Lispの一種であるScheme。いくつかある処理系の中でも気軽にスクリプトを書けるGaucheでLispの世界を体験してみよう(編集部)
今回は、Gaucheを初めて使ってみようという方に向けて、Gaucheのインストールと、簡単なプログラムを題材に、どうやってGauche(Lisp)流のプログラムを書いていくかを取り上げてみます。
GaucheはApacheやRubyと同様にオープンソースのソフトウェアですので、自分でダウンロードしインストールする必要があります。
GaucheのWebサイトのダウンロードページから最新のソースを取得できます。現在のところサポートされているOSはUNIX系が中心で、Windowsではすべての機能を使うことができません。この連載でも、Mac OS Xを含むUNIX系のOSで動かす前提で進めていきます。
Gaucheのインストールは、ソースをダウンロードしてコンパイルするのが基本ですが、いくつかのOSでは簡単にインストールできるパッケージが用意されています。筆者が知っているものには以下のようなものがあります。
ただし、これらのパッケージは最新版ではないことがあるので注意してください。この原稿を書いている(2008年12月6日)時点で最新版のGaucheは8.1.4ですが、Debianでは8.1.2、Portsでは8.1.3がインストールされます。この程度の差であれば、この連載では問題ないと思います。
ソースコードからのインストールは、ApacheなどのC言語で書かれたオープンソースのソフトウェアと同様の手順です。
% wget http://prdownloads.sourceforge.net/gauche/Gauche-0.8.14.tgz % tar xzf Gauche-0.8.14.tgz % cd Gauche-0.8.14 % ./configure % make % make check
make checkの実行結果の最後が以下のように0 failed, 0 abortedとなっていれば無事にGaucheがmakeできています。エラーが出ている場合は、エラーメッセージを注意深く読み、分からなければネットで情報を検索して、不足しているソフトウェアをインストールしたり環境を調整したりしてください。
Total: 9403 tests, 9403 passed, 0 failed, 0 aborted.
後はインストールすれば終了です。
% sudo make install
Gaucheのコマンド名はgoshです。-Vオプションを付けてインストールされたGaucheのバージョンを確認してみましょう。
% gosh -V Gauche scheme interpreter, version 0.8.14 [utf-8,pthreads]
ダウンロードページから実験版をインストールできます。ファイルIOやネットワーク、RDBなどのないSchemeのプログラミングを行うことはできると思いますが、この連載で作るコードには動かないものが出るかもしれません。
それよりは、VMware PlayerやcoLinuxを使ってLinuxをWindows上で動かし、そこにGaucheをインストールすることをお勧めします。UNIX系のOSに不慣れな方は多少苦労するかもしれませんが、UNIXの知識はソフトウェア技術者には必要なものですし、@ITにもたくさんの記事がありますので、ぜひトライしてみてください。
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