知っていると何かのときに役に立つかもしれないITに関するマメ知識。メールアドレスで「ユーザー名」と「ドメイン名」を分ける記号して使われる記号「@」の呼び方を調べてみました。そうこのWebサイト「@IT」の「@」です。日本では、「アットマーク・アイティ」と呼びますが、他の国に行くと……。
いつも何げなく使っている「@」。日本では「アットマーク」という呼び方がすっかり定着していますが、世界に目を向けると、その呼び方は実にさまざまです。まるで国柄を映すかのように、ユニークで面白い愛称がたくさんあるのをご存じですか?
今回は、思わず誰かに話したくなる「@」の世界の呼び名を集めてみました。
諸説あるようですが、もともと「@」は、ラテン語の「ad(〜へ)」という単語を速記するために、「a」と「d」を合体させたことから生まれたという説が有力なようです。「@100」のように商品の単価を表す記号として、古くから使われている記号です。
いまではX(旧Twitter)やLINE、Slackなどで「@」は、特定のメンバーに知らせる「メンション」機能としても使われています。それでも、メールアドレスの「ユーザー名」と「ドメイン名」を分ける記号として認識している人の方が多いかもしれません。
日本や英語では「アットマーク」と呼ぶこの記号、世界共通だと思ったら、実は国によって呼び方が全然違っていることを知っていますか? 相手の国で「@」を何と呼ぶのか知らないと、通話でメールアドレスを伝える際などに正しく伝わらないかもしれませんね。
主だった呼び方をまとめてみました。
「@」はさまざまな動物に見立てられているようです。
国 | 呼び方 | 意味/説明 |
---|---|---|
ドイツ | Klammeraffe(クランマーアッフェ) | 「クモザル」という猿の仲間を指します。クモザルは長い尾を持ち、尾を器用に使って木々を移動するそうです。「@」の形がクモザルの身体と長い尾に見えたのかもしれませんね。 |
オランダ | apenstaartje(アーペンスタールチェ)/at(アット) | 「apenstaartje」は「サルの小さな尻尾」という意味です。くるっとした形が猿のしっぽのように見えるのでしょう。ただ、日常の会話では発音しやすい英語と同じ「at」が使われることが多いそうです。 |
フランス/イタリア | escargot(エスカルゴ)/chiocciola(キオッチョラ) | 「かたつむり」を意味します。確かに「@」はかたつむりの貝の部分に見えます。ただ、フランスでは「arobase(アロバース)」と呼ぶのが正式で、「escargot」と呼ぶのは子どもやカジュアルな場面だけだそうなので、呼び方には注意が必要かもしれません。 |
ロシア | собака(サバーカ) | 「犬(子犬)」のことです。どうも犬の丸まったしっぽに見えるからのようです。 |
フィンランド | kissanhanta(キッサンハンタ) | 「猫のしっぽ」と呼ぶようです。ロシアは犬ですが、フィンランドになると猫になります。 |
ハンガリー | kukac(クカッツ) | 「芋虫」と呼びます。芋虫も丸まった形が似ているからだと思います。虫嫌いな人はメールアドレスを言うたびに嫌な気持ちになっているかもしれません。 |
スウェーデン/デンマーク | snabel-a(スナーベル・オー) | 象の鼻の「a」という意味です。「@」が象の鼻を巻いた形に見えるのでしょうね。 |
韓国 | ゴルベンイ | 「巻き貝」と呼びます。形からの連想のようです。 |
動物に見立てた呼び方 |
食べ物に見立てる国もあるようです。
国 | 呼び方 | 意味/説明 |
---|---|---|
イスラエル | シュトルーデル | 渦巻き状の焼き菓子「シュトルーデル」のことです。 |
チェコ | ザヴィナーチ | 「ニシンの酢漬けロール」のことだそうです。確かに巻いたニシンの形が「@」に似ていますね。 |
食べ物に見立てた呼び方 |
同じ中華圏でも、台湾と中国大陸では呼び方が大きく異なるそうです。
台湾では、「小老鼠(シャオ ラオ シュー)」、小さなネズミと一般的に呼ばれているそうです。「@」の形が小さなネズミとその尻尾に見えるようです。
一方で中国大陸では、英語読みの「at(アット)」をそのまま音訳した「アイ トァ」という呼び方が一般的だそうです。
このように「@」は国によっていろいろな呼び方がされているようです。他の国の面白い呼び方を知っていたら教えてください。
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