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工夫、工夫そして工夫――Hardening 10 APAC“運営”レポート川口洋のセキュリティ・プライベート・アイズ(50)(3/3 ページ)

沖縄は今日もアツかった。2014年6月に開催した「Hardening 10 APAC」、運営チームはこんなことを考えながら、妄想を現実のものにしていたのです。

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「iromame7」の暗躍と、多くの方々の協力と

 競技を進めるkuromame6の裏側では、オヤジ軍団「iromame7」がイベントを盛り上げるべく暗躍していました。実は競技の面ばかりが注目されるHardening Projectですが、イベントを確実に開催するべく、裏側で暗躍しているiromame7の存在が重要なのです。


さまざまな方に協力していただきました

 iromame7の調整により、今回なんと、内閣府 沖縄総合事務局さまに共催をしていただけることになりました。Hardening Project初の沖縄開催にもかかわらず、無事に開催することができたのも内閣府沖縄総合事務局の方々のご協力があってのことです。沖縄の事情に不慣れなわれわれに、さまざまなご配慮をいただきました。そして毎回ご協力していただいているスポンサー企業の方々にも大きな力添えを頂いています。安全なWebサイトを作り、広めたいという思いに共感していただき、さまざまな形でご協力を頂きました。

 Hardening Day当日を盛り上げるべく、オンラインカンファレンスも開催されます。映像担当はもちろんラックの山城くん。今回も普段使うことのできない機材をレンタルしてウキウキでUstream配信を行ってくれました。同じ会社の人間として彼が普段何の仕事をしているのか分からなくなるときがあります(笑)。

 そして、そのオンラインカンファレンスの中身を盛り上げてくれるのが門林実行委員長と岡田社長(こちらは本物の社長)です。いつもの軽快なトークで参加者をいじりつつ、競技を実況しつつ、インターネットの向こう側にいる視聴者を巻き込んで盛り上げます。

 本当は参加者もkuromame6もゆっくりこのトークを聞いていたいのですが、現実はそれどころではありません。必死に対応しているが故に、楽しいコンテンツをほとんど聞くことができません。


「守る」技術について熱く語る門林実行委員長

かりゆしがとても似合う、テックスタイル岡田社長

本職が何だか分からなくなる映像配信担当、ラックの山城君

かっこいい進捗状況掲示システム(山城作)

お弁当

 競技中に提供されるお弁当も絶品でした。参加者の多くは「お弁当を食べているどころではない」という状況の中、「お弁当を食べることも競技に含まれています」と言わんばかりのiromame7のプレッシャーがかかりましたが、沖縄の味を含む30品目の美味なお弁当でした。願わくはゆっくり味わえる状況で食べたかったと思ったのは参加者だけではありません。kuromame6も同じ思いです。

 競技会場に張り詰めた空気をときほぐすべく、会場にはコーヒーとクッキーが提供されていました。コーヒーもただのコーヒーではありません。沖縄で自家焙煎珈琲豆宅配専門店を営んでいるバリスタの奥武さんに会場に来ていただいて、その場でコーヒーを入れていただきました。クッキーはオーナーパティシエの田島さんに前日から大量に仕込んでいただき会場に持ってきていただきました。

 沖縄で活躍しているお二人を競技会場にお招きしたことで、沖縄開催であることの意味がいっそう高まりました。実は私は競技に追われており、お二人の顔を拝むことなく終わってしまいました。それが今回の競技で残念なことでした。


コーヒーとクッキー

【関連リンク】

HOME COFFEE 沖縄 〜自家焙煎珈琲豆宅配専門店〜

http://homecoffee.ti-da.net/

デザートラボショコラ

http://www.chocolat2007.jp/


そして、“ツー”のその先のHardeningへ

 kuromame6が仕込んだシナリオによって、参加された方はさまざまな苦労や課題も見つかったかもしれませんが、Hardening 10 APACで狙った、新たなコラボレーションを満喫していただけたのではないかと思っています。

 気が付けば構想を言い出してから3カ月、信じられないスピードで開催が決まり、無事にHardening 10 APACを開催することができました。Hardening Projectはさまざまな組織の人間が集まっており、会社の組織の中でやっている仕事とはまた違った楽しさがあります。特にこの実行スピードや求められるあうんの呼吸、クオリティに関する要求度合いはこのようなコラボレーション組織独特のもので、自分自身とても刺激になりました。

 実はこのHardening 10 APACの開催地が沖縄に決まったのは、2014年3月に開催された「OWASP Global AppSec APAC 2014」の場で、Hardening Projectメンバーが集まっているところで「次は沖縄でやりましょうよ。沖縄!」と私が言い出したことから始まっています。開催準備に追われているうちに、そんなことはすっかり忘れていまして、沖縄開催中にやっと思い出しました。

 私の半ばノリのような発言で沖縄開催を実現してしまうHardening Projectメンバーにほれぼれしつつ、次回、2014年11月8日に開催する、新たなHardeningの作戦会議のために、今夜も飲みに行くのでした。

【関連リンク】

4回目を数えた「守る」技術のコンテスト:

沖縄の暑さに負けない熱戦を繰り広げた「Hardening 10 APAC」

http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1407/04/news101.html


著者プロフィール

川口 洋(かわぐち ひろし)

株式会社ラック

チーフエバンジェリスト

CISSP

ラック入社後、IDSやファイアウォールなどの運用・管理業務を経て、セキュリティアナリストとして、JSOC監視サービスに従事し、日々セキュリティインシデントに対応。

チーフエバンジェリストとして、セキュリティオペレーションに関する研究、ITインフラのリスクに関する情報提供、啓発活動を行っている。Black Hat Japan、PacSec、Internet Week、情報セキュリティEXPO、サイバーテロ対策協議会などで講演し、安全なITネットワークの実現を目指して日夜奮闘中。

2010年〜2011年、セキュリティ&プログラミングキャンプの講師として未来ある若者の指導に当たる。2012年、最高の「守る」技術を持つトップエンジニアを発掘・顕彰する技術競技会「Hardening」のスタッフとしても参加し、ITシステム運用にかかわる全ての人の能力向上のための活動も行っている。


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