Portworxと調査会社のDimensional Researchは共同で、Kubernetes専門家527人に対する調査結果をまとめたレポート「The Voice of Kubernetes Experts Report 2024」を発表した。
この記事は会員限定です。会員登録(無料)すると全てご覧いただけます。
Kubernetes向けの統合データプラットフォームを提供するPortworxは2024年6月6日(米国時間)、調査会社のDimensional Researchと共同で実施したKubernetes専門家に対する調査結果をまとめたレポート「The Voice of Kubernetes Experts Report 2024」を発表した。
コンテナオーケストレーションのKubernetesは、もともとGoogleで開発され、2014年6月にオープンソースとしてリリースされてから10周年を迎えた。コンテナオーケストレーションのデファクトスタンダード(事実上の標準)となっており、世界の開発者や組織がモダンアプリケーション開発に利用している。
PortworxとDimensional Researchの調査は、従業員500人以上の企業でKubernetes環境におけるデータサービスに責任を持つ実務担当者または管理職を対象に行われ、527人が回答した。
これらのKubernetes専門家の内訳は、プラットフォームエンジニアからバイスプレジデント、CxO(最高責任者レベルの役員)まで多岐にわたる。大多数(91%)がKubernetesに関する2年以上の経験を持ち、56%が4年以上の経験を持つ。
レポートでは、仮想化と永続ストレージに関する専門家の優先事項に加え、ハイブリッドクラウド環境、マルチクラウド環境、仮想マシン(VM)環境、コンテナ環境にまたがることが多い複雑なKubernetes環境を管理する際に、プラットフォームエンジニアが直面するデータ管理の課題などを明らかにしている。
Portworxは、レポートのハイライトを以下のように紹介している。
既にKubernetesを導入している組織のうち41%は、新しいアプリケーションのほとんどまたは全てをクラウドネイティブプラットフォームで構築している。今後5年間でこの割合は倍増し、80%が新しいアプリケーションのほとんどまたは全てをクラウドネイティブプラットフォームで構築するようになる見込みだ。
Kubernetesはもはや単なる新興技術ではなく、Kubernetes環境でデータサービスを運用する組織は、データベース、リアルタイム分析、AI/ML(人工知能/機械学習)ワークロードのようなミッションクリティカルなアプリケーションをホストするために、ますますKubernetesに依存している。クラウドネイティブデータプラットフォームは、これらのアプリケーションを効率的かつ安全に実行するためのエンタープライズグレードの機能を提供できる必要がある。
プラットフォームエンジニアリングチームは、こうしたクラウドネイティブプラットフォームの成長の主要な担い手だ。調査回答者の96%が自組織にプラットフォームエンジニアリング部門があると答えている。
プラットフォームエンジニアリングチームは、クラウドネイティブを成功に導く重要な要素であり、経営幹部はその価値を認識している。経営幹部が、プラットフォームエンジニアリングを担当する部署への従業員の異動を昇進と見なす割合は、一般従業員よりも1.8倍高い。経営幹部は、重要性が増すこのチームをサポートするために、既存スタッフのスキルアップ(63%)、コンサルタントの起用(59%)、熟練エンジニアの採用(52%)に時間とリソースを投入することに前向きだ。
Portworxはこれらの他にも、レポートのハイライトとして以下を挙げている。
回答者の58%は、Kubernetes上でVMを実行、管理できる「KubeVirt」などの技術を使用して、VMの一部をKubernetesの管理下に移行する予定と回答しており、この回答の内、65%が、今後2年以内にVMを移行する計画だ。この移行が急務になっていることを示している。
回答者のほぼ全員(98%)が、クラウドネイティブプラットフォームでデータ集約型ワークロードを実行しており、データベース(72%)、アナリティクス(67%)、AI/MLワークロード(54%)といった重要なアプリケーションがKubernetes上で構築されている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.