Googleは同社のAIコーディングエージェント「Jules」をCLIから操作できる「Jules Tools」を公開した。「Jules API」の初期プレビュー版の提供も開始しており、Julesと独自のシステムやワークフローを直接統合できるという。
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Googleは2025年10月2日(米国時間)、同社が提供するAI(人工知能)コーディングエージェント「Jules」をコマンドラインインタフェース(CLI)から直接操作できる「Jules Tools」を公開した。同日、Julesと独自のシステムやワークフローを直接統合できる「Jules API」の初期プレビュー版の提供も開始した。
Julesは、既存のリポジトリと直接連携し、プロジェクトのコンテキストを理解する非同期のAIコーディングエージェントだ。ユーザーはJulesに指示することで「テストの作成」「新機能の構築」「バグ修正」「依存関係のバージョンアップ」といったタスクを実行させることができる。Julesはユーザーの指示に応じて、リモートの仮想マシン(VM)を立ち上げタスクを実行し、タスクが完了するとPull Requestをリポジトリに送信する仕組みだという。
「Julesは共同作業者のように設計されており、ソフトウェア開発ワークフロー全体にわたって開発者を支援する。これにより、アイデアから実用的なコードに変換するプロセスを加速させることができる」と、Googleは述べている。
下記のコマンドを実行することで、Jules Toolsをグローバルにインストールできる。
npm install -g @google/jules
Jules Toolsを利用するには、Googleアカウントで認証をする必要がある。下記コマンドを実行することでブラウザウィンドウが開き、認証できる。
jules login
GoogleはJules Toolsでのコマンド例を次のように紹介している。
jules remote list --repo
jules remote new --repo torvalds/linux --session "write unit tests"
cat TODO.md | while IFS= read -r line; do jules remote new --repo . --session "$line" done
gh issue list --assignee @me --limit 1 --json title \ | jq -r '.[0].title' \ | jules remote new --repo .
gemini -p "find the most tedious issue, print it verbatim\n \ $(gh issue list --assignee @me)" \ | jules remote new --repo .
Jules Toolsでは、対話的な操作を好む開発者向けにTUI(ターミナルユーザーインタフェース)を提供している。従来のコマンド入力に加え、メニューやダッシュボードを操作してJulesを扱えるという。
JulesのWebサイトにアクセスして設定ページからAPIキーを取得することで、Jules APIの初期プレビュー版を利用できる。Googleは、Jules APIのユースケースを次のように紹介している。
curl 'https://jules.googleapis.com/v1alpha/sessions' \ -X POST \ -H "Content-Type: application/json" \ -H 'X-Goog-Api-Key: YOUR_API_KEY' \ -d '{ "prompt": "Create a boba app!", "sourceContext": { "source": "sources/github/bobalover/boba", "githubRepoContext": { "startingBranch": "main" } }, "title": "Boba App" }'
AIコーディングエージェントが自律的にコードを生成できるようになった一方で、成果物であるコードの内容が人間の開発者の指示内容に沿ったものなのかどうか、予期せぬ変更や脆弱(ぜいじゃく)性が含まれていないかどうかを検証する取り組みは不可欠だ。AIコーディングエージェントを導入する場合には、新たなレビュープロセスを確立して組み込むことがますます重要となるだろう。
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