【上級者向け】Windows 11の「隠し機能」を先取り! 未開放の新デザインを「ViVeTool」で有効化する方法Tech TIPS

Windows 11には、実装済みでも未公開の「隠し機能」が数多く眠っている。本Tech TIPSでは、Microsoftの内部ツールと同等の操作ができる「ViVeTool」を使い、新デザインの[スタート]メニューや最新のバッテリー表示を一足先に体験する手順を解説する。2026年最新の「Feature ID」リストも掲載する。

» 2026年03月04日 05時00分 公開
[小林章彦デジタルアドバンテージ]

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対象:Windows 11


公式未開放の新デザインを「ViVeTool」で今すぐ有効化する 公式未開放の新デザインを「ViVeTool」で今すぐ有効化する
Windows 11には、実装済みでも未公開の「隠し機能」が数多く眠っている。本Tech TIPSでは、Microsoftの内部ツールと同等の操作ができる「ViVeTool」を使い、新デザインの[スタート]メニューや最新のバッテリー表示を一足先に体験する手順を解説する。

 Windows 11には、既に実装されているにもかかわらず、まだ有効化されていない「隠し機能」が数多く存在する。Microsoftはこれらの機能を「段階的ロールアウト(Controlled Feature Rollout)」という仕組みで少しずつユーザーに開放しているが、自分のPCにいつ届くかは運次第である。

 そこで活躍するのが「ViVeTool」というオープンソースのコマンドラインツールだ。このツールを使えば、Microsoftが裏側で管理している「機能フラグ(Feature Flag)」を手動で切り替え、まだ自分のPCに届いていない新機能を試すことができる。

 本Tech TIPSでは、ViVeToolの導入から実際の操作方法までを解説し、具体例として 新デザインの[スタート]メニューを有効化する手順を紹介する。また、明らかになっているViVeToolで有効化の可能な機能の一覧を示す。

ViVeToolとは何か

 Windows 11は、内部に「Feature Store」と呼ばれる機能管理の仕組みを持っている。新機能には1つ1つ固有の「Feature ID(8桁の数字)」が割り当てられており、Microsoftのサーバからの指示によって有効/無効が制御されている。

 ViVeToolは、このFeature Storeに直接アクセスし、機能の「オン」「オフ」を切り替えることができるツールだ。レジストリを直接いじるようなものではなく、Windows公式のFeatureManager APIを通じて動作するため、「/reset」オプションでいつでも元の状態に戻せるのが特徴である。

 同様のツールとして、Microsoftから流出した「StagingTool」というものもある。これはViVeToolのようなサードパーティー製ではなく、Microsoft社内で実際にエンジニアが使用していた純正の内部ツールである。2023年8月に開催された「Bug Bash」と呼ばれるバグ探しイベントの際に、本来は社内テスター専用であったStagingToolのダウンロードリンクが流出したことから、瞬く間にインターネット上に拡散したものだ。

  StagingToolは、ViVeToolと機能的にほぼ同じだが、非公式に出回ったものであるため、更新などはされておらず、GitHubで公開されているもののソースコードは非公開となっている。そのため、入手元によっては改変されたファイルが紛れている危険性もあるので、ViVeToolを使う方が安全だろう。

ViVeToolを実行する前に復元ポイントを作成しよう

 隠し機能はあくまで実験的なものであるため、万一の不具合に備えて復元ポイントを作成しておくことを強く推奨する。また、可能であればテスト環境を用意して試すのが望ましい。

 復元ポイントは、[システムのプロパティ]ダイアログの[システムの保護]タブで作成できる。「設定」アプリから[システムのプロパティ]ダイアログを開くのは面倒なので、[Windows]+[R]キーを押して、[ファイル名を指定して実行]ダイアログを開き、以下のコマンドを実行するのが手っ取り早い。

SystemPropertiesProtection


[システムのプロパティ]ダイアログの[システムの保護]タブを開くコマンド

 [システムの保護]タブを開いたら、「システムの復元」欄の[システムの復元]ボタンをクリックして、[作成]ボタンをクリックして、復元ポイントを作成するとよい。「システムの復元」が有効になっていない場合は、「保護設定」欄の[構成]ボタンをクリックして、「システムの復元」を有効にしてから作成する。

復元ポイントを作成する(1) 復元ポイントを作成する(1)
[Windows]+[R]キーを押して、[ファイル名を指定して実行]ダイアログを開き、「SystemPropertiesProtection」コマンドを実行する。[システムのプロパティ]ダイアログが[システムの保護]タブを開いた状態で表示される。「システムの復元」が有効になっていない場合は、[構成]ボタンをクリックする。
復元ポイントを作成する(2) 復元ポイントを作成する(2)
[システムの保護対象]ダイアログが開いたら、「設定の復元」欄の「システムの保護を有効にする」をチェックして、[OK]ボタンをクリックする。これで「システムの復元」が利用できるようになる。
復元ポイントを作成する(3) 復元ポイントを作成する(3)
「保護設定」欄でシステムドライブを選択して、[作成]ボタンをクリックする。
復元ポイントを作成する(4) 復元ポイントを作成する(4)
復元ポイントの名前を入力して、[作成]ボタンをクリックする。作成が完了したらその旨を知らせるダイアログが表示されるので[OK]ボタンをクリックする。

 「システムの復元」が有効な状態ならば、管理者権限でPowerShellを起動して、以下のコマンドを実行してもよい。

Checkpoint-Computer -Description "ViVeTool導入前" -RestorePointType "MODIFY_SETTINGS"

システムの復元ポイントを作成するコマンドレット

ViVeToolのダウンロードと基本的な使い方

 GitHubの「ViVeTool」ページをWebブラウザで開き、最新版のZIPファイルをダウンロードする。

 原稿執筆時点の最新版は「ViVeTool v0,3.4」である。x64(Intel/AMD)の場合は「ViVeTool-v0.3.4-IntelAmd.zip」、Armの場合は「ViVeTool-v0.3.4-SnapdragonArm64.zip」をダウンロードすること。

 ZIPファイルを「C:\ViVeTool」フォルダなどに全て展開すれば準備は完了だ。インストーラーを実行してツールをインストールする必要はない。

ViVeToolを使えるようにする(1) ViVeToolを使えるようにする(1)
GitHubの「ViVeTool」ページを開き、ZIPファイルをダウンロードする。
ViVeToolを使えるようにする(2) ViVeToolを使えるようにする(2)
ダウンロードしたZIPファイルを右クリックして、表示されたメニューで[すべて展開]を選択する。
ViVeToolを使えるようにする(3) ViVeToolを使えるようにする(3)
展開先フォルダを選択するダイアログが表示されるので、「C:\ViVeTool」などを入力して、[展開]ボタンをクリックする。
ViVeToolを使えるようにする(4) ViVeToolを使えるようにする(4)
指定したフォルダを開き、ViVeTool.exeが展開されていれば準備完了だ。インストールウィザードなどでツールをインストールする必要はない。

ViVeToolの基本的な使い方

 ViVeToolの基本的な使い方を解説しておこう。管理者権限でWindowsターミナルを起動して、ZIPファイルを展開したViVeToolのフォルダに移動する。

 ここで「vivetool」(PowerShellの場合は「./vivetool」)と入力して[Enter]キーを押し、コマンドの一覧が表示されれば、ViVeToolの実行準備は完了だ。

 有効化したい機能の<Feature ID>を指定して、以下のコマンドを実行すればよい。

vivetool /enable /id:<Feature ID>


<Feature ID>を有効化するコマンド

 Windows 11を再起動後、<Feature ID>で指定した機能が有効化される。

 ViVeToolの主要なコマンドは下表の通りだ。

コマンド 説明
vivetool /enable /id:<Feature ID> 指定した機能を有効化する
vivetool /disable /id:<Feature ID> 指定した機能を無効化する
vivetool /reset /id:<Feature ID> 指定した機能をデフォルト(既定)状態に戻す
vivetool /query 現在変更されている機能フラグの状態を確認する
vivetool /fullreset 全てのカスタム設定をリセットする
ViVeToolの主要コマンド

 いずれのコマンドも、実行後にWindows 11の再起動が必要である。なお、カンマで区切って複数の<Feature ID>を指定すると同時に有効化できる。

vivetool /enable /id:<Feature ID1>,<Feature ID2>,……,<Feature IDn>


複数の<Feature ID>を同時に有効化するコマンドの例

実践:新デザインの[スタート]メニューを有効化してみる

 <Feature ID>で有効化できる機能は、Windows 11のバージョンやビルドによって異なる。更新プログラムの適用によって<Feature ID>が廃止されたり、変更されたりすることもあるので注意が必要だ。事前に「winver」コマンドを実行して、ビルド番号を確認しておくとよいだろう。

 ここでは具体例として、2025年11月のアップデートで導入された[スタート]メニューの新デザインを手動で有効化する手順を紹介する。この機能の<Feature ID>は「47205210」である。

 管理者権限でコマンドプロンプトを開き、「cd C:\ViVeTool」コマンドでViVeToolフォルダに移動してから、以下のコマンドを入力して[Enter]キーを押す。

vivetool /enable /id:47205210


[スタート]メニューの新デザインを手動で有効化するコマンド

 実行後、「Successfully set feature configuration(s)」というメッセージが表示されれば成功である。Windows 11を再起動すると、[スタート]メニューが新しいデザインになっているはずだ。ピン留めアプリやおすすめセクションの配置が刷新され、より整理されたデザインになる。

[スタート]メニューの新デザインをViVeToolで有効化する(1) [スタート]メニューの新デザインをViVeToolで有効化する(1)
Windows 11 2025 Update(バージョン25H2)の[スタート]メニュー(新デザイン適用前)の場合、アプリの一覧を表示するには右上の[すべて]ボタンをクリックする必要がある。
[スタート]メニューの新デザインをViVeToolで有効化する(2) [スタート]メニューの新デザインをViVeToolで有効化する(2)
管理者権限でWindowsターミナルのコマンドプロンプトを開き、上記のViVeToolコマンドを実行する。「Successfully……」と表示されたら成功だ。Windows 11を再起動する。
[スタート]メニューの新デザインをViVeToolで有効化する(3) [スタート]メニューの新デザインをViVeToolで有効化する(3)
再起動後、[スタート]メニューを開くと新デザインに変わっているはずだ。右上の[すべて]ボタンはなくなり、「おすすめ」欄の下に「すべて」欄が表示されるようになっている。
[スタート]メニューの新デザインをViVeToolで有効化する(4) [スタート]メニューの新デザインをViVeToolで有効化する(4)
「すべて」欄の「ビュー」を[一覧]に変更すると、アプリ名がアルファベット順に並んで表示される。

有効化した機能を元に戻したい場合

 新デザインが気に入らない、あるいは不具合が生じた場合は、以下のコマンドでMicrosoftのデフォルト状態にリセットできる。

vivetool /reset /id:47205210


有効化した[スタート]メニューの新デザインを元に戻すコマンド

 再起動すれば、Microsoftの通常のロールアウト状態に戻る。

【2025年〜2026年版】有効化可能なFeature ID一覧

 Windows 11製品版のユーザーが利用できる<Feature ID>の一覧を下表に示す。Windows 11 24H2/25H2の累積更新プログラムで段階ロールアウトされている機能が対象となっている。

 ただし、更新プログラムの適用状況などによってViVeToolで有効化しても機能が有効にならない場合もあるので注意してほしい。また、<Feature ID>が変更される場合もある点に注意が必要だ。

 下表で「機能バンドル」と記載されているものは、複数の小さな改善を1つの<Feature ID>にまとめたものだ。「機能バンドル」を有効化すると、含まれる全ての小機能が一度に有効化される。個別に何が含まれるかは、各月のアップデートの変更履歴を参照する必要がある。

Feature ID 対象機能 概要
58989002 機能バンドル(3月) ネットワーク速度テスト、カメラのパン&チルト、設定の新UIダイアログ、ZIP以 外への「すべて展開」対応など複数機能を一括有効化する
57741219 保護印刷モードの設定ダイアログ 設定アプリに「Windows保護印刷モード」の新しい管理画面が追加される
55994763 ウィジェット設定ページ ウィジェットに専用の設定ページが追加され、表示の細かいカスタマイズが可能になる
58988972 機能バンドル(2月) 2月の累積更新に含まれる段階ロールアウト機能をまとめて有効化する
2026年のアップデート

Feature ID 機能 概要
57048237 機能バンドル(12月) 12月の累積更新に含まれる段階ロールアウト機能をまとめて有効化する
59162732,55994763 ウィジェットのリデザイン ウィジェットパネルが全面刷新され、フルページ設定に対応する
41356296 タスクバー自動非表示の新アニメーション タスクバーの自動非表示時に、より滑らかなスライドアニメーションが適用される
45690266 エクスプローラーのクラウドファイル検索 OneDriveなどクラウド上のファイルをエクスプローラーから直接検索できるようになる
59265307 「設定」アプリの「バージョン情報」画面のリデザイン 「設定」アプリの「バージョン情報」画面が刷新され、デバイス情報がカード形式で見やすくなる
57882334 タスクバーからのウィンドウ共有 タスクバー上の任意のウィンドウを選んで、他のアプリやAI(人工知能)アシスタントと画面を共有できる
53343270 デバイス情報カード 「設定」アプリのホーム画面にデバイススペックの概要カードが表示される
57048231 機能バンドル(11月) 管理者保護機能、タスクバーの絵文字ボタンなど複数の新機能を一括有効化する
47205210 [スタート]メニューの新デザイン [スタート]メニューのレイアウトが大幅に刷新される
48433719 バッテリー残量パーセント表示 タスクバーの[バッテリー]アイコンに数値でパーセンテージが表示される
56328729 新[バッテリー]アイコン [バッテリー]アイコンのデザインが横長になり、残量の把握がしやすくなる
57048226 機能バンドル(10月) 10月の累積更新の段階ロールアウト機能を一括有効化する
57048218 機能バンドル(9月) 9月の累積更新の段階ロールアウト機能を一括有効化する
57048216 機能バンドル(8月) 8月の累積更新の段階ロールアウト機能を一括有効化する
2025年のアップデート

【トラブルシューティング】反映されない・不具合が出たときは?

 ViVeTool はWindowsの内部APIに直接アクセスする性質上、一部のセキュリティソフトウェアが「潜在的に危険」と判定する場合がある。しかしこれは誤検出であり、ツール自体は安全なものである。GitHub上でソースコードが公開されているので、気になる場合は確認するとよい。

 また、<Feature ID>がビルドに合っていない、またはMicrosoft側のバックエンド変更が未完了である場合は、ViVeToolで有効化しても機能が変更されない。また、有効化後すぐには反映されず、少し時間がかかるケースも報告されている。

 不具合が発生するなどした場合は、以下の3段階で対処するとよい。

  1. 「vivetool /reset /id:<Feature ID>」で該当機能をリセットし、再起動する
  2. それでも直らない場合は「vivetool /fullreset」で全設定をリセットする
  3. 事前に作成した復元ポイントからシステムを復元する

 ViVeTool は、Microsoftが段階的にロールアウトしている新機能を、待たずに自分のWindows 11上で試せる便利なツールだ。使い方もシンプルで、管理者権限のコマンドプロンプトからコマンドを1行実行するだけで済む。

 ただし、有効化できる機能にはあくまで実験段階のものが含まれるため、不具合のリスクはゼロではない。必ず事前に復元ポイントを作成し、問題が起きたら「/reset」や「/fullreset」オプションで速やかに元に戻すことを心掛けるとよい。

 新しい[スタート]メニューやバッテリーの表示など、日常的に目にするユーザーインタフェースの変化を一足先に体験できるのは楽しいものだ。興味のある方はぜひ試してみてほしい。

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