半透明化も管理者起動も 「Windowsターミナル」をもっと便利にする5大テクニックTech TIPS

Windows 11では、従来のコマンドプロンプトなどに代わり「Windowsターミナル」が新しいコマンドラインインタフェースの標準になっている。Windowsターミナルは、コマンドプロンプトやPowerShellなどの異なるシェルを1つのウィンドウでタブ表示できる。また、プロファイルを設定することで自分が使いやすいようにカスタマイズできるのも特徴だ。そこで本Tech TIPSでは、Windowsターミナルを便利に使うための設定を5つ紹介する。

» 2025年11月10日 05時00分 公開
[小林章彦デジタルアドバンテージ]
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対象:Windows 11


Windowsターミナルをもっと便利にする5大テクニック Windowsターミナルをもっと便利にする5大テクニック
Windows 11では、従来のコマンドプロンプトなどに代わり「Windowsターミナル」が新しいコマンドラインインタフェースの標準になっている。Windowsターミナルは、コマンドプロンプトやPowerShellなどの異なるシェルを1つのウィンドウでタブ表示できる。また、プロファイルを設定することで自分が使いやすいようにカスタマイズできるのも特徴だ。そこで本Tech TIPSでは、Windowsターミナルを便利に使うための設定を5つ紹介する。

 従来のWindows OSでは、コマンドプロンプトやPowerShellといった独自のコマンドラインインタフェースが用意されていた。しかしWindows 11では、「Windowsターミナル(Windows Terminal)」と呼ばれる新しいコマンドラインインタフェースが標準になっている(従来のコマンドプロンプトやPowerShellのコマンドラインインタフェースも利用可能)。

 Windowsターミナルの最大のメリットは、複数の異なるシェル(コマンドプロンプト、PowerShell、WSL上のLinux)を1つのウィンドウでタブ表示できることにある。また、プロファイルを設定することで自分が使いやすいようにカスタマイズできるのも特徴だ。標準設定でも十分便利なのだが、幾つかの設定を変更することで、その使いやすさが劇的に向上し、作業効率は格段に上がる。

 そこで本Tech TIPSでは、Windowsターミナルを便利に使うための設定を5つ紹介する。

Windowsターミナルを手早く起動する方法

 Windowsターミナルは、[スタート]メニューの「すべて」画面で「ターミナル」を選択することで起動可能だ。ただ、「た」の位置にあるため、リストをかなりスクロールしなければならず「すべて」画面から起動するのは少々面倒だ。

 [スタート]ボタンの右クリックまたは[Windows]+[X]キーを押して開く、クイックアクセスメニューで[ターミナル]または[ターミナル(管理者)]を選択する方が手早く起動できるだろう。

Windowsターミナルを起動する(1) Windowsターミナルを起動する(1)
[スタート]ボタンの右クリックまたは[Windows]+[X]キーを押して、クイックアクセスメニューを開く。メニューで[ターミナル]または[ターミナル(管理者)]を選択する。
Windowsターミナルを起動する(2) Windowsターミナルを起動する(2)
Windowsターミナルが既定のプロファイル(シェル)を開いた状態で起動する。

 また、[Windows]+[R]キーで[ファイル名を指定して実行]ダイアログを開き、「wt」と入力して[Enter]キー(通常起動)または[Ctrl]+[Shift]+[Enter]キー(管理者として起動)を押して起動してもよい。

 ちなみにコマンドを使う場合、「wt -p "Ubuntu"」「wt -p "Command Prompt"」「wt -p "Ubuntu"」といったように「-p」オプションでプロファイルを指定して、特定のシェルを開いた状態でWindowsターミナルを起動することも可能だ。

コマンドプロンプトを開いた状態で起動するように設定する

 前述の通り、WindowsターミナルではコマンドプロンプトやPowerShellなどの異なるシェルを扱うことが可能だ。

 デフォルトでは、WindowsターミナルがPowerShellを開いた状態で起動するように設定されている。普段からPowerShellを主に使っている人はそのままで便利だが、コマンドプロンプトやWSL上のLinux(Ubuntuなど)を利用している人は、毎回新しいタブを開く操作が必要になって面倒だ。

 そこで、「既定のプロファイル」を変更し、最も使用するシェル(コマンドプロンプトやUbuntuなど)に変更しよう。例えば、既定のプロファイルを「コマンドプロンプト」に変更すれば、Windowsターミナルがコマンドプロンプトを開いた状態で起動するようになる。

 それには、Windowsターミナルを起動したら、[v]アイコンをクリックし、[設定]を選択して、[設定]タブを開く。[Ctrl]+[,(カンマ)]キーを押しても、[設定]タブを開くことができる。

 [設定]タブが開いたら、左メニューの[スタートアップ]を選択し、右ペインの「既定のプロファイル」欄のプルダウンリストで、Windowsターミナルを起動した際に開くシェルを選択すればよい。

既定のプロファイルを変更する(1) 既定のプロファイルを変更する(1)
Windowsターミナルを起動したら、[v]アイコンをクリックし、開いたメニューで[設定]を選択する。
既定のプロファイルを変更する(2) 既定のプロファイルを変更する(2)
[設定]タブが開いたら、左メニューで[スタート]を選び、右ペインの「既定のプロファイル」欄のプルダウンリストで既定にしたいプロファイル(シェル)を選択する。[保存]ボタンをクリックすると、既定のプロファイルが変更される。

Windowsターミナルの背景を半透明にする

 見た目の快適さは作業の集中力に直結する。Windowsターミナルは、ウィンドウの背景の透明度を調整したり、背景画像を設定したりでき、デザイン性と実用性を両立できる。

 背景の透明度を調整することで、Windowsターミナルを最前面に表示した状態でも、ウィンドウの背後にあるアプリケーションの状態が把握できる。

 好みや作業内容にもよるが、Windowsターミナルを常に前面に表示しておきたいこともあるだろう。そのような場合、Windowsターミナルの[設定]タブを開いたら、左メニューの[外観]を選択し、右ペインの「常に手前に表示」のスイッチを「オン」にすればよい。これで、Windowsターミナルが常に前面に表示されるようになる。

 ただ、この状態では後ろのウィンドウが隠れて作業がしにくくなってしまう。そこで、背景の透明度を調整したいシェル(例えばコマンドプロンプト)を、左メニューの「プロファイル」の下にあるシェル名で選択し、右ペインの「追加の設定」欄にある[外観]をクリックする。ここでシェルの外観が設定できるので、「透明度」欄まで画面をスクロールして、「背景の不透明度」を70%から80%に設定する。不透明度は、Windows 11のテーマなどによっても、見た目が変わってしまうので、自分が使いやすい値に調整するとよい。

Windowsターミナルの背景を半透明にする(1) Windowsターミナルの背景を半透明にする(1)
[設定]タブを開き、左メニューで[外観]を選択する。右ペインの画面をスクロールして、「常に手前に表示」欄のスイッチを「オン」にする。これでWindowsターミナルが他のウィンドウよりも常に手前に表示されるようになる。なお、この設定は半透明にするための必須条件ではないので、好みによって「オフ」のままにしておいてもよい。
Windowsターミナルの背景を半透明にする(2) Windowsターミナルの背景を半透明にする(2)
左メニューで透明度を設定したいプロファイルを選択する。「既定値」を選択すると、全てのプロファイルを半透明にできる。ここでは[コマンドプロンプト]を選択したとする。右ペインにプロファイルの設定画面が表示されるので、画面をスクロールして、「追加の設定」欄の[外観]をクリックする。
Windowsターミナルの背景を半透明にする(3) Windowsターミナルの背景を半透明にする(3)
「外観」画面にある「透明度」欄の「背景の不透明度」で透明度を70%から80%に設定して、[保存]ボタンをクリックする。
Windowsターミナルの背景を半透明にする(4) Windowsターミナルの背景を半透明にする(4)
設定したプロファイルを開くと、背景が半透明になり、後ろ側にあるウィンドウなどを見ながら作業できるようになる。

 背景画像を単色から画像に変更したい場合は、対象プロファイルの「外観」設定を開き、「背景画像」欄の「None」の右側にある[v]アイコンをクリックして展開し、[参照...]ボタンをクリックして画像ファイルを指定する。背景を元に戻したい場合は、画像ファイルのパスを削除して、[保存]ボタンをクリックすればよい。

背景画像を設定する(1) 背景画像を設定する(1)
プロファイルの設定画面の「外観」画面を開き、「背景画像のパス」欄の[v]アイコンをクリックして展開する。
背景画像を設定する(2) 背景画像を設定する(2)
[参照]ボタンをクリックして、背景にしたい画像ファイルを選択し、[保存]ボタンをクリックする。
背景画像を設定する(3) 背景画像を設定する(3)
設定したプロファイルを開くと、背景に画像が表示されるようになる。

管理者でWindowsターミナルを起動するプロファイルを作成する

 管理者権限が必要な操作の場合、新たにWindowsターミナルを管理者として起動するのは面倒だろう。そのような場合は、[v]アイコンをクリックしてメニューを開き、管理者として起動したいシェル名を[Ctrl]キーを押しながらクリックすればよい。ユーザーアカウント制御(User Account Control:UAC)のダイアログが表示されるので[はい]ボタンをクリックすると、管理者として新しいWindowsターミナルが起動する。

管理者でプロファイルを開く 管理者でプロファイルを開く
[v]メニューを開き、[Ctrl]キーを押しながらプロファイル名をクリックすると、別のWindowsターミナルでそのプロファイルが管理者として開く。

 ただ、[Ctrl]キーを押しながらクリックするのは忘れがちだ。そこで、管理者として起動する新しいプロファイルを作成して、メニューから選択できるようにしよう。

 [設定]タブを開き、左メニューの「プロファイル」欄にある[+ 新しいプロファイルを追加します]を選択する。

 「新しいプロファイルを追加します」画面が開くので、ここの「プロファイルを複製する」欄のプルダウンリストで管理者として起動したいシェルを選択後、[複製]ボタンをクリックする。ここでは、[コマンドプロンプト]を選択したとする。

 「コマンドプロンプト(コピー)」が作成され、そのプロファイルの設定画面が開くので、「名前」欄を展開して、分かりやすい名前「コマンドプロンプト(管理者)」などに変更する。

 さらに「このプロファイルを管理者として実行する」欄のスイッチを「オン」に切り替える。

 [保存]ボタンをクリックすればプロファイルの追加は完了だ。[v]アイコンをクリックすると、メニューに「コマンドプロンプト(管理者)」が追加されているはずだ。これを選択すると、ユーザーアカウント制御のダイアログが表示され、[はい]ボタンをクリックすると、管理者でコマンドプロンプトが開いた状態のWindowsターミナルが起動するはずだ。

管理者でWindowsターミナルを起動するプロファイルを作成する(1) 管理者でWindowsターミナルを起動するプロファイルを作成する(1)
[設定]タブを開き、[+ 新しいプロファイルを追加します]を選択する。
管理者でWindowsターミナルを起動するプロファイルを作成する(2) 管理者でWindowsターミナルを起動するプロファイルを作成する(2)
「新しいプロファイルを追加します」画面が開くので、「プロファイルを複製する」欄のプルダウンリストで管理者として開きたいプロファイルを選択してから、[複製]ボタンをクリックする。
管理者でWindowsターミナルを起動するプロファイルを作成する(3) 管理者でWindowsターミナルを起動するプロファイルを作成する(3)
複製されたプロファイルの設定画面が開くので、「名前」欄の[v]アイコンをクリックして展開し、プロファイル名を変更する。また、「このプロファイルを管理者として実行する」欄のスイッチを「オン」にして[保存]ボタンをクリックする。
管理者でWindowsターミナルを起動するプロファイルを作成する(4) 管理者でWindowsターミナルを起動するプロファイルを作成する(4)
Windowsターミナルの[v]メニューに作成した管理者として開くプロファイルが追加される。このプロファイルを選択すると、管理者として別のWindowsターミナルが開く。

キーボードで画面を分割する

 複数の操作を同時に監視したり、並行してコマンドを実行したりする場合、画面を分割すると便利なことがある。Windowsターミナルでは、ウィンドウ内をペインと呼ばれる区画に分割できる。

 分割操作には、ショートカットキーがデフォルトで割り当てられているので、よく使うショートカットは覚えておくとよい。

  • 垂直に分割:[Alt]+[Shift]+[+]キー
  • 水平に分割:[Alt]+[Shift]+[−]キー
  • ペインの移動:[Alt]+[↑]/[↓]/[←]/[→]キー
  • 選択しているペインを閉じる:[Ctrl]+[Shift]+[W]キー

 

キーボードで画面を分割する(1) キーボードで画面を分割する(1)
Windowsターミナルを起動したら、[Alt]+[Shift]+[−]キーを押す。
キーボードで画面を分割する(2) キーボードで画面を分割する(2)
画面が水平に分割されて、2つのペインになる。

Windowsターミナル上で検索を実行する

 Windowsターミナルで表示した長大なログから特定のキーワードを見つけ出す場合、通常のコマンドラインではオプションなどに精通していないと意図した通りにならないことが多い。Windowsターミナルの検索機能を使えば、正規表現や大文字/小文字の区別といった検索オプションが設定できるので簡単に見つけられる。

 Windowsターミナルのウィンドウには検索ボックスやメニューは用意されていないため、検索ができることに気付いていない人も多いかもしれないが、[Ctrl]+[Shift]+[F]キーを押すことで検索ボックスが表示できる。

 例えば、コマンドプロンプト上で「dir」コマンドを実行し、出力された一覧から目的のファイルやフォルダを探すといったことが可能だ。検索ボックスの右側には、「Aa(大文字/小文字)」や「^$(正規表現)」といったスイッチも用意されており、これをクリックして「オン」にすると、大文字と小文字が別の文字として認識されたり、正規表現による検索が有効になったりする。

 Windowsターミナルに表示されている出力で、検索ボックスに入力した文字列に合致するものはハイライト表示されるため、そのファイル名をコピーして、次のコマンドに使うといったアクションにつなげられる。

Windowsターミナル上で検索を実行する(1) Windowsターミナル上で検索を実行する(1)
コマンドプロンプト上で「dir」コマンドを実行後、[Ctrl]+[Shift]+[F]キーを押す。検索ボックスが表示される。
Windowsターミナル上で検索を実行する(2) Windowsターミナル上で検索を実行する(2)
検索ボックスに検索したい文字列を入力すると、画面上の合致した文字列がハイライト表示になる。大文字と小文字を区別したり、正規表現を有効にしたりすることも可能だ。

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