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リコーが次期統合IT基盤の1つにOracle Exadataを採用 保守コストを2割削減し、バッチ処理は27倍高速化Database Cloudも活用し、移行期間を大幅短縮(2/3 ページ)

リコーは先頃、セントラルウェアハウスや業績管理などの3システムを「Oracle Exadata」に移行した。パブリッククラウドやマルチテナントなどオラクルの最新テクノロジーも活用したデータベース移行により、同社は保守コストの大幅削減や性能向上など多くの成果を得たという。[プライベートクラウド/データベース統合][Engineered System]

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スキーマ統合の弱点はマルチテナントで解消 既存環境の課題を解決するべくOracle Exadataを選定

 この検討を進める中で「性能/運用の要件が厳しいシステムは安易に統合できない」「そもそもシステムの可搬性が低いため、移行に多くのコストがかかる」といった課題が浮上するが、それらを解決するために宮腰氏が注目したのがOracle Database 12cで導入されたマルチテナント機能(Oracle Multitenant)である。リコーにとってのマルチテナント機能のメリットを、宮腰氏は次のように説明する。

 「統合OracleサーバはRAC構成、HA構成、冗長化なしの3パターンがありますが、実はインスタンスの数はそれほど多くありません。それぞれのインスタンスでスキーマ統合することによって集約しているからです。ただし、スキーマ統合ではインスタンスを停止した際、全てのスキーマが停止するため、停止時間の調整が難しいという問題に悩まされます。これを何とかできないかと調査する中で、マルチテナント機能が解決策になるのではないかと考えました」

リコーが目指す、「これからのDB利用のあるべき姿」

 そこで、宮腰氏らは現状の課題をあらためて洗い出し、日本オラクルのスタッフも交えて、その解決策を練る作業に取りかかる。例えば、「特殊な性能要件のシステムには個別に対応する」という課題については、「Oracle Exadataに備わるExadata SmartScanやExadata I/O Resource Managerが有効な解決策になる」といった具合だ。Exadata SmartScanは問い合わせに対して結果となる行や列だけをストレージからデータベースに返すことで内部的に転送するデータ量を大きく減らし、大規模データベースシステムで深刻な問題となるストレージI/Oのボトルネックを解消する技術だ。また、Exadata I/O Resource ManagerはワークロードごとのI/Oリソースを動的に制御し、各データベースのレスポンスを適正に保つ技術である。

DB刷新に向けた課題整理と解決策

 これらの検討を重ねた結果、最終的に「Oracle Exadataの導入がベスト」だと判断し、情報系の統合データベース基盤として導入することを決める。

データベースの継続的な性能改善にSQL Tuning Advisorを活用

 Oracle Exadata上で実行するデータベースについては、最新のOracle Database 12cを採用した。その理由について、宮腰氏は「まずマルチテナント機能に非常に興味があり、積極的に活用したかった」と説明する。なお、Oracle Exadataを導入する際には従来のプラットフォームとのコスト面での比較も行ったが「Oracle Exadataのほうが若干安かったこともあり、最終的にOracle Database 12cとOracle Exadataの組み合わせに決めました」と宮腰氏。

 実際に導入したのはOracle Exadata X6-2 Eighth Rackであり、1次バックアップのために「Oracle ZFS Storage ZS3-2」がInfiniBandによって接続されている。また、「Oracle StorageTek SL150 Tape Library」を組み合わせることで遠隔地保管も可能とした。

リコーグループの新たな統合DB基盤構成

 データベース管理のために「Oracle Enterprise Manager 13c」も導入した。

 「ハードウェアからソフトウェアまで、オラクル環境に関してさまざまな情報を得られるほか、オプション機能のSQL Tuning Advisorを使うことでデータベースチューニングのアドバイスまで得られると知り、導入を決めました。現在はシステムがカットオーバーしたばかりであり、実際の効果を検証するのはこれからですが、SQL Tuning Advisorを活用すればSQLについて高いスキルがなくても容易にチューニングが行えるとのことなので、これには大いに期待しています」(宮腰氏)

Oracle Enterprise Manager 13cによるExadata管理
Oracle Enterprise Manager 13cによる監視&自動チューニング

提供:日本オラクル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2017年4月15日

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