Windows 10からWindows 11に移行したユーザーにとって、変化を感じる機能の一つがエクスプローラーだろう。特に「タブ機能」の標準搭載や「右クリックメニュー」の変更は、これまでの操作習慣を変えなければならないため、慣れるまでは作業効率が落ちることになる。そこで本Tech TIPSでは、Windows 11のエクスプローラーを効率的に使いこなすための技を紹介する。
対象:Windows 11
Windows 11エクスプローラー「タブ機能」と「新右クリックメニュー」を使いこなすWindows 10からWindows 11に移行したユーザーにとって、変化を感じる機能の一つがエクスプローラーだろう。特に「タブ機能」の標準搭載や「右クリックメニュー」の変更は、これまでの操作習慣を変えなければならないため、慣れるまでは作業効率が落ちるかもしれない。
そこで本Tech TIPSでは、Windows 11のエクスプローラーを効率的に使いこなすための技を紹介しよう。
Windows 11のエクスプローラーで最も進化したのは、Webブラウザのように複数のフォルダを1つのウィンドウで開ける「タブ機能」が標準搭載されたことにある。これにより、複数のフォルダを作業ごとに1つのエクスプローラーのウィンドウにまとめることで、大量のウィンドウが乱立するのを防げる。デスクトップを常に整理された状態に保つのに役立つ機能となっている。
タブで開きたいフォルダを右クリックし、メニューで[新しいタブで開く]を選択すれば、そのフォルダが新しいタブで開かれる。
Webブラウザのタブと同様、タブはドラッグで位置を移動したり、エクスプローラーのウィンドウから移動させたりすることで、別の独立したエクスプローラーにすることも可能だ。逆にタブを既に開いているエクスプローラーに移動させることで、エクスプローラーを合体させることもできる。
エクスプローラーのタブ機能を素早く操作するには、下表のキーボードショートカットを利用するとよい。これらのキーボードショートカットは、Webブラウザのタブ操作と同じなので、覚えておくとエクスプローラーだけでなくWebブラウザでも使える。
| 操作内容 | ショートカットキー | 効果 |
|---|---|---|
| 新しいタブを開く | [Ctrl]+[T]キー | 現在のウィンドウ内で、新しいフォルダタブを追加する |
| タブを閉じる | [Ctrl]+[W]キー | 現在表示しているタブを閉じる |
| 右隣のタブへ移動 | [Ctrl]+[Tab]キー | 開いているタブの右隣に移動する |
| 左隣のタブへ移動 | [Ctrl]+[Shift]+[Tab]キー | 開いているタブの左隣に移動する |
| 特定のタブへ移動 | [Ctrl]+数字キー | [Ctrl]+[1]キーで一番左のタブ、[Ctrl]+[2]キーで左から2番目のタブに移動する |
| エクスプローラーのタブ機能を操作するキーボードショートカット | ||
キーボートショートカットで新しいタブを開く(2)エクスプローラーのタブ機能は、単にウィンドウをまとめるだけでなく、ファイル移動の効率も大幅に高めてくれる。
ファイルやフォルダを移動する際、移動先のフォルダが別のタブで開いていれば、そのタブを移動先の「ドロップゾーン」として利用できるからだ。まず、移動したいファイルをマウスでドラッグして、移動先のフォルダタブの上に持っていってみよう。
カーソルをタブの上に置いたまま数秒待つと、タブがアクティブになり、そのフォルダの内容が表示される。そのままフォルダ内の任意の場所へドロップすれば、素早くファイルを移動またはコピーできる。
これにより、ウィンドウを重ねたり、移動先のウィンドウを探したりする手間が一切なくなる。
ドラッグ&ドロップで別のフォルダにファイルを移動する(2)Windows 11では、ファイルやフォルダを右クリックしたときに表示される「コンテキストメニュー」が大幅に簡略化された。これは、ユーザーが頻繁に使う操作にアクセスしやすくするための改良ということだ。
コンテキストメニューの上部には、「コピー」「貼り付け」「名前の変更」「削除」といった基本操作がアイコンとして表示されている。また、Windows 10の頃のように、サードパーティー製アプリケーションの項目などを含む詳細なメニュー(従来のコンテキストメニュー)を表示したい場合は、メニューの一番下にある[その他のオプションを表示]を選択するか、[Shift]キーを押しながら右クリックすればよい。
ファイルの移動やコピーを行う際の挙動は、対象が同じドライブならば移動、別のドライブならばコピーといったように自動的に決まっている。
同じドライブでもコピーしたい場合は、[Ctrl]キーを押しながらドラッグ&ドロップすればよい。逆に別のドライブに移動したい場合は、[Shift]キーを押しながらドラッグ&ドロップする。
ただ、[Ctrl]キーや[Shift]キーを押しながらのドラッグ&ドロップは、キーを離すタイミングを間違えると、コピーしたいのに移動してしまうなどのミスを招きがちだ。
実は、右クリックでドラッグ&ドロップというテクニックを使えば、移動先/コピー先のフォルダにドラッグした後で、コピーあるいは移動といった操作が選択可能になる。
まず、ファイルやフォルダを、左クリックではなく右クリックでドラッグする。次に移動先のフォルダでマウスの右ボタンを放す(ドロップする)。すると移動先のフォルダ上にメニューが表示され、[ここにコピー][ここに移動][ショートカットをここに作成]の各操作が選択できるようになる。
この方法は、異なるドライブ間でファイルを扱う際に、意図しない「コピー」を防ぎ、確実に「移動」したい場合に有効だ。
Windows 11のエクスプローラーには「クイックアクセス」機能がある。デフォルトでは、[フォルダーオプション]で「頻繁に使うフォルダーを表示する」にチェックが入っており、使用頻度の高いフォルダが自動的にクイックアクセスにピン留めされるようになっている。
よく使うフォルダをクイックアクセスにピン留めしないようにする(1)意図しないフォルダがクイックアクセスにピン留めされることがあるため、この項目のチェックを外しているユーザーもいると思う。
ただ、クイックアクセスには、自分でフォルダをピン留めすることもできる。よく使うフォルダをピン留めしておくと、素早くフォルダが開けて便利だ。ピン留めしたいフォルダを右クリックし、メニューの[クイックアクセスにピン留めする]を選択すればよい。これでクイックアクセスの一番下にそのフォルダがピン留めされる。
クイックアクセスの順番は、ピン留めしたフォルダをドラッグして移動させれば変更できる。よく使うフォルダを上の方に移動させておくとアクセスしやすくなるだろう。
またクイックアクセスにピン留めされたフォルダは、タスクバー上の[エクスプローラー]アイコンを右クリックすると表示されるジャンプリストに一覧表示される。ここから直接フォルダをエクスプローラーで開くことができる。わざわざエクスプローラーを起動してからフォルダを選択するという手間が省ける。
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