最新のAI「GPT-4」はコーディング能力も増している。プログラマーの仕事がAIに置き換わる可能性も、リアルに見えてきた。プログラマーの生存戦略を、GPT-4に聞いた結果は……?
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「これは、すごい」――米OpenAIが2023年3月14日(現地時間)に公開した、次世代の大規模自然言語モデル「GPT-4」が業界を揺るがしています。
前モデル「GPT-3.5」ですら、その精度の高さは業界を驚かせていました。GPT-4は、3.5よりさらに推論性能が高まっているといいます。
YouTubeで公開されたGPT-4のデモでは、手書きのラフスケッチ画像を読み込ませ、HTML、JavaScriptのコードを生成して実際に動くWebサイトを作成する“離れ業”まで実現しています(画像入力機能は2023年3月15日時点で未公開)。
GPT-4を実装した「ChatGPT」最新版をいち早く試したプログラマーからは、「GPT-3.5よりさらにコードの品質が高まっている」「プログラマーの仕事がなくなるのでは」といった不安も聞こえてきます。
そこで筆者もGPT-4を使い、ChatGPTに「プログラマーの仕事がなくなるのでは?」直球で質問してみました。その結果は、意外にも……?
「プログラマーの仕事が完全になくなるということは考えにくい」。ChatGPTはまず、こう言いました。そうなのか!?
理由はこうでした。「プログラマーの役割は、技術が進歩するにつれて変化していく。より高度な問題解決や創造的なタスクに焦点を当てたり、AI技術を活用した新たなソフトウェアやアプリの開発を行ったりすることが求められるようになる」
さらにこう言います。「また、AI技術自体を開発、改善、維持するためには、引き続きプログラマーが不可欠です。AIの発展に伴い、機械学習エンジニアやデータサイエンティストなどの専門家がますます重要になる」
しかし現状、単純なコーディングはプログラマーの仕事の多くを占めています。それが自動化されていけば、携わっていた「一部のプログラマー」は仕事を失うのではないのでしょうか。
そこで、さらに聞いてみました。「AIで自動化できる仕事がなくなるとすれば、AIが発達するにつれて、その仕事も増え、結果、多くのプログラマーが失業してしまうのではないでしょうか?」
ChatGPTはこの疑問を否定しませんでした。「AIの発展により一部の仕事が自動化されることで、一時的に雇用の変動が発生する可能性はある」……やっぱ、そうだよね……。
ですが、こうも言います。「歴史的に見ても、新しい技術が導入されることで職種が変化し、新たな仕事が生まれることが多々ある。AIも同様に新たな職種や機会を生み出すと考えられる」と。
新たな仕事の例として「AIが解決できない難解な問題に対処するために、独自のアルゴリズムを開発する」「AIの普及に伴って発生する倫理問題の解決」「ユーザーエクスペリエンスの改善」「新しい産業やビジネスモデルの創出」を挙げました。
確かにそうかもしれません……が、プログラマーの仕事の定義をかなり広めにとった回答だな、と感じました。それぞれ非常に高度な仕事で、現場でのコーディング“だけ”では生き残れないと言ってるようにも見えます。最後の「新しい産業やビジネスモデルの創出」はもはや、プログラマーの仕事ではないのでは……。
そこで、「かなり高度な技術や創造性があるプログラマーしか生き残れない、とあなたは考えているのですね?」と聞いてみました。
ここでもChatGPTはいったん、「プログラマー全員が非常に高度な技術や創造性がなければ生き残れないという意味ではない」と、人間のプログラマーを擁護します。
一方で、「重要なのは、自分のスキルセットや知識を継続的に更新し、新しい技術やトレンドに適応する能力」と指摘。「これにより、多くのプログラマーが市場で競争力を維持し、将来の変化に対応できる」と、変化の重要性を説きます。やはり、プログラマーは、AI時代の市場に合わせて変化せざるを得ない、ということになりそうです。
一方で、「コミュニケーション能力やチームワーク、問題解決能力などのソフトスキルも、プログラマーが生き残るために重要な要素」だとし、人間ならではの能力にも言及。人間の存在価値を守ろうとするAIの気遣いを感じてしまいました。
筆者は他の職業について、AIの影響をChatGPTに尋ねたことがありますが、ChatGPTは基本的に「AIが人間の仕事を奪うことはない」という前提で話します。AIは人間を置き換えない、という前提で、人間の存在価値を擁護するようチューニングされているのかもしれません。
さて、ここまでの会話を踏まえて、ChatGPTに記事を書いてもらいました。その結果がこちらです。
筆者のようなライターの仕事は今後、どうなるのでしょうか……。
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