「過去に経験のない」規模の基幹業務DBアップグレード、住友重機械工業の選択:検証コストの大幅削減と作業効率化を実現(2/4 ページ)
住友重機械工業は先ごろ、生産管理システムなどで利用する約30のOracle Databaseを11g R2にアップグレード。オラクルの支援ツール群を活用した標準化アプローチにより、検証コストの大幅削減と作業効率化を実現した。[運用管理効率化][Oracle Enterprise Manager][Data Integration]
手法を策定する基盤/技術チームと個別アプリケーション担当で役割を分担
これらの課題も考慮してプロジェクトの枠組みを検討した住友重機械工業は、コスト削減目標と併せて、品質面の目標も定める。その目標とは、「重要度の高い機能で障害を発生させない」ことと、「万が一、障害が発生した場合でも、1営業日中に修正できる手段を準備する」ことである。
この目標を達成すべく、同社はプロジェクトの実施計画を立案。先述した体制面の課題に関しては、「プロジェクト全体計画の推進と技術サポート」と「個別アプリケーションのアップグレード」で大きく役割を分担する方針を決める。前者をミドルウェアやサーバーを管理するチームと開発技術の標準化を推進するチーム(以下、基盤/技術チーム)が担い、同チームが立てた全体計画に従い、各拠点のアプリケーション担当者が後者の作業を行うのである。
この役割分担の下、基盤/技術チームは作業の効率化を図るために「テスト対象の絞り込み」と「ツールによる効率化」を検討する。「テスト対象の絞り込み」については、アプリケーションの全機能をテストするのではなく、「2:8の法則」(重要な2割の部分の品質を確保すれば、全体の8割の品質を担保できるとの考え)に基づき、利用頻度や複雑度、重要度の高い2割の部分を重点的にテストすることにした。
住友重機械工業の共管部門を担う子会社の住友重機械ビジネスアソシエイツで、住友重機械工業グループのシステム企画から運用管理までを行う部門に所属し、今回のアップグレードプロジェクトで基盤/技術チームの一員として推進役を務めた情報システム部ビジネスプロセス変革グループ 技師の大越祟之氏は次のように語る。
「本来なら、全ての機能を検証したいところですが、それでは目標とするコスト削減を達成できません。そこで、思い切ってテスト対象を絞り込むことにしました。実際、これまでのアップグレードプロジェクトでも、検証の際に見つかった不具合は全体の数%程度です。また、近年はアップグレードの影響を手軽に確認できるツールが登場しており、海外のオラクルユーザーはそれらのツールも活用し、手間とコストを掛けず効率的にデータベースアップグレードを実施しているといいます。それならば、私たちもチャレンジすべきだと考えたのです」(大越氏)。
重点的にテストする2割の部分については、基盤/技術チームが定量的な情報(アクセスログなど)を基に洗い出し、それを参考にして各アプリケーション担当者が最終決定した。
提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2014年9月3日
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