2018年、Windowsの重大ニュース……それはWindows Update問題:山市良のうぃんどうず日記(143:年末特別編)(1/3 ページ)
2018年ももう終わりが近づいてきました。Windowsを使用してきたこの1年を振り返ってみると、Windows Updateに始まり、Windows Updateに振り回された年だったような気がします。2018年の最後も、Windows Updateで締めくくりたいと思います。
本連載のこの1年、いったい何があったのか?
本連載の1年を振り返ってみると、実に6割(今回の記事を含め28回中17回)は「Windows Update」に関連する話題でした。特に、Windows 10の「品質更新プログラム」や「機能更新プログラム」の問題(更新プログラムが原因の別のトラブル、意図せぬアップグレードなど)、Windows Updateの実行自身に関係するトラブル(終わらない、時間がかかるなど)、分かりにくい更新プログラムやサポートポリシーの解説などに多くの回を割いてきました。この1年に限って言えば、連載タイトルは「山市良のうぃんどうず日記」ではなく、「山市良のうぃんどうずあっぷでーと日記」の方がよかったかもしれません。
2018年、Windows Updateに関連した記事
- 年の初めに再確認、2018年にサポートが終了するMicrosoft製品は?(第116回、2018年1月11日公開)
- 緊急パッチだけではプロセッサ脆弱性対策は不十分――Spectre&Meltdown対策状況を再チェック(第117回、2018年1月17日公開)
- 君は100%?――Windows 10仮想マシンで発生した原因不明のCPU使用率問題(第118回、2018年1月30日公開)
- はじめてのWindows 10入門講座――最新OSとうまく付き合っていく方法(第119回、2018年1月17日公開)
- 削除してもゾンビのようによみがえる、手ごわいWindows 10更新アシスタント(Update Assistant)(第121回、2018年3月6日公開)
- フルバックアップからのWindows 10の復元が失敗!? でもそれが最後の希望だとしたら……(第122回、2018年3月20日公開)
- これは戦いだ! Windows 10のWindows Updateにはやられる前にや……(第124回、2018年4月17日公開)
- 初夏のWindows 10まつり、Windows 10 April 2018 Updateがやってきた!――機能更新はやれるときに済まそう(第126回、2018年5月9日公開)
- Windows Updateは適切な更新サイクルで――CredSSP脆弱性対策について(第127回、2018年5月15日公開)
- アップグレードの道が絶たれたPCはWindows 10 April 2018 Updateの夢を見るか?(第128回、2018年6月1日公開)
- 続・フルバックアップからのWindows 10の復元が失敗!? でもそれが最後の希望だとしたら……(第129回、2018年6月12日公開)
- 続・進まないWindows Update、やっぱり止まっていなかった(第131回、2018年7月10日公開)
- 半期チャネルにWindows 10 バージョン1803の機能更新プログラムがやってきた(第132回、2018年7月24日公開)
- セーフモードでもWindows Updateしたい──Windows 10の場合(第135回、2018年9月4日公開)
- Windows 10 October 2018 Updateがやってきた? やってこない?(第138回、2018年10月16日公開)
- Windows 10のWindows Updateでやってくる「更新プログラム」をまとめてみよう(第139回、2018年10月30日公開)
Windows 10の品質更新プログラムを含め、Windowsのセキュリティ更新プログラムとセキュリティ以外の更新プログラムに関しては、2018年年明け早々の「プロセッサの脆弱(ぜいじゃく)性に関係するセキュリティ更新の緊急配布」(第117回、第118回)、3〜5月に段階的に行われた「リモートデスクトップ接続に関係するセキュリティ強化」(第127回)が、多くのユーザーに少なからず影響したと思います。
本連載では取り上げませんでしたが、2018年1月のOfficeの更新プログラムで、脆弱性を理由に「数式エディターv3」が予告なく、機能ごと削除されるということもありました。
Windows 10の“事実上のアップグレードインストール”である「機能更新プログラム」については、筆者が2月に実際に経験した、意図しない延期設定を無視した半強制的なアップグレードには少し怒りさえ覚えました(第121回)。
10月にリリースされ、11月に再リリースされた「Windows 10 October 2018 Update(バージョン1809)」の騒動は、まだ記憶に新しいと思います。記憶に新しいというよりも、この騒動は“現在進行形”であり、Windows Updateを通じてこの機能更新プログラムを既に受け取った人はまだごく少数のようです。後4カ月もすれば次のバージョン(「19H1」と呼ばれるバージョン1903、バージョン番号は予定、時期は未定)がリリースされると思うと、「サービスとしてのWindows(Windows as a Service:WaaS)」はこの先、大丈夫なのか不安になります。
Windows 10 バージョン1809のドタバタは現在も進行中!
既にWindows 10 バージョン1809を利用しているユーザーの中には、12月初めにWindows Updateの「更新プログラムのチェック」をクリックして検出された更新プログラム、あるいはその時期に自動更新でインストールされた更新プログラムに、何か気が付いたことはないでしょうか。Windows 10 バージョン1809に対しては、12月5日(米国時間)に以下の3つの品質更新プログラムがリリースされました(画面1)。
- 2018-11 x64(x86)ベースシステム用Windows 10 Version 1809の累積更新プログラム(KB4469342)
- 2018-12 x64(x86)ベースシステム用Windows 10 Version 1809セキュリティ更新プログラム(Adobe Flash Player対応)(KB4471331)
- 2018-11 Preview of Cumulative Update for .NET Framework 3.5 and 4.7.2 for Windows 10 Version 1809(KB4469041)
多くの方が、次の2つの点に気が付いたと思います。一つは、12月にリリースされたにもかかわらず「2018-11」という名前を冠した更新プログラムが2つあること。そしてもう一つは、「Preview of Cumulative Update for .NET Framework」という見慣れない名前の更新プログラムが提供されたことです。
1つ目の「KB4469342」はOSビルド17763.168に更新する累積更新プログラム、2つ目の「KB4471331」はAdobe Flash Playerの緊急の脆弱性に対応した当時の最新バージョン32.0.0.101、3つ目の「KB4469041」はWindows 10 バージョン1809の.NET Frameworkの累積更新プログラムです。
Windows 10 バージョン1803以前は、.NET Frameworkの更新はWindows 10の累積更新プログラムに含まれていましたが、Windows 10 バージョン1809からは.NET Frameworkの更新プログラムとして分離されました。その初めての更新プログラムです。
Windows 10にWindows Updateで提供される更新プログラムの種類やタイミング、Windows 10 バージョン1809からの.NET Frameworkの更新の分離については、第139回で説明を試みました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 特集「Windows Server 2008/2008 R2 サポート終了対策ポータル」
なぜ、Windows 10のWindows Updateは嫌われているのか?
前回に続き、今回も「Windows Update」に関する話題です。Windows 10のWindows Updateはなぜ不評なのか、良いところはないのか。そして、現状の問題点について取り上げます。Windows Updateの不都合な現実
2018年7月11日の定例のWindows Updateは、更新プログラムが提供された全てのWindowsに共通の既知の問題が複数あり、翌週17日にその問題を修正する更新プログラムが提供されました。そこから見えてくる、Windows Updateの問題点とは?【Windows 10】Windows Updateを手動で実行する方法
しばらく使っていなかったPCなどは、セキュリティを高めるために早めに更新プログラムを適用しよう。その場合、Windows Updateを手動で実行すればよい。Windows 10でWindows Updateを手動で実行する方法を紹介する。Windows 10でWindows Updateによる「更新」はどう変わったのか?
Windows 10では機能の追加や更新のスキームが変わり、短い期間でマイナーアップデートを繰り返すようになる。その一方で企業ユーザーのために、極力機能を追加/変更しないエディションもサポートする。