それ最適ですか? もっと見やすく疲れにくい、Windows 11ディスプレイ設定を探るTech TIPS

Windows 11に移行したり、新しいWindows 11搭載PCを導入したりした際、ディスプレイに表示される文字が妙に大きかったり、逆に小さかったり、といった経験はないだろうか? これを見やすい大きさにするには「解像度」とともに「表示スケーリング」の設定を手動で変更する必要がある。そこで本Tech TIPSでは、Windows 11で画面を見やすくするための解像度と表示スケーリングを適切に設定する方法を解説しよう。

» 2025年12月10日 05時00分 公開
[小林章彦デジタルアドバンテージ]
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対象:Windows 11


Windows 11の「文字が小さい」「画面がぼやける」を解決 Windows 11の「文字が小さい」「画面がぼやける」を解決
新しいWindows 11搭載PCを導入した際、ディスプレイに表示される文字が妙に大きかったり、逆に小さかったり、といった経験はないだろうか? これを見やすい大きさにするには「解像度」とともに「表示スケーリング」の設定を手動で変更する必要がある。そこで本Tech TIPSでは、Windows 11で画面を見やすくするための解像度と表示スケーリングを適切に設定する方法を解説しよう。

 Windows 11に移行したり、新しいWindows 11搭載PCを導入したりした際、ディスプレイに表示される文字が妙に大きかったり、逆に小さかったりした経験はないだろうか?

 これらのWindows 11における画面の表示に関する不満の多くは、単に「解像度」を変更するだけでは解決せず、「スケーリング」(表示サイズ)との組み合わせで生じている。そこで本Tech TIPSでは、これらの問題を解決し、快適なデスクトップ環境を実現するための具体的な設定方法を解説する。

画面表示の不満はどこにある? 原因の切り分け

 「画面表示の不満」には、異なる原因がある。対策を実施する前に不満の症状が何であるかを切り分ける必要がある。

 「画面の文字やアイコンが小さ過ぎる/大き過ぎる」という不満は、画面の解像度設定やスケーリング(拡大/縮小率)、テキストサイズの設定が不適切なことが原因だ。解像度とスケーリング、テキストサイズを適切な値に設定する必要がある。

 特に近年のノートPCは、フルHD(1920×1080ピクセル)以上の解像度を持つものが標準となってきている。画面サイズに対して「ドットピッチ」と呼ばれる1インチの長さ当たりのドット数で表されるピクセル密度(画素密度)が高くなる傾向にある。適切な設定を行わないと文字が小さくなり、非常に読みにくくなってしまう。

 例えば、14型ディスプレイで1366×768ピクセルの場合、約112dpiとなる。これが1920×1080ピクセルでは約157dpiとなり、同じ文字サイズを表示した場合70%の大きさになってしまう。つまり、1画面で2倍近い情報量が表示可能な一方、文字のサイズは7割近くになってしまうわけだ。

 「画面がぼやける」といった場合は、解像度の設定が適切ではない可能性が高い。

本中の基本「画面解像度」を最適化する

 Windows 11では、接続しているディスプレイの情報から、自動的に設定可能な最大の解像度が選択されるようになっている。しかし、何らかの理由からディスプレイの情報が得られないような場合などでは、本来ディスプレイが表示可能な最大解像度よりも低い値が選択されてしまい、画面がぼやける原因となる。

 また、自動的に選択された解像度では文字が小さいなどの理由から、意図的に低い解像度を選択している場合もあるだろう。

 このような場合、まずディスプレイが表示可能な最大の解像度に手動で設定し直そう。

 まず「設定」アプリを起動し、[システム]−[ディスプレイ]を選択して、「ディスプレイ」画面を開く(デスクトップを右クリックして[ディスプレイ設定]を選んでもよい)。右ペインにある「拡大縮小とレイアウト」欄の「ディスプレイの解像度」欄のプルダウンリストで一番数字の大きなもの(解像度が高いもの)を選択する。通常、「(推奨)」とされているものだ。

 解像度を選択すると、「ディスプレイの設定を維持しますか?」という確認ダイアログが表示されるので、表示に問題がなければ[変更の維持]ボタンをクリックして解像度を変更する(15秒位内に[変更の維持]ボタンをクリックしないと元の解像度に戻ってしまうので注意)。画面が乱れるなどの不具合が発生した場合は、[元に戻す]ボタンをクリックするか[Esc]ボタンを押せば、以前の解像度に戻すことができる。

「画面解像度」を最適化する(1) 「画面解像度」を最適化する(1)
「設定」アプリを起動し、[システム]−[ディスプレイ]をクリックする。
「画面解像度」を最適化する(2) 「画面解像度」を最適化する(2)
「ディスプレイ」画面が開いたら、「拡大縮小とレイアウト」欄の「ディスプレイの解像度」欄のプルダウンリストで一番数字の大きなもの(解像度が高いもの)を選択する。
「画面解像度」を最適化する(3) 「画面解像度」を最適化する(3)
[ディスプレイの設定を維持しますか?]ダイアログが表示されたら、15秒以内に[変更の維持]ボタンをクリックする。

「スケーリング」で文字とアイコンのサイズを調整する

 画面解像度によっては、最大にすると文字やダイアログなどが小さくなってしまい、使いにくくなってしまうことがある。

 このような場合、画面解像度を下げるのではなく、「設定」アプリの「ディスプレイ」画面を開き、「拡大縮小とレイアウト」欄の「拡大/縮小」で調整しよう。ここのプルダウンリストを開き、「100%」から25%刻み(250%以上は50%刻み)で選択できる。この「拡大/縮小」が一般にスケーリングと呼ばれるものだ。

 デフォルトでは、画面解像度とディスプレイサイズによって、「100%」や「150%」などが「(推奨)」として選択されている。画面解像度によっては、この「推奨」の値だと文字のサイズは大きく読みやすくなるものの、せっかくの高解像度が生かせず、表示可能な情報が少なくなってしまうことになる。

 文字が小さ過ぎると感じる場合は数値を大きくし、作業領域を広く確保したい場合は数値を小さく設定しよう。

「スケーリング」で文字とアイコンのサイズを調整する(1) 「スケーリング」で文字とアイコンのサイズを調整する(1)
画面解像度を最大にすると、文字が小さ過ぎたり、逆に作業領域が狭過ぎたりすることがある。
「スケーリング」で文字とアイコンのサイズを調整する(2) 「スケーリング」で文字とアイコンのサイズを調整する(2)
「設定」アプリを起動し、[システム]−[ディスプレイ]をクリックして「ディスプレイ」画面が開いたら、「拡大/縮小」欄のプルダウンリストを開き、文字が小さい場合は、現在選択されているよりも大きな値(%)を、作業領域が狭いなら小さな値を選択する。ここでは、推奨の「200%」では作業領域が狭いと感じたので、「150%」を選択した。
「スケーリング」で文字とアイコンのサイズを調整する(2) 「スケーリング」で文字とアイコンのサイズを調整する(2)
表示が変わり、作業領域が広くなった。一方で表示される文字は小さくなるので、文字が小さ過ぎると感じた場合は、「125%」などに調整する。

上級者向けの設定「カスタムスケーリング」

 前述の通り、「拡大/縮小」で設定できる値は25%刻みとなるため、適切な文字サイズ/作業領域にならないということもあるだろう。このような場合、「拡大/縮小」欄をクリックして、「カスタムスケーリング」画面を開こう。

 ここでは、「100」から「500」の間で任意のスケーリング値が設定可能だ。ただし、設定する値によってはダイアログの表示が大きくなり過ぎて操作不能になったり、逆に文字が小さくなり過ぎてしまったりすることがあるので注意してほしい。「拡大/縮小」欄で選択した値の前後で微調整程度に留めておくのが無難だろう。

 スケーリングの値を入力後、入力ボックスの右側にある[チェック]ボタンをクリックすると、サインアウトが要求される。上述の「拡大/縮小」とは異なり、カスタムスケーリングでは、サインアウトしないと設定が反映されないので注意してほしい。サインアウトすると、アプリが閉じられるため、全てのデータを保存してからカスタムスケーリングを設定するとよい。

「カスタムスケーリング」で「拡大/縮小」率を調整する(1) 「カスタムスケーリング」で「拡大/縮小」率を調整する(1)
「拡大/縮小」では25%刻みなのでちょうどよい文字サイズと作業領域のバランスが得られないことがある。そのような場合は、「カスタムスケーリング」を使う。「拡大/縮小」欄をクリックする。
「カスタムスケーリング」で「拡大/縮小」率を調整する(2) 「カスタムスケーリング」で「拡大/縮小」率を調整する(2)
「カスタムスケーリング」画面が開くので、「カスタムスケーリング」の入力ボックスに「100%」から「500%」の間で値を入力し、[チェック]ボタンをクリックする。[今すぐサインアウト]リンクが表示されるので、これをクリックしてサインアウトする。ここでは効果が分かりやすいように「300%」に設定している。
「カスタムスケーリング」で「拡大/縮小」率を調整する(3) 「カスタムスケーリング」で「拡大/縮小」率を調整する(3)
「300%」の拡大率が適用された。設定する値によってはダイアログの表示が大きくなり過ぎて操作不能になったり、逆に文字が小さくなり過ぎてしまったりすることがあるので、「拡大/縮小」欄で選択した値の前後で微調整程度に留めておくのが無難だ。

 カスタムスケーリングを無効化して元のスケーリングに戻したい場合は、「設定」アプリの「ディスプレイ」画面を開き、[カスタムの拡大/縮小の設定を無効にして、サインアウトする]リンクをクリックして、サインアウトすればよい。サインインすると元のスケーリングに戻っているはずだ。

カスタムスケーリングを無効化する カスタムスケーリングを無効化する
カスタムスケーリングを無効にするには、「設定」アプリで「ディスプレイ」画面を開き、[カスタムの拡大/縮小の設定を無効にして、サインアウトする]リンクをクリック、サインアウトすればよい。サインインすると元のスケーリングに戻る。

ユーザーインタフェースはそのままで「文字だけ」大きくする

 メニューやウィンドウの大きさは変えず、文字サイズのみを大きくしたい場合は「テキストのサイズ」設定を利用する。

 それには、「設定」アプリを起動し、[アクセシビリティ]−[テキストのサイズ]を選択し、「テキストのサイズ」画面を開く。「テキストのサイズ」欄のスライダーで文字の大きさを設定し、[適用]ボタンをクリックすればよい。ブルー画面に「お待ちください」と表示され、しばらくすると文字のサイズが反映される。

 ただしアプリによっては文字のサイズが変わらなかったり、ダイアログから文字がはみ出したりすることもある。また、ダイアログの中には文字のサイズが変わらないものもある。そのため、「テキストのサイズ」による調整では、少しだけ文字を拡大する程度に留めて、大きくし過ぎないように調整した方がよい。

ユーザーインタフェースはそのままで「文字だけ」大きくする(1) ユーザーインタフェースはそのままで「文字だけ」大きくする(1)
作業領域はちょうどいいが、文字のサイズが小さい、という場合は、「テキストのサイズ」を調整するという方法がある。「設定」アプリの[アクセシビリティ]を選択し、「アクセシビリティ」画面を開き、「テキストのサイズ」欄をクリックする。
ユーザーインタフェースはそのままで「文字だけ」大きくする(2) ユーザーインタフェースはそのままで「文字だけ」大きくする(2)
「テキストのサイズ」画面が開くので、「テキストのサイズ」欄にあるスライダーで文字のサイズを設定、[適用]ボタンをクリックする。ブルー画面に「お待ちください」と表示され、しばらくすると文字のサイズが反映される。「設定」アプリの左メニューの文字などが大きくなっていることが分かるだろう。ここでは効果が分かりやすいように最大に設定している。
ユーザーインタフェースはそのままで「文字だけ」大きくする(3) ユーザーインタフェースはそのままで「文字だけ」大きくする(3)
[システムのプロパティ]ダイアログなどは、タイトルの文字には「テキストのサイズ」の設定が反映されるものの、ダイアログ内の文字には反映されない。このように「テキストのサイズ」は全ての文字に反映されるわけではないことに注意してほしい。

マルチディスプレイ環境での個別設定

 複数のディスプレイを接続したマルチディスプレイ(マルチモニター)環境で[表示画面を拡張する]を選択している場合は、ディスプレイごとに上記の設定をする。

 「設定」アプリを起動し、[システム]−[ディスプレイ]を選択して、「ディスプレイ」画面を開くと、ディスプレイの配置図が表示されているはずだ。設定したいディスプレイのアイコンをクリックして選択状態にしてから、解像度やスケーリングの変更をする。これを行わないと、意図しないモニターの設定が変わってしまうので注意が必要だ。

マルチディスプレイ環境での個別設定 マルチディスプレイ環境での個別設定
マルチディスプレイ環境で[表示画面を拡張する]を選択している場合は、ディスプレイごとに設定をする。「設定」アプリを起動し、[システム]−[ディスプレイ]を選択して、「ディスプレイ」画面を開くと、一番上にディスプレイの配置図が表示されているはずだ。設定したいディスプレイのアイコンをクリックして選択状態にしてから、解像度やスケーリングの変更をする。

 なお、[表示画面を複製する]を選択している場合は、画面解像度が低い方の設定に合わせられるようだ。この場合は、ディスプレイごとに設定は変更できないので注意してほしい。

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