Claude Opus 4.6は、単なる性能更新にとどまらず、AIの振る舞いや使われ方に変化を感じさせるアップデートだった。本稿では、ベンチマーク結果と実務での使い勝手を手掛かりに、そのポイントを整理する。
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Anthropicは、同社のClaudeシリーズにおいて、これまでソフトウェア開発向けの能力を重点的に磨いてきた。一方で、最近はエージェント機能(例:Cowork)や業務支援機能の拡張(例:Claude in ExcelやClaude in PowerPoint)を通じて、開発者向けにとどまらない用途にも適用範囲を広げ始めている。
その流れの中で、2026年2月5日(米国時間)に公開された最新の最上位モデルが「Claude Opus 4.6」である。コード生成の正確さに加え、作業手順を組み立てる力や、問題の原因を整理して切り分ける力など、実務で重要になる能力が全体的に底上げされている。
主要ベンチマークにおけるClaude Opus 4.6と他モデルの比較(公式発表ページをスクリーンキャプチャして引用)性能面の進化を端的に示すのが、上の図にまとめられた各種ベンチマーク(性能指標)での結果である。中でも注目したいのが、「ARC-AGI-2」と呼ばれる未知問題の推論テストだ。事前に学習したパターンが使えない課題が出題されるこのテストで、Opus 4.6は68.8%という高い正答率を記録した。ARC-AGI-2の大幅なスコア向上は、Claudeが既存知識の適用だけでなく、その場で考え方を組み立てる方向へ進化し始めた可能性を示している。
今回の発表には、この他にも注目すべき点が幾つも含まれている(詳しくは後半で触れる)。例えば、AIがタスクの難易度に応じて思考の深さを自動調整するAdaptive Thinking(アダプティブ・シンキング:適応的思考)や、複数のエージェントが役割分担して協働するAgent Teams(エージェントチーム)といった新機能が導入された。これらはいずれも、AIを用いた作業をより安定的かつ効率的に進めるための仕組みとして大いに期待できる。
――ここからは『Deep Insider Brief』恒例の“ひと言コメント”として、今回の動きを手掛かりに技術の“今”をもう少し深く眺めてみたい。
Deep Insider編集長の一色です。こんにちは。
私が今回のリリースで特に重要だと感じたのは、コンテキストウィンドウの拡張です。前バージョンのOpus 4.5では、コンテキストウィンドウは基本的に約20万(200K)トークンでしたが、今回のOpus 4.6では、用途や条件に応じて最大100万(1M)トークンに対応する仕組み(β版)が用意されました。これにより、長文や大規模なコードを一貫したコンテキスト(文脈)のまま処理できる能力が強化されています。
一見すると地味な変更に見えるかもしれませんが、実務では非常に重要なポイントです。Claude Codeなどを使っていて、途中で何度もコンテキストをリセットせざるを得なかった経験がある人は多いのではないでしょうか。コンテキストが足りないために、モデル本来のコーディング性能を十分に引き出せなかった場面もあったと思います。Opus 4.6では、こうした制約が緩和され、複雑な実装でも文脈を保ったまま作業を進められる可能性が高まっています。
一方で難点もあります。Opusは最上位モデルということもあり、Sonnetと比べるとコストが高めです。私はProプランを契約していますが、正直なところMaxでないとあまり余裕を持って使えないと感じています。少し集中的に使うと、すぐに上限に達してしまいます。さらに、今回追加されたエージェントチーム機能のように、複数のエージェントを同時に動かす使い方をすると、Maxプランでも足りなくなりそうです。便利になる一方で、財布への負担も増えそうですね。
開発者は既に、Anthropic公式APIに加え、GitHub CopilotやCursor、OpenRouterなどの主要なAI開発プラットフォームを通じて、Opus 4.6を利用できる環境が整っている。
今回のアップデート内容には、他にも多数の機能が含まれている。それらについて全てを文章で説明すると長くなるため、以下では箇条書きでコンパクトに整理する。
現時点では、基本単価は前バージョンと同水準となっている。
※価格は変更される可能性があるため、利用の際はAnthropic公式ドキュメント「Pricing」を必ず確認してほしい。
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