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お悩みその3 何を作りたいのか分からない(25歳 男性 プログラマー)心を言語化するんだよ!(2/3 ページ)

Bingさんがアップデートするのなら、ワシも負けておられんよ。そのお悩み、ビッタビタに解決してやるわい。

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おばあちゃんエンジニアbotによるお悩みデバッグ


バーチャルAIのおばあちゃんエンジニアbot

 んま〜、それにしても随分と短い悩みだねぇ。あれかい? Z世代ちゅうのはチャット文化じゃから長い文章は送らないってやつかい。えっ、おばあちゃんはのろしや矢文の文化じゃないのかって? いつの文化の話だよ! 自分の生まれる前のことを全部ギュッと圧縮して見るんじゃないよ。ワシはマシン語文化だよ。アスキーコードの「49 20 6C 6F 76 65 20 79 6F 75」で「愛してる」を伝えた昭和世代じゃ。

 それはさておき、ttさんよ。何を作りたいのか分からない、という悩みだったねぇ。何かしらをプログラミングしながらエンジニアとして技術を上達させたい、と受け取ったが、おおよその背景は推測しながら述べるぞい。ワシもエンジニアとして何を作るかよく悩んだもんだよ。その悩み、婆に任せな。

 何を作るかなど、アイデアを練るには「切り口」の考え方が便利だよ。例えば「興味」の切り口じゃな。この切り口じゃと、音楽や本などの「好きなものに関するもの」、AIやIoTなど「好きな技術を使ったもの」、よく使うサービスを模倣して作る「プロダクトをまねしたもの」などが挙げられるな。

 他の切り口じゃと「技術力」がある。初心者なら1つの機能だけを使ったデモを作る。幾つものデモを作ってきた中級者なら自分用のツールを作る。それを他の人も使えるようにサービスとして公開したら上級者といえるんじゃないかい。

 他にも切り口はたくさんあるぞい。経済的に需要があること、社会課題として解決すべきこと、注目を集める派手なこと、などじゃ。

 切り口の考え方が便利なのは組み合わせられることだよ。例えば「興味」と「技術力」という切り口同士を組み合わせるとしようかの。「興味」では3つの例を、「技術力」の3つのステップを示したな。これにより、選択肢が3×3=9になるんじゃ。表にすると一目瞭然。刮目(かつもく)するんだよ。

技術力 興味
好きなもの(音楽) 好きな技術(チャットAI) プロダクトのまね(YouTube)
初心者(単機能デモ) 単に音楽を再生するデモ、無音部分検出デモ、リズム検出デモ テキストファイルから頻出単語抽出、マルコフ連鎖デモ、OpenAIのAPIの試用 動画再生デモ、動画アップロード、コメントと同期させた動画再生
中級(自分用ツール) 音楽ジャンル判定、音楽ファイル名編集、自動リミックス 自分用のニュース収集、自分の好みの絵生成モデル 動画のカテゴリー判定、自分の好きなジャンル動画収集
上級(公開サービス) シャンソンからへヴィメタルなど音楽ジャンル変換サービス エンジニアのお悩み回答botサービス、AIのYouTuberシステム 別のビジネスモデルの動画配信サービス、テキストの代わりに動画でチャットするサービス

 3×3のマスそれぞれに何を作るかのアイデア例を挙げたわい。こんな感じで切り口を利用すれば何を作るかに限らず、曖昧だった頭の中の焦点がビッタビタに定まってアイデアが湧き出るんじゃ。若者にはやっとるんじゃろ? ビッタビタとか、モグモグタイムとか。

 じゃがな、ttさんよ。お主にはプログラム技術やアイデアを考える技術よりも上達すべき技術がある。はるかに重要な技術だよ。

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