前世代のClaude Sonnet 4と同等の性能を持つモデルが、3分の1の価格で利用可能になった。高いコスパで、開発者の“日常使いモデル”として定着するかが注目される。
Anthropicは2025年10月15日、同社のAIモデル「Claude」シリーズで最も小さいモデル「Haiku」の最新版「Claude Haiku 4.5」を公開した。軽量モデルでありながら、前世代の上位モデル「Claude Sonnet 4」をわずかに上回るコーディング性能を実現している。
今回の発表で特に注目すべきは、その際立ったコストパフォーマンスである。Anthropicは公式発表の中で、「5カ月前はClaude Sonnet 4が最先端モデルでした。今ではClaude Haiku 4.5が、それと同等のコーディング性能を発揮しながら、2倍以上の速度で、3分の1のコストを実現しています」と強調している。
速度については、リアルタイム性や低遅延(低レイテンシ)が求められるチャット支援やペアプログラミング、カスタマーサポートなどの用途に向いており、Haiku 4.5は従来よりも素早く応答する。
また、API価格が前世代Sonnet 4の「約3分の1」に設定されており(後述の「価格表」参照)、前世代と同等の性能を大幅に低コストで利用できる点も大きな魅力だ。
――ここからは『Deep Insider Brief』恒例の“ひと言コメント”として、今回の発表から技術の“今”を少し深く見ていく。
Deep Insider編集長の一色です。こんにちは。
「Sonnet 4.5」の公開から約2週間後に、この「Haiku 4.5」が登場しました。公式発表では「2倍以上の速度で動作」と説明されていますが、その根拠となるデータやグラフは(少なくとも筆者の確認範囲では)見当たりませんでした。
そこで、Visual Studio Code上のGitHub Copilotで「Claude Haiku 4.5(公開プレビュー版)」を実際に試してみたところ、確かに“少し速い”という印象を持ちました。「プレミアムリクエスト乗数(premium request multiplier)」を見ると、Haiku 4.5は0.33x(x=倍)で、説明通りSonnet 4.5の1xに対してちょうど3分の1です。「普段使いでもいいかも」と感じる一方で、0xのGPT-4.1やGrok Code Fast 1(公開プレビュー版)もあるので、本当にそうするかは悩ましいですね。
開発者は、Claude CodeやAnthropic公式APIだけでなく、GitHub Copilot、Amazon Bedrock、Google CloudのVertex AIなどでも、Claude Haiku 4.5を従来のHaiku 3.5やSonnet 4の代替モデルとして利用できる。
今回の発表内容には、先に述べた速度や価格以外にも、開発者が注目すべき特徴が幾つかか含まれていた。これらを丁寧に解説すると長くなるので、残りは以下に箇条書きでまとめておく。
価格は、100万トークン当たり入力1ドル、出力5ドルと、上位モデルSonnet 4.5の約3分の1に設定されている。以下の詳細は公式ドキュメントに基づく(後述の「Pricing」参照)
※価格は変更される可能性があるため、利用の際はAnthropic公式ドキュメント「Pricing」を必ず確認してほしい。
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