クラウドプラットフォームをいち早く世の中に打ち出したSalesforce。Force.com上でのアプリケーション開発を学ぼう(編集部)
SaaS、PaaS、Cloud Computing【*1】。これらの言葉が一般的になり始めてからすでに1〜2年が過ぎようとしています。クラウドと呼ばれる分野の中でも常に注目を集めてきたSalesforce CRM(以下Salesforce)も、数年前に比べ品質・速度など、格段に良いものになっています。
その中でも特に注目すべきなのが、Force.comプラットフォーム(以下Force.com)というプラットフォームで、Salesforceを単なるCRM(顧客管理システム)/SFA(営業支援システム)とは一線を画すサービスにしている所以ともいえる仕組みになっています。
今回は、Force.com上でのアプリケーション開発を学ぶのにもってこいな新サービスForce.com Free Editionを利用して、Salesforceの開発の世界に足を踏み入れて行きましょう。
ターゲットとしている読者は以下のような方々です。
もちろん、上記以外でもForce.comに興味のある方であれば、楽しんで読んで頂けると思います。
【*1】
SaaS(Software as a Service)
サースと読む。ネットワークを介してアプリケーション(ソフトウェア)を提供する形態を指す
PaaS(Platform as a Service)
パースと読む。ネットワークを介してアプリケーションを実行できる環境(プラットフォーム)を提供する形態を指す。SaaSの発展形
Force.comやそのほかのSaaS/PaaSは、JavaやPHP、C、VBなどの開発者から仕事を奪うサービスだといわれることが多々あります。しかしながら、すべてのシステムがクラウドに統合される日があったとしてもまだまだ先でしょう。いまは勉強すべき言語・環境が1つ増えたのだと単純に考えてしまって良いと思います。
特に、以下の経験がある開発者は簡単にForce.comを学ぶことができます。コツさえつかんでしまえば、その日から開発が可能になるでしょう。
Force.comの開発を行うためには、アカウントを取得する必要があります。
Salesforceのアカウントには多くの分類・エディションが存在しますが、今回は話を簡単にするために以下の3つのアカウントを紹介します。
できるだけ最新の情報を選択していますが、それぞれの制限の表記が複数の記事からの抜粋であり、時期が少しずつずれています。変化の早いサービスですので、常に公式サイトより最新の情報を確認して下さい。
Enterprise | Developer | Force.com Free Edition |
|
---|---|---|---|
価格 | 1万5000円/1ライセンス | 無料 | 無料 |
ユーザー数 | 無制限 | 2ライセンス | 100ユーザー |
アプリケーション数 | 制限無し | 制限無し | 1個 |
カスタムオブジェクト数 | 制限無し | 制限無し | 10個/1ユーザー |
データ容量 | 1GB | 20MB | 1GB |
Sites PV | 50万PV/月 | 転送500MB リクエストタイム10分 PV制限はなし |
25万PV/月 |
Sites数 | 25 | 1 | 1 |
基本的にはやりたいことから逆引きで選択します。
・CRM/SFAとして本格的に運用したい
Salesforce CRMの有償アカウントを検討してください。Enterpriseの上下にもEditionが存在するので、利用するアカウント数などによって選択すると良いでしょう。
・CRM/SFAの機能は不要だが、Force.comプラットフォームを利用したSaaS環境でのアプリケーションを構築・運用したい
Force.com Free Editionを利用しましょう。Force.comにもSalesforce CRM同様に有償アカウントが存在しますが、まずはFree Editionで開発・運用を試してみるべきだと思います。
・CRM/SFAの機能を利用した開発・カスタマイズを行いたい。Salesforce CRMの有償Editionを検討している段階である
Developer Editionのアカウントを取得して下さい。ユーザー数やディスク容量が小さめに設定してあるため、本番運用をするEditionではありません。ただし、有償アカウントさながらの機能を有しており、本番環境に乗せるための開発もこのEditionで行うことになります。
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