あなたの組織にはPostmanのようなフル装備のプラットフォームが必要なのか、それともInsomniaのような軽装備のプラットフォームが必要なのか。2つのAPI管理ツールのポイントをまとめる。
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適切なAPI管理ツールを整えていれば、開発者はAPIライフサイクルの各ステップを簡素化し、改善できる。「Postman」と「Insomnia」は、ソフトウェア開発部門が分散システム全体のAPIを管理できるように提供されているプラットフォームだが、違いはどこにあるのか。
Postmanはもともと、APIのテストやドキュメンテーションプロセスを簡素化するための「Google Chrome」向け拡張機能だった。年月の経過とともに、エンタープライズレベルのさまざまなサブスクリプションを提供するオープンソースAPIプラットフォームに進化した。
Postmanは、API開発パイプラインを加速するツール、APIリポジトリ、チームごとのコラボレーションを簡素化する。Windows、macOS、Linuxプラットフォームで利用可能だ。REST、SOAP、GraphQLプロトコルに加えて、OAuth 2.0、AWS(Amazon Web Services)署名、Hawk認証、gRPC通信にも対応している。
Postmanの場合、APIスキーマを保存するコレクションフォルダを提供し、開発メンバーが最新の状態を維持できるように自動的に同期する。ユーザーが共有可能なAPIのリンクを作成し、テスト用エンドポイントをエクスポートもできる。また「Newman」というコマンドラインのコレクションランナーを使用して、APIパフォーマンスを監視、報告、分析できる。テストの自動化により、APIビルドプロセスを効率化させることもできる。
開発者は、Postman上でコードを作成したり、OpenAPI、GraphQL、RESTful APIモデリング言語の仕様に沿ってAPIを定義したり、組み込みエディタを使用して既存のAPI仕様をインポートしたりすることも可能だ。
一方、PostmanはHTTPリクエストとレスポンスを表示するための操作がしづらいという不満もある。ツールの機能が豊富な点はプラスだが、小規模環境には不向きである可能性がある。
Postmanがエンタープライズレベルの開発者向けに多くの機能を提供する一方、Insomniaは、小規模なプロジェクト向けに機能を提供している。セキュア認証、環境変数のサポート、自動コード生成のような機能を組み込んだオープンソースのクロスプラットフォームAPIクライアントだ。
Postmanと比較するとやや軽量でコンパクトなAPI管理プラットフォームであり、REST、SOAP、gRPCリクエストを実行するための便利なツールとGUIを提供している。
開発者はプラグインの作成に加えて人気のある言語(Node.js、Go、Swift、Python、Java、Cなど)でAPIを生成できる。またAPIレスポンスの詳細を表示(HTML、画像、PDFファイル)し、データをクエリし、コレクションを整理し、リクエストを複製し、コメントを追加することもできる。
Insomniaを通じてJSONとXMLの両方でリクエストを送信し、優先する認証方法(OAuth、OpenID、Basic、Beaverなど)を設定し、URLクエリパラメーターのフォーマットを自動化し、必要に応じてリクエストヘッダを適用するなど、さまざまなタスクに適用できる。
一方、Insomniaは、同期のために全ての要素をクラウドにアップロードする必要がある。特定の契約業務またはSLA(サービスレベル契約)に基づいてデータをローカルに保存する必要がある大規模な組織にとっては制約となる可能性がある。
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