【 Enable-EntraAzureADAlias 】コマンドレット――Azure ADコマンドレットを利用可能にするWindows PowerShell基本Tips(126)

本連載は、PowerShellコマンドレットについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は「Enable-EntraAzureADAlias」コマンドレットを解説します。

» 2025年02月20日 05時00分 公開
[国井傑株式会社エストディアン]

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連載目次

 本連載は、PowerShellコマンドレットについて、基本書式からオプション、具体的な実行例までを紹介していきます。今回は、「Microsoft Entra ID」(旧称:Azure Active Directory〈Azure AD〉)のコマンドレットからAzure ADコマンドレットを利用できるようにする「Enable-EntraAzureADAlias」コマンドレットです。

Enable-EntraAzureADAliasコマンドレットとは?

 これまでMicrosoft Entra IDのコマンドレットについては、「*-AzureAD*」というタイプのコマンドレットを利用してきました(本連載第30~43回を参照)。しかし、これらのコマンドレットは「2025年4月」から順次廃止されることになっています。

 ところが、これらのコマンドレットは広く使われてきた背景があるため、Microsoftは「*-Mg*」というタイプのコマンドレットとは別に、「*-AzureAD*」と互換性のある「*-Entra*」というタイプのコマンドレットを提供するようになりました。

 今回紹介する「Enable-EntraAzureADAlias」は、Microsoft Entra IDモジュール経由で引き続きAzure ADモジュールのコマンドレットを実行できるようにするコマンドレットです。

 なお、*-AzureAD*コマンドレットの実行には、Azure ADモジュールがインストールされていることが前提条件となります。そのため「Install-Module AzureAD」コマンドレットを実行して、事前にAzure ADモジュールをインストールしておく必要があります。

Enable-EntraAzureADAliasコマンドレットの書式

Enable-EntraAzureADAlias

Enable-EntraAzureADAliasコマンドレットの主なオプション

オプション 意味
オプションはありません

Get-AzureADUserコマンドレットでユーザー一覧を参照する

 Azure ADモジュールが廃止される予定の2025年4月以降、Azure ADモジュールの一部である「Get-AzureADUser」コマンドレットを実行する場合、「Connect-Entra」コマンドレットでMicrosoft Entra IDに接続し、その後、Enable-EntraAzureADAliasコマンドレットを実行します。すると、その後に実行するAzure ADモジュールのコマンドレットは、Microsoft Entra ID経由で実行されるようになります。

コマンドレット実行例

  1. Import-Module Microsoft.Graph.Entra
  2. Connect-Entra -Scopes 'User.Read.All'
  3. Enable-EntraAzureADAlias
  4. Get-AzureADUser
ALT 画面1 Enable-EntraAzureADAliasコマンドレット実行後、Azure ADモジュールのコマンドレットはMicrosoft Entra ID経由で実行されるようになる

 上記の画面1では、「Import-Module」コマンドレットを実行して「EntraAzureADAlias」コマンドレットが利用できるようにした上で、以下の操作を実施しています。

  1. Connect-EntraコマンドレットでMicrosoft Entra IDへ接続
  2. EntraAzureADAliasコマンドレットでAzure ADモジュールの利用を開始
  3. Get-AzureADUserコマンドレットでユーザーを列挙

 この操作によって、2025年4月以降もGet-AzureADUserコマンドレットの実行が可能になります。

筆者紹介

国井 傑(くにい すぐる)

株式会社エストディアン代表取締役。1997年からマイクロソフト認定トレーナーとして、Azure Active DirectoryやMicrosoft 365 Defenderなど、クラウドセキュリティを中心としたトレーニングを提供している。2007年からMicrosoft MVP for Enterprise Mobilityを連続して受賞。なお、テストで作成するユーザーアカウントには必ずサッカー選手の名前が登場するほどのサッカー好き。

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