Vercelは、AIエージェント向けのコード実行環境「Vercel Sandbox」の一般提供(GA)を開始した。併せて、Vercel Sandbox CLIとSDKもオープンソースとして公開した。
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Vercelは2026年1月30日(米国時間)、AI(人工知能)エージェントがリポジトリのクローン、依存関係のインストール、テストを安全に実行できる「Vercel Sandbox」の一般提供(GA)を開始した。
併せて、Vercel Sandbox CLI(コマンドラインインタフェース)とSDK(ソフトウェア開発キット)をオープンソースとして公開し、コミュニティーがこのインフラストラクチャを活用できるようにしたという。
従来のコンピューティング環境は人間が介在することを前提としており、実行環境のプロビジョニングや構成に数分かかることが一般的だった。
これに対し、環境の起動・コード実行・破棄というサイクルを短時間で繰り返すAIエージェントには、高速で起動し、信頼できないコードを安全に実行でき、タスク完了時には消滅するようなセキュアで分離された環境が求められている。
Vercelはこれまで、フロントエンドのデプロイ処理において同課題の解決を図ってきたという。同社は、1日当たり270万件以上のデプロイを処理しており、各デプロイでは分離されたmicroVM(マイクロ仮想マシン)を起動し、ユーザーコードを実行した後、数秒で消滅させている。
この処理を大規模に実現するため、「Hive」というコードネームの独自コンピューティングプラットフォームを構築した。Amazon Web Services(AWS)が開発した仮想化ソフトウェア「Firecracker」をベースとしたこのプラットフォームは、軽量のmicroVMを複数のリージョンにわたってオーケストレーションする。
Vercel Sandboxは、このインフラストラクチャをAIエージェント向けに応用して提供するものだ。
Vercel Sandboxは、オンデマンドで起動するマイクロ仮想マシンを提供する。各サンドボックスは独自のファイルシステム、ネットワーク、プロセス空間を持ち、完全に分離されている。ユーザーはsudoアクセスやパッケージマネジャーを利用でき、通常のLinuxマシンと同様のコマンドを実行可能だ。
AIエージェント向けの主な機能として、以下が挙げられる。
サンドボックスは「使い捨て」を前提とした設計となっており、必要な間だけ実行し、自動的にシャットダウンする。課金はアクティブなCPU時間のみで、アイドル時間は課金されない。
Roo Codeは、Slack、Linear、GitHub、Webインタフェース全体で動作するAIコーディングエージェントを構築している。同社によると、エージェントは完全環境内で動作し、レビュー前にエンドツーエンドで変更をテストできる利点があるという。また、スナップショット機能により、タスクの途中状態を保存し、後から再開することも可能だ。
BLACKBOX AIは、単一のAPIで複数のAIコーディングエージェントを統合するオーケストレーションプラットフォーム「Agents HQ」を構築している。同社はミリ秒単位でのサンドボックス初期化により、迅速なタスクの分散処理やエンドツーエンドの実行レイテンシ(遅延)削減が可能になったとしている。
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