Analysis Servicesを使って多次元分析に挑戦しようSQL Server 2005で学ぶデータ分析(3)(1/3 ページ)

ビジネスインテリジェンス(BI)の概要を解説した記事が多くのメディアで取り上げられるようになり、その基本的な理解は深まったと思われる。このような現状を踏まえ、本連載ではさらに一歩踏み込んだ内容として、データ分析の手法や注意点に焦点を絞った実践的な解説を展開する。(編集部)

» 2007年02月02日 00時00分 公開
[中野大輔日本ユニシス株式会社]

 前回「多次元分析の概要とデータ分析のポイント」では、多次元分析を中心としたデータ分析のポイントを解説しました。今回は「SQL Server 2005 Analysis Services」(以下、SSAS)を利用した多次元データベースの構築手順について解説します。なお、今回はSQL Server 2005のRelational EngineとSSASは同一のサーバに導入してある前提とします。

多次元データベースの構築手順

 構築手順の解説のために売り上げ分析のモデルを使用します(図1)。売上金額を、商品、店舗、期間という視点で分析するモデルです。ファクトテーブルとして「売上実績」、ディメンション用のテーブルとして「商品」「店舗」「期間」を用意しています。また、ディメンションの階層構造も記述しておきます。

図1 リレーショナル・データベース構成/キューブ構成 左:リレーショナル・データベース構成 右:キューブ構成 図1 リレーショナル・データベース構成/キューブ構成
左:リレーショナル・データベース構成
右:キューブ構成

 キューブの構築手順は、最も簡易な方法である図2の流れで説明します。

図2 多次元データベース構築手順 図2 多次元データベース構築手順

1.SSASプロジェクトの作成

 キューブの構築はSQL Server 2005に同梱されている「Business Intelligence Development Studio」により行います。まず、新規プロジェクトとして[Analysis Services プロジェクト]を選択して、プロジェクト名には多次元データベース名として「売上分析」を指定します(図3)。

図3 SSASプロジェクトの作成(Analysis Servicesプロジェクトの作成)(画像をクリックすると拡大します) 図3 SSASプロジェクトの作成(Analysis Servicesプロジェクトの作成)
(画像をクリックすると拡大します)

 また、プロジェクトではデータソース、データソースビュー、キューブ、ディメンションといった多次元データベースの構成要素を定義します。各構成要素はソリューションエクスプローラを右クリックして[新しい○○(構成要素)]を選択することにより、ウィザード形式で作成できます(図4)。

図4 SSASプロジェクトの作成(多次元データベースの構成要素の定義) 図4 SSASプロジェクトの作成(多次元データベースの構成要素の定義)

2.データソースの作成

 データソースウィザードにおいて、キューブの基になるテーブルが存在するリレーショナル・データベースへの接続情報(サーバ名、データベース名など)を指定します。

3.データソースビューの作成

 データソースビューウィザードでは、データソース(2.で指定)よりテーブルを選択し、各テーブル間のリレーションを定義します(図5、図6)。

図5 データソースビュー作成(テーブルの選択) 図5 データソースビュー作成(テーブルの選択)
図6 データソースビュー作成(各テーブルのリレーション定義)(画像をクリックすると拡大します) 図6 データソースビュー作成(各テーブルのリレーション定義)
(画像をクリックすると拡大します)
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