「Platform Engineering」とは、結局どういうコンセプト、あるいは考え方なのか。アプリケーション開発/運用の現場をよく知るHashiCorpの共同創業者兼CTO、アーモン・ダドガー(Armon Dadgar)氏に詳しく聞いた。
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「Platform Engineering」が、にわかに注目を浴びている。2023年4月18〜21日(現地時間)に開催の「KubeCon + CloudNativeCon Europe 2023」でも、パネルディスカッションが組まれている。関心は高まっているが、Platform Engineeringとは何なのかが、多くの人にとって分かりやすくなったとはいえない。
そこで@ITでは、アプリケーション開発/運用の現場をよく知り、この動きを提唱する一人でもあるHashiCorpの共同創業者兼CTO、アーモン・ダドガー(Armon Dadgar)氏に、Platform Engineeringのコンセプトから具体的な姿までをじっくり聞いた。その内容を、2回構成の連載でお届けする。今回は前編として、概念あるいは考え方としてのPlatform Engineeringについて聞いた。次回の後編は、具体的に何をやるのかに話を進める。(聞き手:三木泉)
――Platform Engineeringについて、大まかな話から具体的な話まで、順を追って聞いていきたいと思います。まず、なぜPlatform Engineeringという言葉が必要になったと思いますか?
組織設計とプロセス設計という、2つの側面があると思います。まず、フェーズ1の段階では、さまざまなアプリケーションチームが生まれ、 それぞれが自分たちのやり方で自社データセンターやパブリッククラウドを使います。しかし、それでは混乱が生まれてしまいます。そこで、全社共通の プラットフォームを運用する決断をすることになります。 これがフェーズ2です。
つまり、組織設計の点でいえば、「プラットフォームチーム」「CCoE(Cloud Center of Excellence)」「クラウドチーム」などといろいろな呼び方がされますが、社内で1つのチームが、全社共通な形でクラウドを使えるようにプラットフォームを整備することになります。
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