大分編:別府に支社を作ったら、別府も緩やかに変化する――移住と仕事の相乗効果:ITエンジニア U&Iターンの理想と現実(39)(2/3 ページ)
温泉付き一軒家「フロムーン」で短期移住体験はいかが?――ご当地ライターがリアルな情報をつづる「UIターンの理想と現実」、大分編第3回は、別府の移住支援事情、地方に支社を作ることの意義などをお届けします。
移住サポーターインタビュー
移住のサポートをしているのは、役所だけではありません。民間にもさまざまな方々がいらっしゃいます。その中のお一人、創業&起業をサポートする施設「Alliance Social Share Office Beppu」の宮井智史さんにお話を伺いました。
宮井智史さん カメラを向けると必ずこのような表情でポーズをキメてくれるオチャメな人です。知り合ってから2年ぐらいたちますが、初めて「この人まじめに働いてたんだなぁ」と思いました。「いつも居酒屋でビールを飲んでいる明るいおじさん」だとばかり思っていましたので……
宮井さんは別府への移住支援や起業支援などをされていますが、具体的にはどのようなことをされているのですか?
さまざまな支援活動をしています。最近は「移住ドラフト会議」に参加しました。「こういうことで起業したい」「こういう場所に住みたい」と考えている移住希望者に、いろいろな地方がプレゼンし合うイベントです。
移住支援で心掛けていることは、ありますか?
僕は「移住支援」とは「どこか別の場所に住みたい人が本当に満足できる場所を紹介して差し上げられること」だと考えています。
移住ってそんなに簡単に決められることではないですよね。だから移住希望者は、「取りあえず遊びに来る」でいいと思います。
遊びに来る感覚で移住を考えるというのは面白いですね。ただ、遊びに来てみて良い場所だったとしても、移住となると仕事の問題が出てきますよね。
はい。仕事がないところにいきなり移住するのは、普通は無理です。移住には必ず就職を結び付けないといけないと思います。
例えば、そこにいらっしゃる方(インタビューしていた場所の近くの席で作業されていた方)は、建築系の仕事に従事されていて、Uターンで別府に帰ってきたのですが、今度長野県に行かれるんです。
なぜ、長野に行かれるのですか?
長野に仕事があったので、行くことにしました。
なるほど。やはり仕事は重要ですね……。
宮井さんは、移住と就職を結び付けるためにどのようなことをされているのですか?
正直、かなり難しいです。その人がやりたい仕事が別府にないことも多いので。
対策は幾つかあります。例えば、「職種はこだわらないから仕事が欲しい」方向けには、古くから別府にあるお店の跡継ぎ職を紹介するようなことも考えています。
起業支援も行っています。Alliance Social Share Office Beppuに集まっている人たちはさまざまなスキルを持っています。そのスキルを組み合わせて新しいものを作ったり、お互いに仕事を与えあったりもしています。
簡単な仕事でもいいので別府で気軽に働ける場があれば、「仕事ついでに別府に遊びに行く」こともできるようになります。「移住しないといけない」ではなく、まずは「小さなことから別府に来てもらう」ようにしていくことが大事だと考えています。
別府に移住してみたい人は、宮井さんに相談してもいいのでしょうか?
もちろんです。北海道の方から相談されたこともあります。「起業に関して知りたい」でもいいですし、「温泉について知りたい」でもいいです。僕は温泉の知識はそんなにありませんが、別府にたくさんいる温泉名人を紹介できます。
専門家や経験者を紹介するなどのさまざまなアプローチがありますので、ご相談いただくのは大いにウエルカムです。
一緒に飲み行きましょう!
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