米CISA、PQCへの移行やメーカーによる実装、テストを促す製品カテゴリーリストを公開量子時代に向けたPQC移行に役立つリソースを提供

米CISAは、PQC規格の使用を促す製品カテゴリーリストを公開した。量子コンピュータの脅威に備え、組織の技術投資や移行戦略を支援するためのリソースだ。

» 2026年02月25日 13時00分 公開
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 米国国土安全保障省サイバーセキュリティインフラストラクチャセキュリティ庁(CISA)は2026年1月23日(米国時間、以下同)、「耐量子計算機暗号」(PQC)規格をすでに採用または採用を促すハードウェアおよびソフトウェアの製品カテゴリーをまとめた初期リストを公開した。同リストは、変化するサイバーセキュリティ環境において、組織がPQC規格への移行戦略を策定し、将来の技術投資を評価するためのリソースとして役立つという。

 この取り組みは、ドナルド・トランプ大統領が2025年6月6日に発令した大統領令14306号に基づくものだ。同命令では、量子コンピュータによる暗号解読リスクに備え、PQC技術の普及促進が指示されている。CISAは国家安全保障局(NSA)と密接に協力し、製品例を含むリストを作成した。このリストは、PQC技術環境の進化を反映し、国家的なサイバーセキュリティの回復力を支えるために定期的に更新される予定だ。

 CISAのマドゥ・ゴットゥムカラ局長代理は「量子コンピューティングの出現は、機密データの機密性、完全性、アクセシビリティー、特に公開鍵暗号に依存するシステムに対して、現実的かつ差し迫った脅威をもたらす。これらの新たなリスクに先んじるため、組織はPQC対応技術の調達を優先しなければならない。この製品カテゴリーリストは、その重要な移行の取り組みを支援するものだ」と述べている。

PQC対応を促す製品カテゴリー

 CISAは通信を守るための基本機能である「鍵確立」と「デジタル署名」をPQCに対応させた製品カテゴリーと、PQC規格への移行途上にある製品カテゴリーの2種類をリストアップしている。

 PQC規格に対応済みの製品が広く入手可能な主要製品カテゴリーは以下の通り。

製品カテゴリー 製品タイプの例
クラウドサービス IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)
コラボレーションソフトウェア チャット/メッセージング
Webソフトウェア Webブラウザ、Webサーバ
エンドポイントセキュリティ 保存データの保護(Data At Rest)、フルディスク暗号化

 PQC規格に移行しつつあるハードウェアおよびソフトウェア製品カテゴリーは以下の通り。

製品カテゴリー 製品タイプの例
ネットワークハードウェア プロキシサーバ、ルーター、ファイアウォール、スイッチ、アプライアンス
ネットワークソフトウェア SDN(Software-Defined Network)、DNS(Domain Name Service)、ネットワークOS
クラウドサービス SaaS(Software as a Service)
通信ハードウェア 卓上電話、FAX、VoIP(Voice over IP)、無線機
コンピュータ(物理および仮想) OS、ハイパーバイザー、コンテナ
コンピュータ周辺機器 ワイヤレスキーボード、ワイヤレスヘッドセット
ストレージエリアネットワーク(SAN) アプライアンス、OS、アプリケーション
ICAM(アイデンティティー/クレデンシャル/アクセス管理)ソフトウェア アイデンティティー管理システム、アイデンティティープロバイダーおよびフェデレーションサービス、認証局、アクセスブローカ、アクセス管理ソフトウェア、PKI(公開鍵インフラ)管理ソフトウェア
ICAMハードウェア ハードウェアセキュリティモジュール(HSM)、認証トークン、バッジ/カード、バッジ/カードリーダ
コラボレーションソフトウェア 電子メールクライアント、電子メールサーバ、会議システム、ファイル共有
データ データベース、SQLサーバ
エンドポイントセキュリティ パスワードマネジャー、アンチウイルス/アンチマルウェアソフトウェア、資産管理
エンタープライズセキュリティ 継続的診断・緩和(CDM)ツール、侵入検知/監視、インスペクションシステム、SIEM

 CISAは、PQC規格に移行しつつある製品カテゴリーについて、メーカーによるPQC機能の実装やテストを促すとともに、「OT(オペレーショナルテクノロジー)やIoT(Internet of Things)デバイスなど、従来のIT製品とは見なされないカテゴリーはこれらのリストから除外されているものの、同様にPQC規格への移行を進めるべきだ」と述べている。

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