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対象:Googleフォーム+Googleスプレッドシート(Windows 11)
Googleフォーム×スプレッドシートで回答データを自動集計し、即座に分析
セミナーやイベント開催時、顧客リストや登録者リストからの抽出、メール案内、そして返信メールの確認と参加希望者のまとめ――これらの手作業に煩わしさを感じている担当者は多いのではないだろうか。これら一連の面倒な作業は、GoogleフォームとGoogleスプレッドシートを連携させることで、大幅な省力化が可能になる。そこで本Tech TIPSでは、Googleフォームによるフォームの作成から公開、そしてGoogleスプレッドシートとの連携による集計作業までの手順を解説する。
セミナーやイベント開催時、参加者名簿の作成は非常に手間のかかる作業である。顧客リストや登録者リストからの抽出、メール案内、そして返信メールの確認と参加希望者のまとめ――これらの手作業に煩わしさを感じている担当者は多いのではないだろうか。
こうした手作業にはミスがつきものであり、リストへの記載漏れが発生しやすい。返信メールが迷惑メールフォルダに誤分類され、参加者がリストから漏れてしまい当日トラブルになる、といった事故も起こり得る。
さらにセミナーの場合、セミナーでは講演者の評価や質問を受け付けるアンケートを実施するケースも多い。アンケートを紙ベースで実施した場合、その後の集計作業はさらに煩雑になる。
これら一連の面倒な作業は、GoogleフォームとGoogleスプレッドシートを連携させることで、回答の収集からデータ集計までの流れを自動化でき、大幅な省力化が可能になる。
本Tech TIPSでは、Googleフォームによるフォームの作成から公開、そしてGoogleスプレッドシートとの連携による集計作業までの手順を解説する。ここでは、製品発表イベントの参加者を募集するケースを例に進める。
Googleフォームを使って、回答用のフォームを作成しよう。回答は、シンプルに「氏名」「メールアドレス」「参加の可否」とする。フォームには、アンケートや自由回答欄も作成可能だ。
フォームは以下の手順で作成できる。
- Webブラウザを起動し、アドレスバーに「form.new」と入力して、[Enter]キーを押す
- WebブラウザにGoogleアカウントでログインしていない場合はログインが要求されるので、Googleアカウントでログインする
- 「無題のフォーム」ページが開いたら、[新しいGoogleフォームのご紹介]ダイアログの[スキップ]をクリックする(初回のみ表示される)
- 「無題のフォーム」となっているフォームのタイトル部分をクリックして、「○○製品発表会のご案内」など分かりやすいタイトルを付ける
- タイトルの下にある「フォームの説明」欄に、日時や会場などを入力する
- 回答欄の「無題の質問」をクリックして、質問項目を設定する
- 質問内容に合わせて、「ラジオボタン」「チェックボックス」「プルダウン」「記述式(短文)」などから入力フォームを選択する
- 必須な質問項目には、「必須」のスイッチを「オン」にしておく
- 作成した回答欄の右側にあるツールバーの[+]アイコンをクリックして質問を追加する
- 同様の手順で「メールアドレス」「参加の可否」に対する質問を作成する
- フォームに必要な回答欄が作成できたら、左上の「無題のフォーム」をクリックしてフォームのファイル名をタイトルと同じにする
これでイベントの参加の可否を回答してもらうフォームが作成できる。
Googleフォームでフォームを作成する(1)
Webブラウザを起動し、アドレスバーに「form.new」と入力して、[Enter]キーを押す。
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Googleフォームでフォームを作成する(2)
WebブラウザにGoogleアカウントでログインしていない場合はログインが要求されるので、Googleアカウントでログインする。
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Googleフォームでフォームを作成する(3)
「無題のフォーム」ページが開いたら、初回のみ[新しいGoogleフォームのご紹介]ダイアログの[スキップ]をクリックする。
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Googleフォームでフォームを作成する(4)
フォームのタイトルや説明(イベントの開催概要など)を入力する。太字にしたり、リンクを付けたりすることもできる。
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Googleフォームでフォームを作成する(5)
回答欄に質問を入力し、入力フォームを選択する。回答の入力を必須にする(未回答だと送信できなくする)には、「必須」のスイッチを「オン」にする。右側にあるツールバーの[+]アイコンをクリックすると、次の回答欄が作成できる。
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Googleフォームでフォームを作成する(6)
次の回答欄が表示されるので、ここに質問を入力し、入力フォームを選択する。
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Googleフォームでフォームを作成する(7)
最後の回答項目を入力したら、左上の「無題のフォーム」となっている部分をクリックする。
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Googleフォームでフォームを作成する(8)
フォームのファイル名がタイトルに変わる。これで回答用のフォームが作成できる。
作成したフォームを集計するためのGoogleスプレッドシートに連携する設定をしよう。
- 作成したフォームの上部にある[質問][回答][設定]タブから[回答]タブを選択して開く
- 「0件の回答」の右側にある[スプレッドシートにリンク]をクリックする
- [回答の送信先を選択]ダイアログが開くので、「新しいスプレッドシートを作成」を選択して[作成]をクリックする
これでGoogleスプレッドシートに「○○製品発表会のご案内(回答)」という回答集計用のスプレッドシートが自動作成される。
Googleスプレッドシートに自動連携する(1)
作成したフォームを開き、[回答]タブを選択したら、[スプレッドシートにリンク]をクリックする。
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Googleスプレッドシートに自動連携する(2)
[回答の送信先を選択]ダイアログが開くので、「新しいスプレッドシートを作成」を選択して、[作成]ボタンをクリックする。
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Googleスプレッドシートに自動連携する(3)
新しいタブでGoogleスプレッドシートが開く。シートにフォームに入力された回答が入力されるようになる。
作成したフォームを公開して、回答を受け付けよう。注意が必要なのは、基本的にこのフォームのリンクを知っている人は誰でも回答できてしまうという点だ。非公開のイベントなどの場合は、回答者にもGoogleフォームのリンクの扱いに注意してもらう必要がある。
- 作成したフォームの右上にある[公開]ボタンをクリックする
- [フォームの公開]ダイアログが表示されるので、「回答者」欄の[管理]をクリックする
- [「○○製品発表会のご案内」を共有]ダイアログに変わるので、「回答者ビュー」のプルダウンリストを開き、[リンクを知っている全員]を選択して、[完了]ボタンをクリックする
- フォームを共有するためのリンクが表示されるので、[コピー]をクリックして、このリンクをメールなどで回答者に送信する
組織でGoogle Workspaceを契約している場合、その組織内だけの回答を得るように制限することも可能だ。社内限定の回答フォームを作成することもできる。
作成したフォームへのリンクは、作成したフォームの上部のツールバーにある[リンク]アイコンをクリックすると入手可能だ。回答者にこのリンクをメールなどで送付し、回答してもらえばよい。
作成したフォームを公開・共有する(1)
作成したフォームの右上にある[公開]ボタンをクリックすると、[フォームの公開]ダイアログが表示されるので「回答者」欄の[管理]をクリックする。組織でGoogle Workspaceを契約している場合、組織名が選択された状態になっており、組織内だけに公開を制限することも可能だ。
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作成したフォームを公開・共有する(2)
[「○○製品発表会のご案内」を共有]ダイアログに変わるので、「回答者ビュー」のプルダウンリストを開き、[リンクを知っている全員]を選択する。これでリンクを知っている人ならばフォームに回答できるようになる。フォームそのものを書き換えられるのを防ぐため、「編集者ビュー」の方は「制限付き」のままにしておく。
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作成したフォームを公開・共有する(3)
[完了]ボタンをクリックする。
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作成したフォームを公開・共有する(4)
[フォームの公開]ダイアログに戻るので、[公開]ボタンをクリックする。これで「回答者」に指定した相手に対してフォームが公開できる。
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作成したフォームを公開・共有する(5)
フォームを共有するためのリンクが表示されるので、[コピー]をクリックするとクリップボードにコピーされる。このリンクをメールなどで回答者に送信する。
また、Googleフォームで作成したフォームは、iframeタグで自社のWebページに埋め込むことも可能だ。作成したフォームの[公開]ボタン右側にある[︙]をクリックして、[HTMLを埋め込む]を選択すると、Webページに埋め込むためのiframeタグが入手できる。
フォームの埋め込み用iframeタグを作成する(1)
[︙]をクリックして、[HTMLを埋め込む]を選択する。
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フォームの埋め込み用iframeタグを作成する(2)
Webページに埋め込むためのiframeタグが表示されるので、[コピー]をクリックする。このHTMLタグを自社のWebページなどに貼り付けて、回答用のWebページを作成することもできる。
回答期限が過ぎたら、作成したフォームの[公開]ボタン右側にある[︙]をクリックして、表示されたメニューで[フォームの公開を停止]を選択すればよい。
回答は、作成したフォームの[回答]タブで確認できる他、リンクしたGoogleスプレッドシートに自動集計される。随時、Googleスプレッドシートの「○○製品発表会のご案内(回答)」を確認すれば、参加者の集まり具合などが簡単に把握可能だ。
回答締切日に集まったリストを集計し、「参加の可否」欄でフィルターして、「オンラインで参加」の人には配信するWeb会議システムなどにアクセスするための方法やURLなどをメールで送付すれば完了だ。
Googleスプレッドシートで回答を集計する(1)
作成したフォームの[回答]タブを開くと、回答が確認できる。ここで[スプレッドシートで表示]をクリックする。なお、画面中の氏名などは、「テストデータ・ジェネレータ」で作成したダミーデータ。
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Googleスプレッドシートで回答を集計する(2)
リンクしたGoogleスプレッドシートが新しいタブで開く。ここに回答が集計されいるので、回答を確認すればよい。
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Googleスプレッドシートで回答を集計する(3)
「参加の可否」列をフィルターして、「オンラインで参加」と回答した人を抜き出す。この人たち宛てにはWeb会議システムで用意したイベント配信用URLなどをメールで案内すればよい。このように得られた回答を素早く解析できる。
このようにGoogleフォームとGoogleスプレッドシートを連携させれば、イベントなどの参加確認やアンケートなどの案内から回収、集計まで一気通貫で実現できる。すぐに利用する予定がない場合でも、いざというときにこうしたワザが使えることを覚えておくとよいだろう。
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