41%の組織がCI/CDツールを複数併用 最も人気のツールは? JetBrains調査CI/CDワークフローにおけるAI活用は初期段階

JetBrainsは個人や組織におけるCI/CDツールの利用状況を調査した「The State of CI/CD in 2025」を発表した。

» 2025年10月14日 09時00分 公開
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 JetBrainsは2025年10月6日(中央ヨーロッパ時間)、個人や組織におけるCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)ツールの利用状況を調査した「The State of CI/CD in 2025」を発表した。

 同調査は、個人・組織におけるCI/CDツールの利用状況や直面している課題、CI/CDとAI(人工知能)の統合状況を調査したものであり、フルタイムのテクノロジー関連職に就く805人から回答を得たという。

個人、組織に最も好まれるCI/CDツールは?

 調査によると、個人と組織で最も好まれていたのは「GitHub Actions」だ。62%の個人、41%の組織が利用していると回答した。

 個人では次いで「GitLab CI」(24%)、「使用していない」(16%)、「Jenkins」(14%)だった。一方、組織ではGitLab CI(34%)、Jenkins(31%)、「Azure DevOps Server」(14%)だった。

組織におけるCI/CDツールの使用状況(左) 個人のプロジェクトやオープンソースプロジェクトにおけるCI/CDツールの使用状況(右)

複数のCI/CDツールを併用

 調査では、回答した組織の32%が2種類、9%が少なくとも3種類のCI/CDツールを併用していると回答しており、大企業ほどその傾向は顕著だったという。

 JetBrainsは300件の回答を分析し、複数のツールを併用する背景や理由を次のように考察している。

  • 移行プロセスの途中:JenkinsからGitHub Actionsに移行を進めている企業が多い。だが移行には数カ月から数年かかるため、両方のCI/CDパイプラインを並行稼働させている
  • ミッションクリティカルなレガシーシステム:過去に多額を投資したミッションクリティカルなシステムが依存しているCI/CDツールの移行はリスクやコストが見合わず非現実的となっている
  • チームごとの自律的な選択:大規模組織では、チームごとに最適なツールを選択する裁量が与えられていることがある。結果として組織全体で見ると複数のツールが混在する
  • クライアントやプロジェクトの要件:コンサルティング企業の場合、顧客の環境に合わせる必要があり、自社でツールを統一できない
  • コストとパフォーマンスの最適化:軽量なタスクは無料のGitHub Actions、大規模ビルドはオンプレミスのJenkinsなど、用途に応じて使い分けることでコストやパフォーマンスの最適化を図っている

CI/CDにおけるAI活用

 CI/CDワークフローにおけるAIの活用状況については、73%が「全く使用していない」と回答。9%が初期のテスト段階、6%がワークフローの一部で活用しているものの、定常的なAIの利用は2%、本格的な導入は1%にとどまり、ほぼ初期段階の状況にある。

CI/CDワークフローにおけるAI活用の状況(提供:JetBrains) CI/CDワークフローにおけるAI活用の状況(提供:JetBrains)

 CI/CDワークフローへのAI導入における最大の課題は「ユースケースが不明確/価値が不明確」(60%)だった。次いで「AIが生成した結果への信頼性の欠如」(36%)、「データプライバシーに関する懸念」(33%)が挙がっており、信頼性やセキュリティも課題となっている。また「明確なオーナーシップの欠如や内部抵抗といった組織の準備不足」(19%)も、導入を妨げる要因として挙がっていた。

CI/CDへのAI導入を妨げる要因(提供:JetBrains) CI/CDへのAI導入を妨げる要因(提供:JetBrains)

 スピーディーなアプリケーション・サービス開発が求められ、CI/CDの重要性が増す中、多種多様なツールが登場している。これからCI/CDに取り組む企業にとっては、個人や組織の利用実態を知る上で、一つの参考となるだろう。

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