DBシステムの可用性を高めるベストプラクティス「Oracle Maximum Availability Architecture」:要件に応じて適正なコストで高可用性システムを実現(2/2 ページ)
ITがビジネスに不可欠の存在となった今日、システムのダウンタイムやデータ損失が企業に与える影響は増大の一途をたどっている。そうした中、オラクルは高可用性システム実現のベストプラクティスとして「Oracle Maximum Availability Architecture」を提供している。[高可用性/災害対策]
バックアップの煩雑さを一掃する「Oracle Zero Data Loss Recovery Appliance」
前述したブロンズからプラチナまで、全てのレベルで必須のHA対策に「バックアップ」がある。これに関しては、従来さまざまなソリューションが提供されてきたが、「依然として、多くの企業がバックアップに関して課題を抱えています」とレイ氏は指摘する。
「お客さまを対象に実施したアンケートの結果から、増え続けるバックアップデータの管理やバックアップ時間の増大、リカバリ手順の複雑さなど、バックアップに関して数多くの問題を抱えていることが分かりました。そこで、バックアップに関する諸問題を解消するために新たに開発したエンジニアド・システムズが『Zero Data Loss Recovery Appliance(以下、Recovery Appliance)』です。Recovery Applianceでは、通常のバックアップに加えてリアルタイムのREDOログを保持することで、データ損失を極少化し、障害発生時点へ迅速に復元することが可能となっています」(レイ氏)
バックアップでは、フルバックアップと差分バックアップを組み合わせて行うのが一般的だが、Recovery Applianceでは初めに一度だけフルバックアップを実施すると、その後は増分バックアップだけを行う。また、リストアの際には、どの時点のデータを復元するかを指定するだけでよく、煩雑な作業は一切不要だという。
「Recovery Applianceでは『Delta Store(デルタストア)』という仕組みにより、変更が生じたデータベースブロックだけを記録します。Delta Store上では、増分データを基に仮想的なフルバックアップイメージが毎日作成されるため、簡単な指定を行うだけでリストアを実行できるのです」(レイ氏)
なお、全てのバックアップはデータベースブロックに破損がないことをチェックした上で圧縮/保存されるため、ストレージ利用効率を一般的なバックアップソリューションの10倍程度にまで高められるという。
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ゴールドレベルの可用性は、「Oracle Active Data Guard」「Oracle GoldenGate」といった製品によって実現される。
Oracle Active Data Guardはレプリケーションとフェイルオーバーの機能を提供する製品だが、これを使うことで、リアルタイムのトランザクション処理はプライマリサイトで行いつつ、購入履歴の参照やリポート作成などのデータ更新が発生しない読み取り処理はセカンダリサイトで行うといったことをアプリケーションの修正なしで実現できる。
また、そこにOracle GoldenGateを追加することで、柔軟なレプリケーションが可能になる。一部のテーブルだけを対象にした論理的なレプリケーションが行える他、Oracle Database以外のデータベースが含まれる複合的なデータベース環境でもレプリケーションを行うことが可能だ。
最も高い可用性を実現するプラチナレベルでは、サイト間の距離にかかわらずデータ損失ゼロを実現することが鍵となる。
通常、遠隔サイトとのレプリケーションは、性能劣化を防ぐために非同期で行われる。この場合、障害発生時にセカンダリサイトでコミットされていないデータは失われることになる。
これを防ぐために、Oracle MAAでは「Oracle Database 12c」で導入された「Oracle Active Data Guard Far Sync」を利用する。
「これは、プライマリサイトとの同期処理が可能な距離でFar Sync(Far Syncインスタンス)を動作させ、セカンダリサイトとの中継を行うという仕組みです。プライマリサイトがダウンした場合でもFar Syncインスタンス上の最終更新データがセカンダリサイトに反映されるため、セカンダリサイトが遠距離にあってもデータ損失ゼロを実現できるわけです。Far Syncインスタンスは受け取った変更を中継するだけで保持はしないため、比較的、小規模な構成で利用できます」(レイ氏)
このように、Oracle MAAには、企業が求めるレベルの可用性を、無駄なく適正なコストで実現すべく、オラクルが持つ最新の技術/製品が投入されている。データベースシステムの新規構築、あるいは既存データベースシステムの可用性向上を検討する際には、ぜひOracle MAAの活用をご検討いただきたい。
提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2015年5月22日
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