Microsoftは、「Microsoft Azure」クラウドへのサインインに対する多要素認証(MFA)の義務化の第2フェーズを、2025年10月1日から開始する。MFAを完了していないユーザーはリソース管理の操作ができなくなる。
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Microsoftは2025年9月5日(米国時間、以下同)、「Microsoft Azure」(以下、Azure)クラウドへのサインインに対する多要素認証(MFA)の義務化の第2フェーズを、2025年10月1日から開始すると発表した。
Microsoftは、「MFAはアカウント侵害攻撃の99.2%以上をブロックできる」という自社の調査結果を踏まえ、最も効果的なセキュリティ対策の一つとして、MFAを推進している。
Microsoftは、AzureにおけるMFA義務化の第1フェーズとして、2024年10月から、「Azure Portal」「Microsoft Entra」管理センター、「Microsoft Intune」管理センターへのサインインに対するMFA義務化を、世界中の全てのテナントを対象に段階的に実施した。
そのうちAzure Portalへのサインインに対するMFA義務化は、2025年3月にはAzureテナントの100%に展開されたとMicrosoftは説明している。同社はMFA義務化を段階的に進めた理由として、「顧客が十分な時間をかけて実装を計画、実行できるようにするためだった」と述べている。
Microsoftは2025年10月1日以降、「Azure CLI」(CLI:コマンドラインインタフェース)、「Azure PowerShell」「Azureモバイルアプリケーション」「IaC(Infrastructure as Code)ツール」「Azure SDK(ソフトウェア開発キット)クライアントライブラリ」「REST APIエンドポイント」などにサインインして、Azureリソースの管理操作(作成、更新、削除)をするアカウントに対して、MFA義務化の適用を段階的に開始する。読み取り操作については、MFAは必要ないとしている。
第2フェーズの義務化は、Microsoftのプラクティスに従い、AzureポリシーによってAzureテナント全体に段階的に適用される。
第2フェーズのMFA義務化によって、Azureユーザーはリソースを管理、操作する前に、MFAによる認証が必要になる。ただし、マネージドIDやサービスプリンシパルなどのワークロードIDは、第1、第2フェーズともMFA義務化の影響を受けない。
Microsoftは2025年9月第1週からMicrosoft Entraグローバル管理者に、MFA義務化の適用開始日と今後の義務化に向けた準備方法を、電子メールとAzureサービスヘルス通知で伝えている。なお、2025年10月1日までにテナントでMFAを有効にできない場合、テナントのグローバル管理者は、Azure Portalを通じて義務化の適用開始を延期できる。
Microsoftは、AzureのMFA義務化の第2フェーズに備えるポイントとして、以下を挙げている。
管理者は、ユーザーがリソース管理操作ができるように、2025年10月1日までにユーザーのMFAを有効にする必要がある。
管理者は、第2フェーズの義務化開始前に組織が潜在的な影響を理解できるように、ユーザーがMFAで認証していない場合にリソース管理操作をブロックする、組み込みのAzure Policy定義を割り当てることができる。このポリシー定義は、さまざまなリソース階層スコープ、リソースタイプ、リージョンにわたって段階的に適用できる。
互換性確保のために、テナント内のユーザーはAzure CLI v2.76およびAzure PowerShell v14.3以降を使用する必要がある。
Q: Microsoftが発表した内容は?
A: 2025年10月1日からMicrosoft Azureへのサインインに対する多要素認証(MFA)義務化の第2フェーズを開始すると発表した。
Q: 第2フェーズの適用範囲は?
A: Azure CLI、Azure PowerShell、Azureモバイルアプリ、IaCツール、Azure SDK クライアントライブラリ、REST APIエンドポイントなどでのリソース管理操作(作成、更新、削除)に対するサインイン。リソースの読み取り操作にはMFA不要。
Q: MFA義務化の影響を受けないものは?
A: マネージドIDやサービスプリンシパルなどのワークロードIDは対象外。
Q: 管理者が準備すべきポイントは?
A:
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