本連載は、PowerShellコマンドレットについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は「Enable-EntraAzureADAlias」コマンドレットを解説します。
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本連載は、PowerShellコマンドレットについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、「Microsoft Entra ID」(旧称:Azure Active Directory〈Azure AD〉)のコマンドレットからAzure ADコマンドレットを利用できるようにする「Enable-EntraAzureADAlias」コマンドレットです。
これまでMicrosoft Entra IDのコマンドレットについては、「*-AzureAD*」というタイプのコマンドレットを利用してきました(本連載第30~43回を参照)。しかし、これらのコマンドレットは「2025年4月」から順次廃止されることになっています。
ところが、これらのコマンドレットは広く使われてきた背景があるため、Microsoftは「*-Mg*」というタイプのコマンドレットとは別に、「*-AzureAD*」と互換性のある「*-Entra*」というタイプのコマンドレットを提供するようになりました。
今回紹介する「Enable-EntraAzureADAlias」は、Microsoft Entra IDモジュール経由で引き続きAzure ADモジュールのコマンドレットを実行できるようにするコマンドレットです。
なお、*-AzureAD*コマンドレットの実行には、Azure ADモジュールがインストールされていることが前提条件となります。そのため「Install-Module AzureAD」コマンドレットを実行して、事前にAzure ADモジュールをインストールしておく必要があります。
Enable-EntraAzureADAlias
オプション | 意味 |
---|---|
オプションはありません | ― |
Azure ADモジュールが廃止される予定の2025年4月以降、Azure ADモジュールの一部である「Get-AzureADUser」コマンドレットを実行する場合、「Connect-Entra」コマンドレットでMicrosoft Entra IDに接続し、その後、Enable-EntraAzureADAliasコマンドレットを実行します。すると、その後に実行するAzure ADモジュールのコマンドレットは、Microsoft Entra ID経由で実行されるようになります。
- Import-Module Microsoft.Graph.Entra
- Connect-Entra -Scopes 'User.Read.All'
- Enable-EntraAzureADAlias
- Get-AzureADUser
上記の画面1では、「Import-Module」コマンドレットを実行して「EntraAzureADAlias」コマンドレットが利用できるようにした上で、以下の操作を実施しています。
この操作によって、2025年4月以降もGet-AzureADUserコマンドレットの実行が可能になります。
株式会社エストディアン代表取締役。1997年からマイクロソフト認定トレーナーとして、Azure Active DirectoryやMicrosoft 365 Defenderなど、クラウドセキュリティを中心としたトレーニングを提供している。2007年からMicrosoft MVP for Enterprise Mobilityを連続して受賞。なお、テストで作成するユーザーアカウントには必ずサッカー選手の名前が登場するほどのサッカー好き。
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