合できるように、幅広い管理操作を可能にする。
さらに管理者は、組織が所有するCodespacesにコスト管理、コンプライアンス、セキュリティのポリシーを適用し、大規模チームへの円滑な展開を促進できる。
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