セキュリティや可観測性の向上、新機能の追加も。
Amazon Web Services(AWS)は2025年10月1日(米国時間)、「AWS API Model Context Protocol(MCP)Server」のバージョン1.0.0を公開した。基盤モデル(Foundation Models)が自然言語を介してAWSの各種APIを操作できるようにし、正しい構文のCLIコマンドを自動生成、実行する仕組みを提供する。
今回の正式リリースでは、MCPサーバの設定・利用、MCPクライアントやエージェントフレームワークとの統合を容易にする多数の改善が含まれているという。
従来、ローカル環境へのインストールが必要だった「suggest_aws_command」ツールをリモートサービス化し、依存関係を削減するとともに起動時間を短縮した。従来の標準入出力(stdio)に加えてHTTPストリーミング(Streamable HTTP)による通信方式を追加し、より柔軟なホスティング/設定オプションに対応している。「AWS CloudWatch Agent」を利用してAPI MCP Serverのログを収集できるようになり、可観測性が向上したという。
ファイルシステム制御や入力検証の強化によってセキュリティを向上している。特定のアクションを禁止したり、変更系の操作に対して人間の承認を必須にしたりするセーフガードも導入。人間による逐次的な確認を伴うワークフローを支援するために、MCPクライアントにおける入力の引き出し(elicitation)機能を追加した。
実験的ツールとして、一般的なAWSのタスクフローを提供する「get_execution_plan」を追加した。利用するには「EXPERIMENTAL_AGENT_SCRIPTS」フラグを有効にする必要がある。
AWS API MCP Serverは、複数のMCP対応クライアントで利用可能で、主要なMCPレジストリから設定できる。「Amazon ECR Public Gallery」にコンテナとしても公開されている。
API MCP Serverはオープンソースとして提供されており、AWS LabsのGitHubリポジトリからソースコードを確認・ダウンロードして試すこともできる。
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