開発者向け知識共有プラットフォームを運営するStack Overflowは、AIを活用した新たな対話型検索機能「Stack Overflow AI Assist」の一般提供を開始した。
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Stack Overflowは2025年12月3日(米国時間)、公開Q&Aプラットフォーム上で動作する対話型検索機能「Stack Overflow AI Assist」(以下、AI Assist)の一般提供を開始した。
RAG(検索拡張生成)とLLM(大規模言語モデル)を組み合わせた独自のハイブリッドアーキテクチャを採用し、Stack Overflowのコミュニティーがこれまで蓄積してきた技術ナレッジを中核に据えた検索、問題解決体験を提供するという。
AI Assistは生成AIを使った対話型の検索機能に、Stack Overflow/Stack Exchangeのコミュニティーで蓄積されてきたコンテンツの内容を組み合わせることで、ユーザーに対して精度の高い回答を生成する。
ユーザーが質問を入力すると、Stack Overflowの投稿内容を精査して関連性の高い質問・回答を検索し、上位の検索結果を要約する。AIエージェントが「回答監査役」として機能し、ユーザーの質問内容と検索結果の要約内容を分析しながら構成の不足や代替案の有無をチェックし、必要な場合のみAI自身の補足知識を加える。
コミュニティーの知見を優先させて回答を生成する一方、もしコミュニティー上で関連するコンテンツが見つからない場合にはAIのみで回答を生成し、解決策が見つからないという事態を避ける仕組みを備えたという。
「一般的なLLMがデータを学習した時点までの情報にしか対応できないのに対し、AI Assistはプラットフォーム上の最新の質問と回答にリアルタイムでアクセスできるため、他の生成AIツールと比べて古い情報に基づく回答となるリスクを抑えられる」(Stack Overflow)
Stack Overflowによれば、AI Assistは既に世界中で28万5000人以上の技術者に利用されており、エラーメッセージの解析やプログラムコードのデバッグ、ライブラリ間の比較、アプリケーション設計支援など、多様な用途で活用されているという。ヘビーユーザーの間では1日当たり最大6400件のメッセージが生成されており、その約75%が高度な技術内容に関するやりとりだという。
同社はAI Assistの提供開始に当たり、新規ユーザーでも利用しやすいユーザーフレンドリーな会話型インタフェースを採用し、従来の検索とは異なる体験の提供を目指したという。また推論過程や文脈を明示することで、単なる回答取得にとどまらない「能動的な学習」を可能にした。さらには「Chat」や「Coding Challenges」といった既存機能との連携や、将来的にはIDE(統合開発環境)の拡張機能やコミュニケーションツール「Discord」との連携も計画しているという。
AI Assistは現在、Stack OverflowのWebサイト(stackoverflow.com/ai-assist)にて無償で利用できる。
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