OracleとRed Hatが、OCI上でのRHELの動作を共同でサポートする取り組みを開始した。現時点では仮想マシンとして使えるが、今後はベアメタルサーバでの利用に対応する。Oracleは、Red Hatを信頼するユーザーの取り込みを図る。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
米Oracleは2023年1月31日(米国時間)、同社のクラウドサービス「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」で、Red Hatの「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」のサポートを開始したことを発表した。これについて、日本オラクルが2月2日に説明した。
具体的には、OCI上の仮想マシンとしてのRHELの稼働を両社が共同でサポートする。サポートマトリックスは下図の通り。当初はIntel、AMD、Armの最新プロセッサを搭載したサーバの仮想マシンに対応する。今後はベアメタルサーバの対応も図るという。
OCIがRed Hatの製品をサポートするのはこれが初めて。だが、Oracleは「複数段階にわたるパートナーシップの第一歩」と形容し、今後コンテナプラットフォームの「Red Hat OpenShift」など、同様の協業を他の製品に広げる可能性を示唆している。
RHELは、一般企業におけるアプリケーション用のOSとして広く使われている。今回の発表により、Oracleは自社のクラウドプラットフォームを既存アプリケーションの基盤としてアピールできる。共同サポートにより、ミッションクリティカルなアプリケーションを安心して移行できるとする。
OCIはパブリッククラウドとしてだけでなく、オンプレミスやパートナーにも展開されている。2022年に発表した「Oracle Alloy」では、さまざまな国のシステムインテグレータなどが、OCIを自らのデータセンターで運営し、自社のブランドで提供できるようにしている。「顧客はこれらを柔軟に選択し、組み合わせられる」と、OracleのOracle Cloud Infrastructureプロダクト・マネジメント担当バイスプレジデント、レオ・リョン(Leo Leung)氏は強調した。つまり、豊富な選択肢により、データの秘匿性確保など、アプリケーションの多様なニーズに応じることができるという。
また、OCIの仮想マシンはインスタンスを切り替えることなくプロセッサやメモリを柔軟にカスタマイズでき、スケールできるため、コストパフォーマンスと使い勝手に優れているとする。
なお、現段階ではライセンス持ち込み(BYOL)のみに対応する。OCIへのRHELのデプロイは、まずRHELイメージをOCIのオブジェクトストレージにアップロードし、このイメージをOCI Computeにインポート、そして使いたい仮想マシンタイプを選択して起動するという手順になるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.