Google、「Network Connectivity Center」のプレビュー版を発表:オンプレミスとクラウドのネットワーキングを簡素化
Googleは世界規模のネットワーク管理を実現し、オンプレミスとクラウドの接続ニーズに合わせて複雑なネットワークを簡素化できる「Network Connectivity Center」のプレビュー版を発表した。
Googleは2021年3月24日(米国時間)、世界規模のネットワーク管理を実現し、オンプレミスとクラウドの接続ニーズに合わせて複雑なネットワークを簡素化できる「Network Connectivity Center」のプレビュー版を発表した。
Network Connectivity Centerを利用すると、Googleのグローバルインフラを介して、オンプレミスとクラウドのネットワークを含む異種混在ネットワークの作成や接続、管理を一元的に容易に実行できるという。
Network Connectivity Centerは、VPNの他、パートナーのインターコネクトや専用のインターコネクト、サードパーティーのルーターやSD-WAN(ソフトウェア定義型WAN)をシームレスに接続するポイントとして機能する。アプリケーションとユーザーの位置にかかわらず、接続の最適化や運用負担の軽減、コスト低減を支援する。
Network Connectivity Centerは、オンプレミスとクラウドネットワークを全て1箇所で簡単に作成、拡張、管理する方法を提供する。主なメリットは5つある。
(1)単一接続モデルを提供
Network Connectivity Centerは、VPNやインターコネクト、SD-WANを簡単に接続、管理して、ユーザーがワークロードへシームレスにアクセスできるようにする。
Network Connectivity CenterのリソースはGoogleのグローバルインフラで稼働しており、高いパフォーマンスや信頼性、セキュリティを提供する。
(2)柔軟なクラウド接続でも信頼性が高い
Network Connectivity Centerは、信頼性の高い方法でデータを転送できるようにする。
企業がGoogleのグローバルインフラを使っていれば、新規/既存を問わず、パートナーのインターコネクトや専用インターコネクト、Cloud VPN接続、サードパーティーのルーター、SD-WANを利用して、オンプレミスサイトとクラウドリソース全体にわたって信頼性を享受できる。統一的な接続エクスペリエンスも提供する。
(3)VPNベースのマルチクラウド接続を実現
Network Connectivity Centerは、VPNベースのクラウド接続を直接利用可能にする。パートナーとの連携により、企業がマルチクラウドのリソースを作成、接続、利用する際に柔軟に選択できるようにする。
これらのリソースは、Googleインフラを使った信頼性の高い方法で接続される。さらにNetwork Connectivity Centerか、または選択したパートナーのソリューションを使って直接運用できる。
(4)SD-WAN統合/サードパーティールーターの利点を生かせる
Network Connectivity Centerは、SD-WANや他のルーティングソリューションとGoogleインフラを統合する際に、デフォルトのランディングポイントとして利用できる。
これにより、企業はSD-WANやルーティングソリューションのメリットを「Google Cloud」に拡張しながら、簡単に信頼できる方法で接続をオンデマンド利用できる。
(5)グローバルネットワークのリアルタイム可視化が可能に
Network Connectivity Centerは、VPNやパートナーのインターコネクト、専用のインターコネクト、オンプレミスネットワークを接続するための単一のペインを提供する。
さらにGoogle Cloudの「Network Intelligence Center」とシームレスに連携し、エンドツーエンドの可視化を実現することで、ネットワークのモニタリングや可視化、トラブルシューティングに役立つ。また、リアルタイムにパフォーマンスとネットワークの健全性をモニタリングできる他、トラフィックフローを表示し、接続の意図を確認することもできる。
Cisco Systemsとのパートナーシップを拡大
Googleは2020年4月にCisco Systemsと共同で「Cisco SD-WAN Cloud Hub with Google Cloud」を発表済みだ。これにより、顧客は安全でオンデマンドな接続を可能にするエンドツーエンドのネットワークを構築できるようになった。
GoogleはCisco Systemsとのパートナーシップを拡大し、両社が提供する技術の長所を生かしたターンキーネットワーキングソリューションを提供する。
この共同ソリューションでは、Cisco SD-WAN Cloud HubとNetwork Connectivity Centerを活用し、Googleのグローバルインフラと「Cisco SD-WAN」の「vManage」を使用して、ブランチサイトやオンプレミスのデータセンターをクラウドに接続できる。
加えて、「Cisco SD-WAN Cloud OnRamp」を介して、自動化されたプロセスにより、Cisco SD-WANのファブリックをGoogle Cloudに拡張できる。両社のソリューションの統合が強化されたことで、複雑な異種ネットワークを簡素化し、ミッションクリティカルなアプリケーションを保護し、運用負荷とコストを最小化する新しい機能を提供できるという。
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