生成AIと社内データをつなぐ「RAG」、関心はあれど普及していない現実技術だけではない2つの問題

Digeonは、「RAG」の認知・導入実態調査の結果を発表した。RAG導入済みの層が一部にとどまっている実態が浮き彫りになった。

» 2026年01月09日 13時00分 公開
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 神戸大学発のベンチャーでAI(人工知能)を用いたシステム開発を手掛けるDigeonは2025年12月、社内データをAIに活用するための仕組み「RAG」(検索拡張生成)の認知・導入に関する調査結果を発表した。調査は全国のビジネスパーソン517人を対象に実施したもの。調査は生成AIとRAGの導入状況の他、RAG導入時の課題などに焦点を当てている。

RAG導入率が低迷、その理由は?

 まず、生成AIを業務で「まったく利用していない」とした企業が35.4%で最多となり、生成AIの活用に着手できていない現状がある。「正式に導入している」は18.4%、「一部の部署・個人が試験的に利用している」が15.5%、「個人レベルで活用している」が14.5%となっている。

 RAGについては、「導入済み」と回答した企業が17.8%にとどまり、全体の82.2%が「未導入」だった。

生成AIの業務活用状況(提供:Digeon)

 RAGの導入意向については、小規模トライアルを希望する企業が23.0%、本格導入を希望する企業が12.2%と、合計で35.2%が前向きな姿勢を示している。RAGの必要性は認識されつつも、実際の導入には至っていない乖離(かいり)が生じているのが現状だ。

RAGの今後の導入意向(提供:Digeon)

RAG導入が進まない理由

 RAGを導入できていない理由を尋ねる設問では、「どの業務に使えるか分からない」(29.1%)、「技術的知識・人材の不足」(27.5%)、「セキュリティ面の懸念」(22.2%)などが多く選ばれる結果になった。企業がRAG導入で直面する課題が、技術的な難易度よりも、検討段階における判断材料の不足や、実装を担う実務的なリソース不足が課題であることが明らかになった。

RAGを導入できない理由(提供:Digeon)

 Digeonは、企業が立ち止まっている背景には、技術的な難易度以上に、小さく試すための起点や進め方が見えていない現状があると考えられると指摘している。

 生成AIを導入する際に最も重視すべき点では、「セキュリティ・ガバナンス」が23.6%で最多となり、「使いやすさ・操作性」(19.3%)、「アウトプット品質」(13.2%)、「コスト負担の低さ」(12.2%)と続いた。

 この結果は、企業が生成AI導入の意思決定において、安全性と統制の確保を最優先していることを示している。Digeonは、「RAG導入の停滞にも、ガバナンス面の不安が影響している可能性がある」と分析する。

 Digeonは、RAGが高度な専門領域として認識されている一方で、現場が安心して試せる環境や、用途を明確にイメージできる仕組みが不足していることも課題として挙げ、「組織全体で共有しながら使える環境を整えることが、今後の企業のAI活用を前進させる鍵になる」と指摘する。

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