Jupyter Notebookを手軽に使い始められる「JupyterLab Desktop」の最新版が公開された。
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Project Jupyterは2023年2月9日(米国時間)、オープンソースアプリケーション「JupyterLab Desktop」の最新版「JupyterLab Desktop v3.6.1-1」を公開したと発表した。
JupyterLab Desktopは、PythonなどのプログラムをWebブラウザ上で作成、実行できる開発環境「Jupyter Notebook」の後継として提供されている「JupyterLab」のクロスプラットフォームデスクトップアプリケーションだ。PCでJupyterノートブックを使い始めるための最も迅速かつ簡単な方法として位置付けられている。
「セッション」と「プロジェクト」という概念が導入された。セッションは、ローカルプロジェクトの起動や、既存のJupyterLabサーバへの接続を表す。JupyterLab Desktop内の各JupyterLab UIウィンドウは個別のセッションに関連付けられ、セッションは次回起動時に同じ構成で復元できる。
異なる作業ディレクトリでJupyterLabを起動すると、それぞれ別のプロジェクトとなり、プロジェクトは、Python環境やUIレイアウトなどの独自の構成を持つことができる。プロジェクトのタスクや依存ライブラリに基づいて、それぞれ独自のノートブックファイルやPython環境構成を持つ別々のプロジェクトに、作業を分けられる。
JupyterLab Desktopの起動時に、既定でウエルカムページが表示されるようになった。ウエルカムページは、左側の「Start」(スタート)、「Recent sessions」(最近のセッション)、右側の「Jupyter News」という3つのセクションに分かれている。
複数のセッションウィンドウがサポートされるようになり、複数のプロジェクトを別々のセッションウィンドウで並べて開くことが可能になった。
PCにインストールされているPython環境が起動時に自動的に検出されるようになった。検出されたPython環境と、以前に使用した環境をリストアップするPython環境セレクタメニューを用いて、Python環境を切り替えることができる。
作業ディレクトリとPython環境へのパスの設定をカスタマイズすることで、新しいノートブックが作成される既定の場所と、新しいJupyterLabセッションが起動される既定の場所を指定できる。
起動時にウエルカムページを表示するのではなく、新しいセッションを起動したり、前回アクティブだったセッションウィンドウを復元したりすることもできる。
JupyterLab Desktop v3.6.1-1ではこれらに加え、タスクの実行時やエラーの発生時に新しいユーザーフレンドリーな進捗(しんちょく)ビューが表示されるようになった他、コマンドラインインタフェース(CLI)がアップデートされ、セキュリティとプライバシー、設定オプションが強化、改善されている。
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