Havanaの新プロダクトを盛り込んだ「SUSE Cloud 3」はVMwareをフルサポート:OpenStack情報アップデート
OpenStack HavanaをベースにしたSUSE Cloud 3がリリース。OpenStackエコシステムを活用しやすい実装が盛り込まれた。
SUSEは2014年2月20日、IaaSプライベートクラウド構築のためのOpenStackディストリビューション最新版「SUSE Cloud 3」の正式リリースを発表した。VMware vSphereをフルサポートし、既存の仮想データセンターにプライベートクラウドを導入する際のコスト削減と柔軟性の向上を図っている。
SUSE Cloud 3は「OpenStack Havana」をベースとして、オーケストレーション機能の「Orchestration(Heat)」やメータリング機能の「Telemetry(Ceilometer)」をフルサポートした。
Orchestrationモジュールでは定義済みのテンプレートに基づき複数の仮想マシンのコントロールや調整を自動化できる。Telemetryではインフラリソースやユーザーによる使用状況を測定し、クラウド活動のメータリングやモニタが可能。例えばTelemetryモジュールとOrchestrationの自動スケーリングサービスを組み合わせれば、必要に応じたリソースのプロビジョニングやプロビジョニング解除が可能になるという。
VMware vSphereのサポートは、「VMware vCenter Server」との統合を通じて実現した。さらにEMCが提供するOpenStackドライバも組み込まれ、EMCのストレージアレイ「VNX」が活用できるようになった。
また、インストールや管理の簡素化を図るため、クラウドインフラの管理と導入を自動化する「Crowbar」ベースのインストールフレームワークを搭載。クラウドパートナーとの関係では「OpenStack Block Storage」(Cinder)や「OpenStack Networking」(Neutron)および両プロジェクトのプラグインモデルをサポートしたほか、全てのOpenStack APIのサポートを通じ、パートナー各社のソリューションが導入しやすくなっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- シトリックスが事業戦略説明会を実施:モバイルワークスタイルはもはや幻想でなく実現可能な現実
シトリックスが、2014年度の事業戦略説明会を実施。同社代表取締役社長 マイケル・キング(Michael King)氏は今年の注力キーワードとして“モバイル・ワークスペース”を挙げた。 - Server & Storageイベントレポート:OpenStackはハイブリッドクラウドの標準になるか
OpenStack Tokyo 2014が開催された。会場で聞こえてきたのは、いま、まさにクラウドネイティブなアーキテクチャ、標準アーキテクチャが必要である、という意見だ。 - 部品でアプリケーションをつくる世界へ:日本IBMは「オープンクラウド」をどう進めようとしているか
日本IBMは2月7日、「オープンクラウド」の推進を中核とした事業戦略を発表し、部品でアプリケーションを構築できる世界がほぼ実現していることを、デモで説明した。 - 日本人エンジニアも育てたい:オープンソースOpenStackのトレーニングやインテグレーションの企業が設立
OpenStackを中心としたクラウド関連オープンソースソフトウェアのトレーニング、およびOpenStack関連のシステムインテグレーションを行う子会社、アセアン・ラボの設立が、2月6日に発表された。 - プライベートクラウドをめぐる誤解(1):「プライベートクラウド」という言葉は要らないのか
「プライベートクラウドは時代錯誤な考え方である」「仮想化=プライベートクラウドである」「プライベートクラウドは特定のベンダーや製品の宣伝文句」「クラウドの運用など自社にはできない」といった意見は「思い違い」。各ポイントに関する解説を通じて、プライベートクラウドの本質に迫る。 - 「オープンな仮想ネットワーキングを推進」:他社との連携を強めるミドクラの狙い
SDNの世界は、ONF(Open Networking Foundation)、OpenStackプロジェクト、OpenDaylightプロジェクト、Open Computeプロジェクトなどの動きが絡み合い、ますます複雑化する様相を呈している。その中で、ミドクラはどう動こうとしているのか。ミドクラ会長の加藤隆哉氏に聞いた。 - 国内企業の関心は高い:レッドハット、OpenStack/仮想化の最新製品を説明
レッドハットは1月28日、米国本社が1月22日、全世界的な提供開始を発表したOpenStack/仮想化製品の最新版について説明した。国内企業におけるOpenStack製品の導入例が出始めているという。 - 仮想化、OpenStackからクラウド管理までカバー:米レッドハットが部門再編、IaaS事業に本腰
米レッドハットは従来のプロダクツ&テクノロジーズ部門を再編し、インフラおよびIaaS事業を統括するインフラストラクチャ部門を新設した。ブラックダックソフトウェアの最高経営責任者を務めていたティム・イートン氏が責任者を務める。 - たまおきのクラウドウォッチ(2014年1月版):2013年のOpenStackまとめ/OpenStackコンポーネント解説「Swift」とは
OpenStackへの業界の期待を裏付ける動きが多数あった2013年。その中でも注目すべき3つのトピックを振り返って現状を整理しておきましょう。後半では、オブジェクトストレージ部分のコンポーネントであるSwiftについて解説します。 - JobSchedulerを活用したこれからの運用自動化(4):ジョブの作成や管理に便利な付属ツール
今回はちょっと目先を変えて、ジョブの作成や管理に便利なJobSchedulerの付属ツールを幾つか紹介します。