Spring Bootユーザーなら知っておきたい「Spring Boot Actuator」 本番環境での運用時にどう役立つ?Spring Boot Actuatorの活用例とは

「Spring Boot Actuator」はSpringのスタータープロジェクトの一つで、ビルド自動化システム「Grade」のビルドやプロジェクト管理ツール「Maven」のPOMファイルに追加して利用できる。全てのSpring Bootユーザーに推奨したい機能だ。

» 2024年12月13日 08時00分 公開
[Cameron McKenzieTechTarget]

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 Spring Boot Actuatorは、メトリクスをリアルタイムに収集分析するエンジンであり、アプリケーション実行時の状態を記録する。開発者は、HTTP経由で公開される多数のActuatorエンドポイントを通じて、アプリケーションの構成やパフォーマンスに関するさまざまな情報を収集できる。

Spring Boot Actuatorのエンドポイント

 Spring Boot Actuatorのエンドポイントには次のようなものがある。

  • Env:サーバ上でのハードウェアとソフトウェア両方の構成方法に関する情報を提供する
  • Health:Spring Bootアプリケーションの準備状況や稼働状況を報告する
  • Loggers:アクティブなロギングサービスとその構成済みロギングレベルを報告する
  • Configprops:@ConfigurationPropertiesアノテーションで装飾されているオブジェクトを全て表示する
  • Conditions:Springによって自動構成するのに必要なチェックに合格したコンポーネントを示す
  • Threaddump:アクティブなスレッドとそのブロックステータスを全て示す
  • Heapdump:ヒープダンプ分析ツール(「Hprof」など)で読み取ることができるファイルを作成する
  • Stop:有効にして公開すると、アプリケーションを終了するために使用できる(デフォルトで無効になっている数少ないエンドポイントの一つ)

 Spring Boot Actuatorの全てのエンドポイントの中で最もよく使用されるのが、Metricsだ。Metricsは、実行中のシステムに関する幅広い情報を収集している。以下にその例を示す。

  • ガベージコレクションに割り当てられているメモリ
  • Java仮想マシン(JVM)メモリの使用量
  • アイドル状態のJDBC接続
  • ロードされているJavaクラスとアンロードされたJavaクラス
  • CPUの使用時間
  • 「Tomcat」のアクティブなセッション
  • 「Spring Data」のアクティブな接続

Spring Boot Actuatorの活用例

 Spring Boot Actuatorのエンドポイントでは、収集されたデータがJSON形式で配信される。データをブラウザで読み取るのは面倒になるとしても、JSON形式により、Webアプリケーションへの統合が非常に容易になる。

 そのため、開発チームにアプリケーションの状態を共有するためのダッシュボードを構築する際に、Spring Boot Actuatorを活用できる。主にReactベース、JavaScriptベース、Spring MVCベースのダッシュボードが構築されることが多い。

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