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「ターミネーター」のモト・ターミネーターを、2022年のテクノロジーで解説しよう(後編)I'll be back(3/4 ページ)

スピルバーグが、手塚治虫が、そして全世界の子どもたちがあのころ夢見たテクノロジーは、2022年現在どこまで実現できているのだろうか?――映画や漫画、小説、テレビドラマに登場したコンピュータやロボットを、現代のテクノロジーで徹底解説する「テクノロジー名作劇場」。「ターミネーター」後編は、3と4を中心に解説する。

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戦うのは銃を持ったソルジャーか?

 ターミネーターは人間社会に潜り込んで人間を抹殺するのが役割で、そのために外装を肉で覆っている。本連載でも何度か取り扱っているが、現代のテクノロジーでは、そこまで人間と見分けがつかないほどのロボットは登場していない。

 しかし、2021年に「AMECA」というロボットが登場して話題になった。AMECAの表情の再現は非常にすばらしく、これまで存在したロボットのどれよりも優れている。

Ameca Humanoid Robot AI Platform(Engineered Arts)

 素晴らしいのは確かだが、人の中に入り込んでも区別がつかない、というほどではない。研究はまだまだこれからだ。

Point!

ロボットが人間の中に紛れ込んで見分けがつかないほどになるには、まだまだ道のりは長い。

 TERMINATORシリーズの全編を通して、ロボット軍団と戦っているのは銃などの武器を持ったソルジャーだ。ディストピアSF映画としては致し方ない面もあるだろうが、現実は少し違うかもしれない。

 第4作TERMINATOR4において「特殊な信号のデータを入手」というシーンがある。このデータを使うと、ターミネーターをシャットダウンする(スイッチを切る)ことができる、というのだ。確かに2体のターミネーターで試したところ、シャットダウンされた。実は、これが重要だ。

 先に触れたように、近代の電子制御が進んだ自動車などは、ハッキングすることで動作させられる。逆にいえば、ターミネーターやスカイネットもハッキングし返せばいいのだ。そうなると、人間側(反乱軍)にとって重要な戦士は、ITハッカー集団かもしれない。生き残っているホワイト・ハッカー(良い行いをするハッカー)を集め、スカイネットにハッキングをするのが重要な作戦となろう。

 第2作TERMINATOR2で、まだ若いジョンが銀行ATMやドアキーシステムをハッキングするシーンがある。ジョンはやはりそういう教育を受けていたのだろう。

 ジョンは、クレジットカードやドアの暗証番号を総当たりで見つける。暗証番号などを総当たりで探す手法を「ブルートフォース攻撃」という。日本語でいうなら「力ずく」のような意味で、古典的なハッキングテクニックである。今日の多くのシステムは、ブルートフォース攻撃には対策されているのでご心配なく。

Point!

ターミネーターやスカイネットとは、ITハッカーが戦うべきかもしれない。

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