【保存版】「強制電源オフ」その前に:Windows 11がフリーズしたら試すべき回復テクニック5選Tech TIPS

「Windows 11がフリーズしてマウスもキーボードも反応しない」、このような場合、思わず電源ボタンを長押しして強制的に電源を「オフ」にしたくなりがちだ。ただ、強制的な電源オフは、データの破損やシステムへのダメージにつながってしまうこともある。そこで本Tech TIPSでは、強制電源オフをする前に試すべき、データ損失リスクを最小限に抑える回復テクニックを紹介する。

» 2025年10月03日 05時00分 公開
[小林章彦デジタルアドバンテージ]
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対象:Windows 11


Windows 11がフリーズしたときに試すべき魔法の回復テクニック5選 Windows 11がフリーズしたときに試すべき魔法の回復テクニック5選
Windows 11がフリーズしてしまった場合、思わず電源ボタンを長押しして強制的に電源を「オフ」にしたくなりがちだ。ただ、強制的な電源オフは、データの破損やシステムへのダメージにつながってしまうこともある。そこで本Tech TIPSでは、強制電源オフをする前に試すべき、データ損失リスクを最小限に抑える回復テクニックを紹介する。

 「Windows 11がフリーズしてマウスもキーボードも反応しない」、このような場合、思わず電源ボタンを長押しして強制的に電源を「オフ」にしたくなりがちだ。ただ、強制的な電源オフは、データの破損やシステムへのダメージにつながってしまうこともある。

 実はWindows 11には、システムを極力傷付けずにフリーズ状態を解消する手段が幾つか用意されている。そこで、本Tech TIPSでは、強制電源オフをする前に試すべき、データ損失リスクを最小限に抑える回復テクニックを紹介する。

最初に確認! フリーズ状態のチェック

 完全にフリーズしていると思っても、実は特定のアプリケーションだけが固まっている場合やPCの負荷が高くて反応が鈍くなっているだけの場合がある。まず、[Caps Lock]キーを押して、そのランプが点灯/消灯するか見てみよう。[Caps Lock]キーにランプがないキーボードの場合、[Fn]/[Num Lock]/[Scroll Lock]キーなどランプが点灯/消灯するもので構わない。ランプが点灯/消灯するようならば、Windows 11自体は生きている可能性が高い。

 また、HDD/SDDのアクセスランプを確認してみよう。アクセスランプが点滅しているようならば、バックグラウンドで何らかの処理が動いている可能性がある。この場合、単にWindows 11の負荷が高くて反応が鈍くなっていることも考えられるので、しばらく待つとフリーズが解消される可能性がある。

 もし、キーボード入力やマウス操作に対して一部でも反応するのであれば、以下のステップ1から順番に試してみることでフリーズ状態が解消できる可能性がある。

ステップ1:応答しないアプリを狙い撃ちで強制終了する

 特定のアプリケーションが原因でWindows 11が反応しなくなっている場合、そのアプリケーションだけを終了させればフリーズが解消できる。

 以下の手順で特定のアプリケーションを終了させられる。

■操作手順

  1. [Ctrl]+[Shift]+[Esc]キーを押してタスクマネージャーを起動
  2. タスクマネージャーが起動したら[プロセス]タブを開き、CPUやメモリの使用率が高いアプリケーションを探す
  3. そのアプリケーションを選択したら、画面の上部にある[タスクを終了する]をクリックするか、[Alt]+[E]キーを押す

応答しないアプリを狙い撃ちで強制終了する 応答しないアプリを狙い撃ちで強制終了する
特定のアプリケーションが原因でWindows 11が反応しなくなっている場合、そのアプリケーションだけを終了させればフリーズが解消できる。タスクマネージャーを起動し、CPUやメモリの使用率が高いアプリケーションを探し、そのアプリケーション名をクリックして選択後、[タスクを終了する]をクリックすればよい。なお、負荷が高いアプリケーションの場合、CPUやメモリの使用量がタスクマネージャーにすぐに反映されないことがあるので、アプリケーションのウィンドウのタイトルバーに「応答なし」と表示されているものを強制終了するとよい。

 [プロセス]タブで、[CPU]列見出しをクリックすると、アプリケーションの並びをCPUの使用率の高い順あるいは低い順に切り替えられる(クリックするたびに順番が逆転する)。メモリについても同じことが当てはまる。これでCPUやメモリの使用率が高いアプリケーションを見つけやすくなる。

 ただ、特にCPU使用率で並べ替えると、アプリケーションの位置が頻繁に変わってマウスポインターで選択しにくくなる。使用率の高いアプリケーションが見つかったら、[名前]列見出しをクリックして、名前順に並べ替えてから選択するとよい。

ステップ2:グラフィックスドライバをリセットする

 画面表示がおかしくなったり、画面が真っ暗になったりしてフリーズしたような場合は、グラフィックスドライバに不具合が発生している可能性がある。このような場合、Windows 11を再起動すれば問題が解決することが多いが、再起動は避けたい場合もあるだろう。

 そのような場合は、再起動なしでグラフィックスドライバをリセットできる「隠しコマンド」を試してみるとよい。

 操作は簡単で、[Windows]+[Ctrl]+[Shift]+[B]キーを押せばよい。画面が一瞬点滅したり、「ピッ」という音が鳴ったりして、グラフィックスドライバがリセットされる。これで画面の状態が改善し、フリーズが解消される可能性がある。

 ただ、アプリケーションの多くはグラフィックスドライバがリセットされることを考慮していないので、場合によっては表示が乱れたり、異常終了したりする可能性もある。それでもWindows 11の再起動でデータが失われてしまうのを避けたいような場合は試してみる価値がある。

ステップ3:Windows 11にサインアウトを指示する

 フリーズの原因となっているアプリケーションが特定できないような場合、全てのアプリケーションを閉じてシステムをリフレッシュできる「サインアウト」を試みるとよい。

 [Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを押すと「セキュリティオプション」や「サインインオプション」と呼ばれる画面が表示される。ここでは[ロック][ユーザーの切り替え][サインアウト]などが選択可能だ。そこで、方向キー(矢印キー)や[Tab]キーを使って[サインアウト]を選択、[Enter]キーを押すと、サインアウトできる。

Windows 11にサインアウトを指示する(1) Windows 11にサインアウトを指示する(1)
[Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを押して「セキュリティオプション」画面を開く。
Windows 11にサインアウトを指示する(2) Windows 11にサインアウトを指示する(2)
方向キーや[Tab]キーを使って[サインアウト]を選択して、[Enter]キーを押すとサインアウトできる。

 サインアウトしたら、再度、サインインしてフリーズ状態が解消されたかどうか確認すればよい。

 Windows 11では、同時に複数のユーザーアカウントでサインインできるので、1つのアカウントをサインアウトしてもフリーズ状態が解消されない場合は、他のアカウントでサインインしていないかどうか確認しよう。

ステップ4:キーボード操作で「安全な再起動」を実行する

 フリーズの結果、マウス操作に支障が出た場合、キーボードが使える状態であれば、キーボードだけで「再起動」を指示するとよい。再起動を実行することで、フリーズ状態を解消できる可能性がある。なお、Bluetooth接続のマウスを使っていて、誤って「機内モード」を選択しまった場合でも、この方法は有効だ。

 以下では、再起動を実行する2種類の方法を紹介する。再起動に成功するまで、それぞれの方法を試してみよう。

■操作手順

  1. [Windows]+[D]キーを押してデスクトップをアクティブにする
  2. [Alt]+[F4]キーを押す
  3. [Windowsのシャットダウン]ダイアログが表示されるので、[↓]/[↑]キーを使って[再起動]を選択してから[Enter]キーを押す

キーボード操作で「安全な再起動」を実行する(1) キーボード操作で「安全な再起動」を実行する(1)
[Windows]+[D]キーを押してデスクトップをアクティブにしてから、[Alt]+[F4]キーを押して[Windowsのシャットダウン]ダイアログを開く。
キーボード操作で「安全な再起動」を実行する(2) キーボード操作で「安全な再起動」を実行する(2)
[↓]/[↑]キーを使って[再起動]を選択してから[Enter]キーを押すと、再起動が実行できる。

■操作手順

  1. [Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを押して「セキュリティオプション」画面を開く
  2. 画面右下の[電源]アイコンが選択されるまで、[Tab]キーを何回か押す
  3. [Enter]キーを押して、[電源]メニューを開く
  4. [↓]キーを使って[再起動]を選択して、[Enter]キーを押す

「セキュリティオプション」画面で「安全な再起動」を実行する(1) 「セキュリティオプション」画面で「安全な再起動」を実行する(1)
[Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを押して「セキュリティオプション」画面を開く。方向キーや[Tab]キーを使って[電源]アイコンを選択する。
「セキュリティオプション」画面で「安全な再起動」を実行する(2) 「セキュリティオプション」画面で「安全な再起動」を実行する(2)
[Enter]キーを押すと、[電源]メニューが開くので、[↓]キーを使って[再起動]を選択してから、[Enter]キーを押す。これで再起動が実行できる。

ステップ5:データ損失リスクありの「緊急の再起動」

 上述のいずれの方法でもフリーズが解消できなかったが、電源ボタンの長押しによる強制電源オフは避けたい、という場合、「最後の手段」として「緊急の再起動」という方法がある。ただ、強制電源オフに近い操作となるため、未保存のデータが失われてしまう点に注意してほしい。

■操作手順

  1. [Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを押して「セキュリティオプション」画面を開く
  2. [Tab]キーを何回か押して画面右下の[電源]アイコンを選択した後、[Ctrl]キーを押しながら[Enter]キーを押す。または[Ctrl]キーを押しながら、画面右下の[電源]アイコンをマウスでクリックする
  3. 「緊急の再起動」の確認メッセージが表示されたら、[Tab]キーを押して[OK]ボタンを選択して、[Enter]キーを押す。または「緊急の再起動」の確認メッセージが表示されたら、[OK]ボタンをマウスでクリックする

データ損失リスクありの「緊急の再起動」を実行する(1) データ損失リスクありの「緊急の再起動」を実行する(1)
[Ctrl]+[Alt]+[Delete]キーを押して「セキュリティオプション」画面を開く。方向キーや[Tab]キーを何回か押して[電源]アイコンを選択したら、[Ctrl]キーを押しながら[Enter]キーを押す。
データ損失リスクありの「緊急の再起動」を実行する(2) データ損失リスクありの「緊急の再起動」を実行する(2)
「緊急の再起動」画面になるので、[Tab]キーを押して[OK]ボタンを選択してから[Enter]キーを押す。これで「緊急の再起動」が実行できる。


 電源ボタンの長押しによる強制電源オフは、システムファイルやデータの破損リスクが高い操作だ。フリーズしたときは、「タスク終了」→「グラフィックスドライバのリセット」→「再起動」の順で段階的に対処すると、大切なデータを守りながら問題を解決できる可能性が高まる。

 フリーズ状態から回復できたら、システムの更新や不要なアプリケーションの整理を行うとよいだろう。頻繁に応答不能になるようなアプリケーションがある場合は、バージョンアップしたり、代替のアプリケーションを使うようにしたりするとよい。

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