Windows 11の非効率を秒で解消? 「Shellコマンド」完全活用マニュアルTech TIPS

Windows OSの操作で、マウスで設定画面の階層移動や、長いファイルパスのコピー&ペーストに煩わされることはないだろうか。もしそうであれば、フォルダや機能に一瞬でアクセスできる「Shellコマンド」を活用するとよい。そこで本Tech TIPSではShellコマンドの使い方と呼び出せる主な機能を紹介する。

» 2025年11月17日 05時00分 公開
[小林章彦デジタルアドバンテージ]
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対象:Windows 11


「Shellコマンド」完全活用マニュアル 「Shellコマンド」完全活用マニュアル
Windows OSの操作で、マウスで設定画面の階層移動や、長いファイルパスのコピー&ペーストに煩わされることはないだろうか。もしそうであれば、フォルダや機能に一瞬でアクセスできる「Shellコマンド」を活用するとよい。そこで本Tech TIPSではShellコマンドの使い方と呼び出せる主な機能を紹介する。

 Windows OSの操作で、マウスで設定画面の階層移動や、長いファイルパスのコピー&ペーストに煩わされることはないだろうか。もしそうであれば、その非効率な操作はすぐにでも避けたいところだ。そこで登場するのが、Windows OSの核となる機能やフォルダに一瞬でアクセスできる「Shellコマンド」である。

 Shellコマンドは、「ファイル名を指定して実行」([Windows]+[R]キー)やエクスプローラーのアドレスバーに直接入力することで、目的の場所に移動できるコマンドである。この活用術をマスターすれば、作業効率を劇的に向上させられるはずだ。

 そこで、本Tech TIPSではShellコマンドで呼び出せる主な機能とその使い方を紹介する。

Shellコマンドの使い方

 Shellコマンドを使うには、主に4つの方法がある。

[ファイル名を指定して実行]ダイアログを使う

 [Windows]+[R]キーを押して[ファイル名を指定して実行]ダイアログを開き、Shellコマンド(例:「shell:Desktop」)を入力して、[Enter]キーを押す。これにより、エクスプローラーが起動し、Shellコマンドで呼び出したフォルダや機能が開かれる。

[ファイル名を指定して実行]ダイアログを使う(1) [ファイル名を指定して実行]ダイアログを使う(1)
[Windows]+[R]キーを押して[ファイル名を指定して実行]ダイアログを開き、Shellコマンド(例:「shell:Desktop」)を入力して、[Enter]キーを押す。
[ファイル名を指定して実行]ダイアログを使う(2) [ファイル名を指定して実行]ダイアログを使う(2)
エクスプローラーが起動し、[デスクトップ]フォルダが開く。

エクスプローラーのアドレスバーに直接入力する

 エクスプローラーのアドレスバーにShellコマンドを入力し、[Enter]キーを押してもよい。同様に、Shellコマンドによって呼び出されるフォルダや機能が開く。

エクスプローラーのアドレスバーに直接入力する(1) エクスプローラーのアドレスバーに直接入力する(1)
エクスプローラーを起動したら、アドレスバーにShellコマンド(例:「shell:Desktop」)を入力して、[Enter]キーを押す。
エクスプローラーのアドレスバーに直接入力する(2) エクスプローラーのアドレスバーに直接入力する(2)
そのエクスプローラーのタブに[デスクトップ]フォルダが開く。

バッチファイルを作成する

 よく使うフォルダや機能をワンクリックで開きたい場合、バッチファイルを作成しておくと、いちいちshellコマンドを入力せずに済むので便利だ。

 バッチファイルを作成して配置したいフォルダをエクスプローラーで開き、右クリックメニューの[新規]−[テキストドキュメント]を選択し、テキストファイルを作成する。ファイル名は、例えば[デスクトップ]フォルダを開くバッチファイルを作成するのであれば、「Desktop.txt」などにしておくとよい。

 このテキストファイルを「メモ帳」アプリなどで開き、以下のように入力して保存する(「メモ帳」アプリは閉じる)。ポイントは、単に「shell:Desktop」とするのではなく、Shellコマンドの前に「explorer 」を記述することだ。

@echo off
explorer shell:Desktop


バッチファイルに書くテキスト

 このテキストを入力したら上書き保存して、ファイル名の拡張子を「txt」から「bat」に変えればよい。「拡張子を変更すると、……」という警告ダイアログが表示されるが、[はい]ボタンをクリックして拡張子を変更する。これでバッチファイルが作成できる。このバッチファイルを実行すると、一瞬、コマンドプロンプトのウィンドウが表示されてから、[デスクトップ]フォルダが開いた状態でエクスプローラーが起動するはずだ。他のShellコマンドでも同様の手順でフォルダや機能を呼び出すバッチファイルが作成できる。

バッチファイルを作成する(1) バッチファイルを作成する(1)
デスクトップの空いているところなどを右クリックし、[新規作成]−[テキストドキュメント]を選択して、テキストファイルを作成する。
バッチファイルを作成する(2) バッチファイルを作成する(2)
作成したテキストファイルを「メモ帳」アプリなどで開き、上記のコマンドを入力して、保存してから閉じる。
バッチファイルを作成する(3) バッチファイルを作成する(3)
テキストファイルの名前を変更し、拡張子を「bat」に変える。警告ダイアログが表示されるので、[はい]ボタンをクリックする。
バッチファイルを作成する(4) バッチファイルを作成する(4)
作成したバッチファイルをダブルクリックすると、エクスプローラーが起動し、[デスクトップ]フォルダが開く。

ショートカットを作成する

 ショートカットを作成すると、デスクトップやタスクバーにピン留めでき、効率良くフォルダや機能を呼び出せるようになる。

 右クリックメニューの[新規]−[ショートカット]を選択して表示される[ショートカットの作成]ウィザードで、Shellコマンドを入力することで該当するフォルダを開いたり、機能を呼び出したりするショートカットの作成が可能だ。

 バッチファイルの際と同様、「項目の場所を入力してください」欄では、「explorer shell:Desktop」のようにShellコマンドの前に「explorer 」を記述する。次の画面でショートカットに付ける名前を入力して[完了]ボタンをクリックすると、右クリックメニューを開いたフォルダにShellコマンドを呼び出すショートカットが作成される。

 ショートカットは、[Shift]キー+右クリックで表示されるメニューで[スタート]メニューやタスクバーにピン留めすることもできる。

ショートカットを作成する(1) ショートカットを作成する(1)
デスクトップの空いているところなどを右クリックし、[新規作成]−[ショートカット]を選択する。
ショートカットを作成する(2) ショートカットを作成する(2)
[ショートカットの作成]ウィザードが起動するので、「項目の場所を入力してください」欄に「explorer 」と入力した後にShellコマンド(例:「shell:Desktop」)を入力して、[次へ]ボタンをクリックする。
ショートカットを作成する(3) ショートカットを作成する(3)
作成するショートカットに分かりやすい名前を付けて、[完了]ボタンをクリックする。
ショートカットを作成する(4) ショートカットを作成する(4)
作成したショートカットをダブルクリックすると、エクスプローラーが起動して[デスクトップ]フォルダが開く。このショートカットは、[Shift]キー+右クリックで開くメニューで[スタート]メニューやタスクバーにピン留めすることもできる。

 また、右クリックメニューの[プロパティ]を選択し、[プロパティ]ダイアログを開き、[アイコンの変更]ボタンをクリックすれば、アイコンを変更することも可能だ。

Windows 11で使える主なShellコマンド一覧

 Windows 11で使える主なShellコマンドによって開けるフォルダや機能を下表にまとめてみた。なおGod Modeの使い方は、Tech TIPS「【Windows 11】あの設定はどこ(?)を解決、God Modeで設定項目に一発アクセス」も参照してほしい。

コマンド アクセス先(機能)
shell:Desktop [デスクトップ]フォルダ
shell:Personal [ドキュメント]フォルダ
shell:Downloads [ダウンロード]フォルダ
shell:Contacts [連絡先]フォルダ
shell:SendTo [SendTo]フォルダ(右クリックメニューの「送る」オプション)
shell:AppData ユーザーの[AppData\Roaming]フォルダ
shell:AppsFolder インストールされている全アプリの一覧
shell:RecycleBinFolder [ごみ箱]フォルダ
shell:System [System32]フォルダ
shell:Common Startup 全てのユーザーの[スタートアップ]フォルダ
shell:Startup 現在のユーザーの[スタートアップ]フォルダ
shell:Common Programs 全てのユーザーの[スタート]メニューの[プログラム]フォルダ
特定のフォルダを開くshellコマンド

 

コマンド アクセス先(機能)
shell:::{ED7BA470-8E54-465E-825C-99712043E01C} God Mode(全てのコントロールパネル項目)
shell:::{7007ACC7-3202-11D1-AAD2-00805FC1270E} ネットワーク接続
shell:::{26EE0668-A00A-44D7-9371-BEB064C98683} コントロールパネル
shellコマンドで呼び出せる特殊フォルダ(GUID形式)

 

コマンド アクセス先(機能)
shell:ControlPanelFolder コントロールパネル
shell:NetHood ネットワーク接続先のショートカットが格納されているフォルダ(「ネットワーク」フォルダとは異なる)
shell:PrintersFolder インストールされているプリンタの一覧画面
shell:Common Administrative Tools 全てのユーザーの[スタート]メニューの[プログラム\Windowsツール]フォルダ
shell:Templates テンプレートフォルダ(右クリックメニューの[新規作成]のオプション格納場所)
shell:History Internet Explorerの履歴フォルダ(古いシステム診断に役立つ場合がある)
shell:Application Shortcuts M icrosoft Storeアプリなどのショートカットが格納されているフォルダ
shell:User Pinned タスクバーにピン留めされた項目の場所(直接編集は非推奨)
shell:Profile 現在サインインしているユーザーのプロファイルルートフォルダ
shell:Links エクスプローラーのナビゲーションウィンドウ(左側のツリー)にある[リンク]フォルダ
shellコマンドで開けるユーザーデータとシステム構成に関するフォルダ

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